〜とある女子のランチ会〜

「チーフ、チーフって迢さんと付き合ってるんですかー？」

「ちょ、先輩に向かって直球すぎない？」

そう言うもう1人の後輩も名前からの答えをキラキラした目で待っている

まぁ、隠すこともないというか、変に誤魔化した所で気を使わせてしまうだけなので素直に「うん」と答えた

「名前ってば、入社当時の彼のことを忘れられなかったみたいだけど、本当に良かったわよ。このまま花の20代が終わっちゃうのかと保護者である私も心配で心配で､､､」

ホロリと涙を拭う演技をする同期

「いや、保護者って誰がよ；」

「でもこう言うのも失礼ですけど迢さんってアレですよね？普段女性みたいな感じじゃないですか？」

「こら！多様性の時代なんだから、そういうこと言わないの！」

と言いつつ、やっぱり興味津々の顔で名前を見ている

「でもさ、実家は有名アパレルの経営者なんでしょ？なんだかんだで美形だし、仕事もできるし、かなりの当たりじゃない？」

「えっ！ご実家ってそんなにすごいの？？」

「はぁ？名前、そんなことも知らないで付き合ってんの？まぁ、私も社内のウワサ程度だから実際にどうかは知らないんだけどね」

「でも、私も聞きましたよー。なんか、実家の方はお兄さんが継いでるんだとか」

「でもでも、実家が太い次男とか、さらに最高じゃないですかぁ？」

「へぇ」

「へぇって､あんたね､､､ちょっとマジで付き合ってるのか心配になってきたわ」

「いやいや、今、同棲してるでしょ。私見たんですよね電車から一緒に降りてくるの。チーフ、もともとの線と違うなぁって」

｢え！そこまでの話になってるの？本当に成長して､､､｣

やっぱり涙を拭う演技をしている。当時の自分の様子に気づいてさりげなく励ましてくれた同期の本当に嬉しそうな姿に｢ありがたい存在だな｣と感謝した

｢でもですね、なーんか想像できないというか、家では男の人って感じなんですか？｣

今まで遠慮ぎみに聞いてたわりに1番失礼な質問をぶっ込んできた

｢うん、まぁ｣

というか、ギャップが凄いんだよね､､､普段は家事も完璧だし美意識も高い。今回知ったけど使ってる美容液、あれ何万もするやつだ。かと言ったら『男の本気の愛』とか言うんだもん。あれはヤバかった､､､

｢ちょっとぉ、昼間っからなに想像してんのよ｣

｢は？し、してないし！！｣

｢ふーん｣

とさっきとはうって変わり、ニヤニヤしている同期

｢でもま、名前が幸せそうで本当に良かったよ。今度飲みに行ったとき、もうちょっと話を聞かせてもらうからね！｣

｢了解｣

｢名前の奢りでね｣

｢り､､､いやいやせめてボトル1本で勘弁して｣

｢そうねー。同棲しはじめでお金もかかるでしょうしそれで手をうつわよ｣

｢あ！じゃあ私も行きたいです！｣

｢私も、良いですか？｣

ちょっと嫌な予感がするが、居心地のよい職場環境があるのも彼女たちのおかげだ

｢うん、皆で飲みに行こう｣



～とある男の孤独のグルメ～

｢思ったより時間押しちゃったわね｣

会社に戻る前にさっさと食事を済ませようとお店を探す

（メニューも分かってるチェーン店がてっとり早いかしら）

｢・・・｣

（今週末かぁ）

｢やっぱり鰻（特上）にしちゃおうかしら｣

あさりのお味噌汁も付けて、しっかりと頂いた。

ちなみに次の日のランチは牡蠣フライ定食にした柳娟である




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