第二部~はじめての夜?~
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うずくまったまま動く気配のない名前
(目のやり場に困るわね)
半分、はだけた下着を事務的に戻し、シャツを着せた
その間も名前は反応することなく虚ろな目をしている
「名前、何か温かいもの飲む?それともベッドに運んであげようか?」
「ん、、、」
どちらとも言えない返事にしばらく様子を見ていると
「私、柳娟の事がとても好きなの」
こちらを見ることなく名前が呟く
「嫌われたくなくって、いなくなっちゃうのが怖くって、、、」
(いなくなんてならないのに)
そう反論しようかと思ったけれど、今言うと名前を追い込んでしまう気がして、静かに次の言葉を待った
「柳娟の家に来てからずっと正解を探していた気がする」
「正解?」
「うん、どうしたら嫌われなくって済むかな、とか」
「あと、あんまり幸せになり過ぎちゃうと別れた時に生きてけない気がして、心に予防線張ったり、、、」
何がこんなにも名前を不安にさせてるのか分からず、もどかしいような、歯がゆいような悔しさがこみあげる
(でも、今はこれ以上何も言わない方がいいわね)
先ほど怒りにまかせて名前を責めてしまったことを少し後悔した
「こんなに好きなのに、どうしても柳娟の気持ちを無防備に受けとるのが怖いの」
柳娟はただただ黙って名前を見つめた
「もっと強くなりたい」
「もっと頑張りたい」
「もっと、、、幸せになりたい」
「ずっと、、、ずっと柳娟と一緒にいたい」
そう言って膝を抱えてさらに小さくなる名前
「疲れたでしょ?今日はゆっくり休んだ方がいいわ」
名前を抱え寝室へと向かう。そっとベッドに寝かせた後、立ちあがろうとすると袖を掴まれる
「ここにいるから」
「私はずっと名前のそばにいるから」
そう言って名前の頭を撫でる
「ん・・・」
そう呟くと名前は静かに目を閉じた
しばらくすると規則的な寝息が聞こえはじめた
名前に布団を被せそっと部屋を後にした
ーーー
ーー
「柳娟、おはよう」
少し気まずそうな表情で名前がリビングのドアを開けて入ってきた
「あの、昨日はご、、、」
最後まで言い終わる前に柳娟は名前の口を指で塞いだ
「それよりご飯食べちゃわない?」
「もしかして待っててくれたの?起こしてくれても良かったのに」
「せっかくの休みだもの、ゆっくりしたかったからいいのよ」
「ありがとう、ごめんね」
そう言ってテーブルについた
2人同時にホットコーヒーに口をつける
「ふふ、なんかさ、最高のシチュエーションじゃない?」
「シチュエーション?」
「そ、休日の朝にさ、恋人が部屋着でコーヒー飲んでるとか♡」
「シチュエーションって言うなら今の状況が幸せすぎるよ。恋人が朝ごはん準備してくれてるなんて」
「幸せって言ってくれるなら毎日でも頑張っちゃうタイプだわ、私」
「んー。そんなの申し訳ない気持ちになっちゃうから、そこはちゃんと半分こにしたいなぁ私だったら」
「そ、じゃ曜日決める?」
「え?ちょっと待って、何の話をしてるの?」
「だから朝ごはんの当番の話でしょ?」
「いやいや、シチュエーションの話でしょ?」
「違うわよ、私たちの毎日の話」
「それは無理だよ、平日は仕事あるし帰らなきゃ」
「帰らなきゃいいじゃない」
「そんな訳にはいかないよ」
「いかなくないわよ。名前、私たちさ、一緒に暮らしましょ」
「え?同棲ってこと?ちょちょっと待って理解できない」
名前は頭を抱えた
「昨日、夜言ったでしょ?ずっと名前のそばにいるって。名前もずっと一緒にいたいって言ったじゃない」
「言っ、、、た、、、けど」
「じゃOKね!今日のうちに荷物運んじゃいましょ!」
「OKってそんなの私言っ」「とりあえず、ウチでいいわよね?会社にも近いし」
「いや、だからちょっと待っ」「大型の物はゆっくりでいいとして、、、とりあえず1週間分の服があればいいわよね?」
「そういう問題じゃなくっ」「あ!名前はゆっくりしていていいからね?私、こう見えて力持ちなのよ、指示してくれたら私1人でできるから」
「力持ちなのは知っ」「さ!今日は忙しくなるわね!さっさとご飯食べちゃいましょ!!」
「ねぇ、ちょっと柳娟ってば、待ってよ」
何を言っても聞く耳持たない柳娟の腕を掴んだが、逆にその手を握り返され体ごと引き寄せられた
「名前が、、、何がそんなに不安なのか今の私には分からないわ。でも「ずっと一緒にいたい」って言ってたのは確か。だったら一緒に暮らせばいいのよ」
そう言って柳娟はパチッとウインクをした
唖然として、言葉が出ない名前の耳元で柳娟が囁く
「そんな、いきなり取って食おうとはしないわよ?」
(それ、昨夜のデジャブ)
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《アトガキ》
古本を拾ったら「イケメン」が転生してきたので一緒に暮らすことになりました
の2度目のタイトル回収となりました!
途中、暗くなりそうな所をなんとか持ち直しました。