第二部~はじめての夜?~
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「まずい」
名前は慌てて涙をぬぐった
お風呂の方から聞こえる音から察するに、そろそろ出てくるころだろう
(と、とりあえず何か飲み物でも用意した方がいいのかな)
コンビニの袋をガサゴソと漁るが、自分の必要なものしか買っていないことに気づいた
(じょ、女子力・・・)
彼氏とはいえ、お邪魔させてもらうのにお持たせ一つ買っていないとは。
自分の気の利かなさに脱力していると柳娟がお風呂からあがってきた
「はあ、さっぱりした」
濡れた髪、ゆったりとした首回りから覗く鎖骨。その姿に胸が高鳴る
(いつもはきちんとした格好してるから、こんな無防備な姿を見るのはじめて)
「なにか冷たいものと思ってたんだけど、私、自分の物しか買っていなくって、、、」
「そんなの気にしなくていいのよぉ」
「ってそれより!!!」
急に怒り出し柳娟が近づいて名前の髪を触る
「髪、濡れたままじゃない!風邪ひくでしょ」
「は、はい!!」
「というか、ごめんね、私が用意してお風呂に行くべきだったわ」
そういうとドライヤーを持ってきて自分の前の床を叩いた
(そこに座れということなのかな)
素直に従い柳娟に背を向けて座った。
名前の髪を丁寧に乾かしていく柳娟。柳娟の指が髪にからみ、その心地よさに目を瞑るといつもと違うシャンプーの香りがした
(気持ちいい・・・)
「はい!おしまい」
「ありがとう」
少し緊張がほぐれたのか、名前の顔に笑顔が戻る
「次は私が柳娟の髪、乾かすね」
「そ?じゃあお願いしようかしら」
そう言って場所を交代して柳娟の髪を乾かしていると、ドライヤーの風から先程と同じ香りがした
「柳娟は、、、また髪を伸ばしたりしないの?」
「あら?髪が長かったって話たことあったかしら?」
「え?あ、うん!言ってたよ」
名前はしまったと顔をこわばらせた
(・・・なんで言えないんだろう)
何より『言ってはいけない』そんな風に何か警告されている気持ちになる
「そうだっけ?そうねぇ、今の会社にいるうちはこのままでしょうね」
「そっか」
「名前はどんな髪型が好きなの?」
「私は、、、どんな髪型の柳娟も好きだよ」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない」
余裕そうな返事を返した柳娟だが、その耳が赤くなっているのを名前は見逃さなかった
(普段押しが強くって少女漫画みたいなこといっぱい言うのに、たまにすごくテレたりするんだよね)
(そこもね、、、ほんっと可愛くって大好き)
「はい、おしまい」
「ありがとう」
ドライヤーの音も消え、部屋が静まり返る
再び部屋に緊張感が漂いはじめた
(私から声かけるべき?どうしよう、何が正解なんだろう)
「名前?」
「ひゃい!」
不意を突かれたのか、緊張のためか声が裏返る
そんな名前を見て柳娟が「ひゃいって、ひゃいって~」と床を叩きながら笑った
(そんなに笑わなくてもいいじゃない)
名前は俯き少し涙目になった
そんな名前の様子をみて、柳娟が名前の頬に優しく手をおく
「ごめんね、笑ったりして、、、私もちょっと緊張しちゃってたからさ、この空気をごまかそうとしてたみたい」
「柳娟も緊張、するの?」
「は?あんた私をなんだと思ってんのよ、彼女が自分の服着て部屋にいんのに、ドキドキしないやつなんていないでしょ」
「ドキドキ、、、そっか、柳娟はいつも自信たっぷりというか、傍若無人というか、堂々としてるから」
「ちょっとぉ、褒めてんの?けなしてんの?どっちなのよ」
「褒めてるんだよ!!」
手をぶんぶん振って答えた
「柳娟は私の憧れでもあるから。私も色々頑張って自信つけていかなきゃって、柳娟を見てて思うの」
「私から見たら十分頑張ってると思うけど?」
「はは、ありがとう。でも、もっと頑張りたいから」
「ふーん」
「それより」と言って頬にそえていた手を動かし名前の顎を持ち上げた
「そろそろ私も我慢の限界なんだけど」
柳娟は名前の腰に手を回し
キスをした
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