第二部~はじめての夜?~
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「ご馳走様、ふぁ〜美味しかったぁ」
「この前のお店も良かったけど、ここも美味しかったわね」
「うん、美味しい物食べて、美味しいお酒飲んで、、、癒されちゃうね」
「・・・」
「柳娟?どうかした?」
「足りないわ」
「え!?まだお腹空いてるの?メニューもらおうか?」
「違うわよ、、、美味しい物・美味しいお酒、あと一つ大事なものがあるでしょう?」
「え?あ、、、えーと」
しばらく考え込む名前
チラリと柳娟を見ると頬杖ついてニコニコとこちらを見てる
「あと、柳娟がいるからです」
やっと聞こえる程の小ささで答える
(慣れないし、恥ずかしい。だって高校生でもあるまし、いい大人がお店で)
柳娟と付き合い始めて3ヶ月。彼は少女漫画に出てくるヒーローみたいに甘い言葉をかけてくる
(いや、どちらかと言ったらヒロインかも、、、?)
満足そうな柳娟はうんうんと頷き
「私も名前と一緒で幸せだわ」
とこちらは照れることなく答えた
(なんか、もう、この状況が信じられないのよね)
5年前に柳娟とお別れした時には、2度と会えるとは思わなかったわけで。誰か素敵な人と付き合えば忘れられるかなとも思ったこともある。
実家は田舎だし20代後半になると両親からの電話の回数も増えた。
(遠回しに結婚を急かされてるんだよねw)
チラリと柳娟をみる
整った顔立ち、コロコロと変わる表情。
髪はあの頃とちがってショートになってる。それでも男のものとも女のものとも違う独特な色気があって、、、
前は気づかなかったけど、喉仏もあるんだ
「ん?なぁに?そんなに見つめちゃって」
「あ!ご、ごめん。ちょっとぼーとしちゃって」
「いいのよ、いいのよ〜。それだけ私のことが好きってことでしょ?私も名前の顔見てるだけでお酒が美味しいから」
「いや、私は無理だから」
そう言って手で顔を隠した
(この自信たっぷりな所は相変わらずというか、変わんないな)
「なんで隠すのよ」
少し不貞腐れた表情がなんとも可愛い
(かっこいいのに可愛いいとか最高かよ!ってやつじゃん)
「さ、そろそろ終電も近いし出ましょうか」
「うん」
2人は店を出で駅へと向かう
自然と手を繋いで2人は、今日の料理にはあのお酒が合ってた、デザートの味はどうだったと話す
(ヤバいなぁ。この幸せ感、、、)
幸せであればある程、あの時の別れが思い出される。
チクリと胸が痛んだ
「名前?どうしたの?酔って気持ち悪くなっちゃった?」
「ち、違うの!ちょっと仕事でやり残したことを思い出しちゃって、ごめんね」
名前はどうしても、、、以前柳娟が転生してきた時のことを話せないでいた
(朱雀の神様の補正でもかかってるのかな、、、何でか言えないのよね)
焦った様子で言い訳をする名前を見つめた柳娟の顔が曇る
「なにそれ」
あからさまに怒っている
「私といる時に仕事のことなんか思い出さないでよ」
「ご、ごめんって、機嫌なおして?ね?」
繋いでいた手にもう片方の手を重ねて謝った
「じゃ、キスしてくれたら許しちゃう」
そう言って柳娟は目を瞑った
「は?え?ここで」
「そ、今すぐ」
「いや、でも人もいるし、こんな道端で」
「じゃあいいわよ、ここでも」
そう言って自分の頬を指さした
「それでも、、、大の大人が道端でって」
「なによ、私は妥協してるのよ?言うこと聞けないなら私からディープなやつをするだけだけど?」
そう言うとグッと名前の体を引き寄せた
「わ、分かったから」
ちゅっと柳娟の頬にキスをした
「よくできました♡」
機嫌良くなったのか、名前の手をしっかりと握りふたたび歩き始めた
(こんな調子で皇帝陛下に迫ってたのかな?)
少女漫画のベタ甘彼氏とも、彼女とも言えない柳娟の姿を横目で見つめた
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