朱い光・・・
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「あら、今朝は早いのね。お仕事忙しいの?」
「ううん、今日は仕事、休んじゃった」
名前はペロリと舌を出して答えた
「そう、、、ま、そんな日があってもいいんじゃない?いっつも頑張ってるものね」
「そ、だからジャーン!!ホットケーキ焼いてました」
名前は満面の笑みでホットケーキを差し出した
「美味しそうじゃない!」
それを満面の笑みで康琳は受けとった
ーーー
ーー
いつもの何気ない日常。
掃除したり、洗濯したり。
お昼ご飯は外でのランチにして、帰りに少しウインドウショッピングをする。
そういえば醤油がもう少なくなったねと言って、買い出しも済ませた。
夜ご飯は康琳のリクエストでグラタンを作った。
スーパーで買ったおつまみでお酒も飲んで、二人で雑誌を見ながら最新のファッションやメイクの話をする。
「そろそろ寝よっか、私、明日は仕事だし」
「そうね、寝ましょうか。名前は明日の朝ご飯は何がいい?」
「うーん、和食かな。康琳の卵焼き、甘くて大好き」
「OK!じゃ、お休みなさい、名前」
「お休み、康琳」
ーー
ー
「名前・・・。私、名前がいいって言ってくれる限り、ここにいるからね」
「うん、康琳。私、ずっと康琳といたいな」
「分かったわ」
そう言って名前は目を瞑った
ーーー
ーー
ー
康琳の寝息が規則正しくなった。名前はそっと布団から出て、上着を羽織った。
カラカラカラ、、、
「外はやっぱり寒いな」
ベランダに出た名前は小さな声で、でもしっかりとした口調で空を見上げて言った
「朱雀!そこにいる?」
空が朱く光り、その中に朱雀が現れた
「あなたの言う通りにするから、いくつか質問したいことがあるの。答えてくれる?」
『なんだ?言ってみよ』
「こうり、、、柳宿はそっちの世界に帰った後、こちらの世界の事は覚えてるの?」
『いや、この事態が予想外の事であったからな。柳宿の記憶は消えるだろう。さらに言えば、そなたや柳宿に関わった人間の中の柳宿の記憶も消えるだろう』
「そう、、、ところで願い事はいくつ叶えてくれるの?相場はだいたい三つだったりするじゃない?」
『その通り、基本的には巫女の願いは三つだが、、、』
「何よ、乙女じゃないからって三つも聞けないっていうの?そっちのミスなんだから二つくらい叶えてよ」
いつもの自分ではないみたい。ふしぎなくらい自分の気持ちがはっきり言える
『よいだろう、願いを言ってみよ』
「一つはあなたの言う通り柳宿をそちらの世界に帰すわ。そして、、、」
「もう一つの願いは私の中の柳宿の記憶だけは残しててほしいの」
『よいだろう』
『そなたの願い、しかと聞いたぞ』
朱雀の光りが強くなり、この街一帯が朱く光ったようにみえた
まぶしさで目を瞑っていた名前が、そっと目を開けると
いつもの街の風景が広がっている
カラカラカラ、、、
布団に寝ていた康琳の姿は
もうそこにはいなかった
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