冬がはじまるよ
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温暖な紅南国に冬が訪れた。
昨夜の雪が降り積もり、外は一面銀世界となっている。
とは言っても、雪はうっすらと積もっただけで、歩いた後には黒い土が顔を覗かせている。
それでも雪が珍しいためか、七星と巫女である名前はこの雪景色を楽しんでいた。
「きれい」
星「ここ紅南国はめったに雪が降らぬからな、この様な景色は珍しいのだよ」
柳「見て、息も真っ白」
「そだね、これだけ寒いとね」
柳「それにしても、その服似合ってんじゃん」
「ありがとう!柳宿にもらった服、やっと冬になったから着てみたの」
柳「うん、かわいい、かわいい☆さすが柳宿様が選んだ服だわ」
「何それ。自分で選んだ服を自分で褒めてんの?
だいたい、なんで8月の誕生日プレゼントが冬服なのよ」
柳「んー…おまじないみたいなもんかな」
「え゙っこの服に呪いかけてんの!?」
柳「違うわよ!呪いじゃなくっておまじない!!」
「へー、どんな?」
柳「えっ?」
「だからどんなおまじないなの?」
柳「大したことじゃないわよ」
「大したことじゃないなら教えてよ」
柳「いいの、あんたは知らなくって」
「なんで?私がもらったんだよ?」
柳「とにかく、秘密なの」
「ケチ」
柳「ケチで結構よ」
少し膨れっ面で庭を眺めている名前の横顔を柳宿はじっと見つめていた。
--その服はね、今年の冬もあんたと過ごせるようにって買った服なの。
そして今は…来年の冬も一緒に過ごしたいと願っている。
「は~~」
名前は手に息を吐いた。
柳「寒い?」
「うん、ちょっとね。でも平気」
柳「これ着てなさい」
柳宿は自分の着ている上着を脱ごうとした。
「いいの、大丈夫だから」
柳「遠慮しなくていいのよ?」
「それ着ちゃうと、柳宿にもらった服が隠れちゃうもん」
「そう、ならいいけど…」
--嬉しいこと言ってくれるわね。
最近あんたがどうやったら幸せでいられるかを考えてる。
不思議ね…
去年の冬はずっと後宮にいて・・・何やってたかも思い出せない。
なんだか今年の冬はあたたかい。
「あ゙~鬼宿、翼宿!庭を走り回らないでよ。雪がぐちゃぐちゃになっちゃうでしょ!」
翼「何ゆうてんねん!雪っちゅうもんは誰かに投げつけて遊ぶもんやで」
言いながら翼宿は鬼宿に向かって、泥混じりの雪玉を投げつけた。
鬼「このやろ~すでに雪玉じゃなくって、泥玉じゃねーか!」
翼「そやった?そりゃすまんな」
鬼「オメー絶対思ってねーだろ!」
鬼宿も負けじと雪玉を翼宿に投げつけるが、翼宿はヒラリと避けた。
翼「そんなもん、当たるかい!うりゃ!!」
鬼「へっそんなへなちょこ、避けらんねー方がおかしいぜ」
ところが、翼宿の投げた雪玉(泥玉)は鬼宿の後ろの方で景色を眺めていた名前の顔にヒットした。
「たーまーほーめー、たーすーき~~!!」
翼「悪い、名前!たまが悪いねん」
鬼「てめー人のせいにすんじゃねーよ!」
「どっちもどっち!」
名前は叫びながら庭へと下りていき、一生懸命雪玉を作っている。
翼「たま、逃げるで!」
鬼「おう!」
「逃げるな~!」
そんな名前達の様子を柳宿は嬉しそうに見ていた。
--あーあ、あれじゃあの服もすぐ泥だらけね。
ま、名前が楽しいならそれでいっか。
・・・・
髪をほどいたり、突然泣き出したり、沢山のあんたを知っているつもりだけど、まだまだ足りないみたい。
ほら、その笑顔、また一つ新しいあんたを見つけたわ。
ぼーっとしてたら見過ごしちゃう。
柳「油断できないわね」
星「そなたもな」
さっきから二人の様子を見ていた星宿が言った。
柳宿は星宿の方を向いて、ハハっと困った顔で笑った。
そんな柳宿に星宿はニコッと満面の笑みを返す。
end
→あとがき
「♪冬がはじまるよ」は槇原敬之さんのあの名曲で、この短編の元ネタです。
日本の代表的なクリスマスソングのひとつですよね。
(だからヒロインは8月生まれなんです。決して管理人が8月生まれだから、8月にしたんじゃないですよ~)
まず、題名がいい!12月って、実際は冬の始まりで、クリスマスがスタートって感じがします。
歌詞もなんだかかわいくって好きです。
まじまじと歌詞を見た事が無い方、よかったら歌詞タイム辺りでご覧になって下さい。ほのぼのしますよ☆
で、、、そんな名曲をこんな形にしてしまっていいのだろうか・・・。
特に「油断させないで~」って部分を、上手に表現出来ずに悩みました(; ̄ー ̄)
ただ、ラストの星宿の笑顔は気に入っています。
以前妹が「私、星宿と翼宿に取り合いっこされたい」とボソっと呟いていたのを聞いて
「それなら私だって、星宿と柳宿との板ばさみがいい」と言い合ったことがありまして。
ちょびっとだけその妄想を入れさせてもらいました。
なんて贅沢!!
そんなこんなで、忙しくって、大変な時期ですが、意味無くわくわくする季節でもあります。
皆様の毎日が充実したものでありますように☆
2010.12
昨夜の雪が降り積もり、外は一面銀世界となっている。
とは言っても、雪はうっすらと積もっただけで、歩いた後には黒い土が顔を覗かせている。
それでも雪が珍しいためか、七星と巫女である名前はこの雪景色を楽しんでいた。
「きれい」
星「ここ紅南国はめったに雪が降らぬからな、この様な景色は珍しいのだよ」
柳「見て、息も真っ白」
「そだね、これだけ寒いとね」
柳「それにしても、その服似合ってんじゃん」
「ありがとう!柳宿にもらった服、やっと冬になったから着てみたの」
柳「うん、かわいい、かわいい☆さすが柳宿様が選んだ服だわ」
「何それ。自分で選んだ服を自分で褒めてんの?
だいたい、なんで8月の誕生日プレゼントが冬服なのよ」
柳「んー…おまじないみたいなもんかな」
「え゙っこの服に呪いかけてんの!?」
柳「違うわよ!呪いじゃなくっておまじない!!」
「へー、どんな?」
柳「えっ?」
「だからどんなおまじないなの?」
柳「大したことじゃないわよ」
「大したことじゃないなら教えてよ」
柳「いいの、あんたは知らなくって」
「なんで?私がもらったんだよ?」
柳「とにかく、秘密なの」
「ケチ」
柳「ケチで結構よ」
少し膨れっ面で庭を眺めている名前の横顔を柳宿はじっと見つめていた。
--その服はね、今年の冬もあんたと過ごせるようにって買った服なの。
そして今は…来年の冬も一緒に過ごしたいと願っている。
「は~~」
名前は手に息を吐いた。
柳「寒い?」
「うん、ちょっとね。でも平気」
柳「これ着てなさい」
柳宿は自分の着ている上着を脱ごうとした。
「いいの、大丈夫だから」
柳「遠慮しなくていいのよ?」
「それ着ちゃうと、柳宿にもらった服が隠れちゃうもん」
「そう、ならいいけど…」
--嬉しいこと言ってくれるわね。
最近あんたがどうやったら幸せでいられるかを考えてる。
不思議ね…
去年の冬はずっと後宮にいて・・・何やってたかも思い出せない。
なんだか今年の冬はあたたかい。
「あ゙~鬼宿、翼宿!庭を走り回らないでよ。雪がぐちゃぐちゃになっちゃうでしょ!」
翼「何ゆうてんねん!雪っちゅうもんは誰かに投げつけて遊ぶもんやで」
言いながら翼宿は鬼宿に向かって、泥混じりの雪玉を投げつけた。
鬼「このやろ~すでに雪玉じゃなくって、泥玉じゃねーか!」
翼「そやった?そりゃすまんな」
鬼「オメー絶対思ってねーだろ!」
鬼宿も負けじと雪玉を翼宿に投げつけるが、翼宿はヒラリと避けた。
翼「そんなもん、当たるかい!うりゃ!!」
鬼「へっそんなへなちょこ、避けらんねー方がおかしいぜ」
ところが、翼宿の投げた雪玉(泥玉)は鬼宿の後ろの方で景色を眺めていた名前の顔にヒットした。
「たーまーほーめー、たーすーき~~!!」
翼「悪い、名前!たまが悪いねん」
鬼「てめー人のせいにすんじゃねーよ!」
「どっちもどっち!」
名前は叫びながら庭へと下りていき、一生懸命雪玉を作っている。
翼「たま、逃げるで!」
鬼「おう!」
「逃げるな~!」
そんな名前達の様子を柳宿は嬉しそうに見ていた。
--あーあ、あれじゃあの服もすぐ泥だらけね。
ま、名前が楽しいならそれでいっか。
・・・・
髪をほどいたり、突然泣き出したり、沢山のあんたを知っているつもりだけど、まだまだ足りないみたい。
ほら、その笑顔、また一つ新しいあんたを見つけたわ。
ぼーっとしてたら見過ごしちゃう。
柳「油断できないわね」
星「そなたもな」
さっきから二人の様子を見ていた星宿が言った。
柳宿は星宿の方を向いて、ハハっと困った顔で笑った。
そんな柳宿に星宿はニコッと満面の笑みを返す。
end
→あとがき
「♪冬がはじまるよ」は槇原敬之さんのあの名曲で、この短編の元ネタです。
日本の代表的なクリスマスソングのひとつですよね。
(だからヒロインは8月生まれなんです。決して管理人が8月生まれだから、8月にしたんじゃないですよ~)
まず、題名がいい!12月って、実際は冬の始まりで、クリスマスがスタートって感じがします。
歌詞もなんだかかわいくって好きです。
まじまじと歌詞を見た事が無い方、よかったら歌詞タイム辺りでご覧になって下さい。ほのぼのしますよ☆
で、、、そんな名曲をこんな形にしてしまっていいのだろうか・・・。
特に「油断させないで~」って部分を、上手に表現出来ずに悩みました(; ̄ー ̄)
ただ、ラストの星宿の笑顔は気に入っています。
以前妹が「私、星宿と翼宿に取り合いっこされたい」とボソっと呟いていたのを聞いて
「それなら私だって、星宿と柳宿との板ばさみがいい」と言い合ったことがありまして。
ちょびっとだけその妄想を入れさせてもらいました。
なんて贅沢!!
そんなこんなで、忙しくって、大変な時期ですが、意味無くわくわくする季節でもあります。
皆様の毎日が充実したものでありますように☆
2010.12