そのた
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軽率な発言
不必要な被害妄想
論争に繋がって
溝になる。
「冗談が、通じな、いのよ
あのひとっ
も、やだ…!」
「そうね、男なんかそんな
もんなのよ。バカなの。バカ。
ねえむが気にすることないわよ」
アタシもパンティも
よくそうやって喧嘩をするわ。
でもそれは姉妹っていう
同性で年も離れていない
ごくごく近しい間柄の
近しい感覚の相違で発生するものよ。
そしてアタシたちはひとところに
凝り固まらない。
自分の非を認めることも
相手の非を許すこともできる。
でも、異性であり
生きてきた時間の差が
あまりにもある父と娘では、
わかり合うとなると難しい。
生きていく上で
男の内側に堆積していく
くっだらないプライド。
それを知らない無知な娘。
娘の冗談が父の努力を潰し
父は受け止め切れず娘を怒鳴る。
「まったく、そうやって傷ついて、
泣いていたって溝は埋まらないのよ?
アンタはそれを埋めたいの、
それともいっそ谷にしたいの。」
「…わぁ、んない、
でも今はしゃべりたくない、
顔も、見たくない!」
机に突っ伏してわがままを言う
無知な娘。
アタシはこの娘の姉でも、妹でもない
ただ近しい感覚にいる友人。
友人?違うわ。
「そんなに嫌なら、
ウチにくれば?一人分くらいの
スペースどうにだってなるわよ」
「ストッキン、 ほんと?」
近しい感覚なんていうのも
甚だおかしいくらい、
まったく別の方向から
父親の所有物たる娘を
(少なくとも父はまだそう
思っているでしょうよ)
奪おうってじりじりと
近寄っている赤の他人。
それも女で、天使。
「ねえむがいいなら、
いらっしゃいよ」
こうして誘い込んで、
上手に上手に手を回して、
「ありがと…」
アンタのすべてを
アタシのモノにしてあげる。
アンタが泣いて嫌った父が
どんな顔でアンタを
否、アタシを見るのか、
なんて考えただけで
口角は重力に逆らうってものよ。
この溝はアタシにとって
何て都合のいいモノなのかしら。
