それいけ!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(あなたは、とってもわるいひと
だから裁かれて、当然。)
「こら!勝手に
動きまわるんじゃないの!!
お前は人質なんだからじっと
してるのだ!」
黴菌には必要のなさそうな白衣に
身を包んだばいきんまんが、
研究室内をキョロキョロと
見て回るねえむを
怒鳴り付けた。
ねえむはアンパンマンを
誘き出す人質として拐って
きたはずだが、本人はまるで
城に招待されたように
気ままで、先程からばいきんまんの
つくる兵器や薬物に目を輝かせては
研究室を行ったり来たりしている。
「むう、だって退屈ですし…
実験器具にはさわりませんから
見て回ってもよいですか?
私、ばいきんまんの造るものに
興味があります。」
ねえむの言葉に、ぐっと
息をつまらせるばいきんまん。
見るだけだぞと吐き捨てて
また作業へと移る。
「うふふ」
「はあ、おれさま、拐ってくるやつ
間違えちゃったかな…」
少しは怖がってもらわないと、
悪役としては少々複雑で
ばいきんまんは深くため息をついた。
そして、機械や薬を見ている
だけだと思っていた少女の瞳が
自分自身にも向いていることに気付く。
「な、なんだなんだぁ?」
「ばいきんまんは、わるいひとですね」
そう言ってねえむが
笑う仕草に、黒い胸が
思わずばくっ、と飛び上がる。
まったく、なんて人質だろうか
拐われて、囚われて、拉致した犯人に向かって
笑顔を浮かべるだなんて!
余計な思考を振り払うように、ばいきんまんは
作業をするふりをして息を整えるために
また深くため息をついた。
その影で、ばいきんまんを見つめて
ねえむは再び目を細める。
欲望の赴くまま悪の道を迷わず進む姿に惹かれた。
正義に勝てないことを理解しようともせず
脳に組み上がる設計図を、野望を、
ひたすら具現化しようという彼に。
(ほんとうに、わるいひとです。
私を拐ってそのうえ
虜にしてしまうなんて、
裁かれて当然なのです。)
だのに守ってあげたいなんて、
とんだ矛盾だ。と
ねえむはばいきんまんの
背中を見ながら自分の愚かさに
諦めたように笑った。
end
だから裁かれて、当然。)
「こら!勝手に
動きまわるんじゃないの!!
お前は人質なんだからじっと
してるのだ!」
黴菌には必要のなさそうな白衣に
身を包んだばいきんまんが、
研究室内をキョロキョロと
見て回るねえむを
怒鳴り付けた。
ねえむはアンパンマンを
誘き出す人質として拐って
きたはずだが、本人はまるで
城に招待されたように
気ままで、先程からばいきんまんの
つくる兵器や薬物に目を輝かせては
研究室を行ったり来たりしている。
「むう、だって退屈ですし…
実験器具にはさわりませんから
見て回ってもよいですか?
私、ばいきんまんの造るものに
興味があります。」
ねえむの言葉に、ぐっと
息をつまらせるばいきんまん。
見るだけだぞと吐き捨てて
また作業へと移る。
「うふふ」
「はあ、おれさま、拐ってくるやつ
間違えちゃったかな…」
少しは怖がってもらわないと、
悪役としては少々複雑で
ばいきんまんは深くため息をついた。
そして、機械や薬を見ている
だけだと思っていた少女の瞳が
自分自身にも向いていることに気付く。
「な、なんだなんだぁ?」
「ばいきんまんは、わるいひとですね」
そう言ってねえむが
笑う仕草に、黒い胸が
思わずばくっ、と飛び上がる。
まったく、なんて人質だろうか
拐われて、囚われて、拉致した犯人に向かって
笑顔を浮かべるだなんて!
余計な思考を振り払うように、ばいきんまんは
作業をするふりをして息を整えるために
また深くため息をついた。
その影で、ばいきんまんを見つめて
ねえむは再び目を細める。
欲望の赴くまま悪の道を迷わず進む姿に惹かれた。
正義に勝てないことを理解しようともせず
脳に組み上がる設計図を、野望を、
ひたすら具現化しようという彼に。
(ほんとうに、わるいひとです。
私を拐ってそのうえ
虜にしてしまうなんて、
裁かれて当然なのです。)
だのに守ってあげたいなんて、
とんだ矛盾だ。と
ねえむはばいきんまんの
背中を見ながら自分の愚かさに
諦めたように笑った。
end
