それいけ!
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ぐすぐすと鼻をすすりながら
ねえむちゃんは
僕の部屋で(僕のベッドを占領して)
お仕事先での失敗を後悔して泣く。
あそこでこうしたらよかった
あのときああいえばよかった。
その涙は知り合いの青い
女の子の涙のように、
ぱっと消えることはない。
嘘泣きだったら
どんなによかったろうか。
「アンパンマン、こんなときどうする?」
「うーん、次は今日思ったみたいに
行動したらいいんじゃないかなあ。」
「うぅ、そんなの覚えてる
わけないっていうか、
アンパンマンは
また私が同じ失敗すると思ってるんだ!!
うわーん!もうやけぐい
してやるううう!!」
僕が普段そこまで人にアドバイスを
することがないからか、はたまた
彼女の深読みがすぎたのか
さっきまで泣いていたねえむちゃん
の顔は怒りで赤く染まってしまった。
「わあーっ!ねえむちゃん
それ僕の顔ぉ!」
女の子の怒りと
食欲っていうのは恐ろしい。
もう僕の顔の半分ほどは
ねえむちゃんの胃袋の中だ。
全部食べられたらたまらない、
そう危機感を感じて抗議していると
ねえむちゃんの動きが
ぴたり、と止まった。
タイミングとしては、
顔の中程をかじりに掛ったとき
だったように思う。
「あ…、今キス…しちゃったね…!」
「そんな雰囲気だったかな?!今!!」
思わず僕には似合わない突っ込みを
入れてしまったけれど、ねえむちゃん
の空気を読まない赤面と発言を受けては
そうせざるをえない状況だった、はず。
「もう失敗談はいいの?」
「あー、いいのいいの。太るし」
「ひとの顔を食べ残しといてよく言ったね…」
ごめりんこ、時代錯誤のギャグを
ひとこぼししてねえむちゃんは
部屋から駆け降りていった。
顔が半分欠けた、間抜け面な
僕をひとり残して。
正義の味方としては
次回はお仕事うまくいったらいいね。
そう思うところ、
また失敗して、僕のところへ
愚痴をこぼしに
きたらいいのに、なんて
考えてしまったぼくは
なんて不謹慎なんだろうか。
(あの人に会いにいく口実に
あの人に触れる口実に
あの人を奪う口実に
利用してしまった仕事先の
オーナーさん、本当にごめんなさい!
きっとまた口実にあなたの名前を
出すことになってしまうような
私は、なんて不謹慎なんだろうか)
なんて、不誠実、なんだろうか。
end
ねえむちゃんは
僕の部屋で(僕のベッドを占領して)
お仕事先での失敗を後悔して泣く。
あそこでこうしたらよかった
あのときああいえばよかった。
その涙は知り合いの青い
女の子の涙のように、
ぱっと消えることはない。
嘘泣きだったら
どんなによかったろうか。
「アンパンマン、こんなときどうする?」
「うーん、次は今日思ったみたいに
行動したらいいんじゃないかなあ。」
「うぅ、そんなの覚えてる
わけないっていうか、
アンパンマンは
また私が同じ失敗すると思ってるんだ!!
うわーん!もうやけぐい
してやるううう!!」
僕が普段そこまで人にアドバイスを
することがないからか、はたまた
彼女の深読みがすぎたのか
さっきまで泣いていたねえむちゃん
の顔は怒りで赤く染まってしまった。
「わあーっ!ねえむちゃん
それ僕の顔ぉ!」
女の子の怒りと
食欲っていうのは恐ろしい。
もう僕の顔の半分ほどは
ねえむちゃんの胃袋の中だ。
全部食べられたらたまらない、
そう危機感を感じて抗議していると
ねえむちゃんの動きが
ぴたり、と止まった。
タイミングとしては、
顔の中程をかじりに掛ったとき
だったように思う。
「あ…、今キス…しちゃったね…!」
「そんな雰囲気だったかな?!今!!」
思わず僕には似合わない突っ込みを
入れてしまったけれど、ねえむちゃん
の空気を読まない赤面と発言を受けては
そうせざるをえない状況だった、はず。
「もう失敗談はいいの?」
「あー、いいのいいの。太るし」
「ひとの顔を食べ残しといてよく言ったね…」
ごめりんこ、時代錯誤のギャグを
ひとこぼししてねえむちゃんは
部屋から駆け降りていった。
顔が半分欠けた、間抜け面な
僕をひとり残して。
正義の味方としては
次回はお仕事うまくいったらいいね。
そう思うところ、
また失敗して、僕のところへ
愚痴をこぼしに
きたらいいのに、なんて
考えてしまったぼくは
なんて不謹慎なんだろうか。
(あの人に会いにいく口実に
あの人に触れる口実に
あの人を奪う口実に
利用してしまった仕事先の
オーナーさん、本当にごめんなさい!
きっとまた口実にあなたの名前を
出すことになってしまうような
私は、なんて不謹慎なんだろうか)
なんて、不誠実、なんだろうか。
end
