罪花罰
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いっつも人形みたいに綺麗な顔をしてる
あなたを困らせてみたくて
わたしはわがままをいうんです。
「ねえ、店長。」
「なんですか?ねえむ」
子供みたいな願いです。
ありえもしないものを欲しがるのは
あなたの愛が欲しいからです。
「枯れないお花が欲しいです」
きっと、困りましたねって
眉を寄せて考えこんでくれるものと
ばかり思っていました。
「永遠ではありませんが、ありますよ」
「造花じゃなくてですよ?
ドライフラワーでもなくて」
「惜しいですね、ほら」
店長の手には可愛い装飾がされた
オレンジ色のバラのコサージュ。
やわらかいけれど、香りはありません。
「生花…ですか?」
「ちょっと違います。
ドライフラワーと生花の間、という
ところでしょうか。
プリザーブドフラワーといって、
水分を抜いた生花に保存液と染料を
抜けた水分の代わりに入れてやるんです。
保存状態がよければ10年はもつそうですよ」
手渡されたそれは生きているようで
そうでない、不思議な感触でした。
「店長みたいです」
「そうですか?」
本心のような、
どこかで偽られているような。
私のわがままなんて
簡単に受け流してしまいます。
「欲しいですか?それ。
プレゼントしますよ。」
「いらないです、
いつかは色あせて、
枯れてしまうのでしょうから。」
「…そうかもしれませんね」
今日もあなたは笑ったままですね。
店長が枯れない花なのかもしれません。
だから、その愛は手には入らないのかも。
明日も、関係は崩れぬまま。
花の管に詰まって固まった保存液のようです。
end
あなたを困らせてみたくて
わたしはわがままをいうんです。
「ねえ、店長。」
「なんですか?ねえむ」
子供みたいな願いです。
ありえもしないものを欲しがるのは
あなたの愛が欲しいからです。
「枯れないお花が欲しいです」
きっと、困りましたねって
眉を寄せて考えこんでくれるものと
ばかり思っていました。
「永遠ではありませんが、ありますよ」
「造花じゃなくてですよ?
ドライフラワーでもなくて」
「惜しいですね、ほら」
店長の手には可愛い装飾がされた
オレンジ色のバラのコサージュ。
やわらかいけれど、香りはありません。
「生花…ですか?」
「ちょっと違います。
ドライフラワーと生花の間、という
ところでしょうか。
プリザーブドフラワーといって、
水分を抜いた生花に保存液と染料を
抜けた水分の代わりに入れてやるんです。
保存状態がよければ10年はもつそうですよ」
手渡されたそれは生きているようで
そうでない、不思議な感触でした。
「店長みたいです」
「そうですか?」
本心のような、
どこかで偽られているような。
私のわがままなんて
簡単に受け流してしまいます。
「欲しいですか?それ。
プレゼントしますよ。」
「いらないです、
いつかは色あせて、
枯れてしまうのでしょうから。」
「…そうかもしれませんね」
今日もあなたは笑ったままですね。
店長が枯れない花なのかもしれません。
だから、その愛は手には入らないのかも。
明日も、関係は崩れぬまま。
花の管に詰まって固まった保存液のようです。
end
