罪花罰
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風邪を引いて、
ガッコーを休んだ。
これじゃ、桜ちゃんに
バレンタインチョコが渡せない。
ていうか、作れてもない。
「ない…」
熱で働かない頭。
悔しくて眉間に寄るしわ。
不満に唇を突きだしても
あたしが風邪なのは
変わらない事実。
ピンポン、
短い玄関のインターホンを
押して、離す音。
宅急便を装った強盗とか
最近多いよねなんて思い
ながら居留守を決め込む。
「あー、やっぱ寝てんな…」
玄関から聞こえた声!
声!
「っ桜ちゃん!」
だるい体で更に重く感じるドアを
ガパンと開けたら
ビックリ顔の桜ちゃんが見えた。
桜ちゃんにはビックリ顔の私が
見えてるはずだ。
「ねえむチャン…居留守?」
「留守じゃないけど」
「そーだね。あ、コレ」
そのまま出ないでいれば
ばれなかっただけに
バツが悪かったけど
桜ちゃんは怒らなかった。
コレ、そう言って私に
渡されたのは、
「?」
可愛い包み。
「チョコ」
理解するのがおいついてってない
ことに気づかれたのか
包みを指差して桜ちゃんは一言。
渡されたものの中身を
理解したら、おでこあたりから
熱が吹き出して風邪だったことと
今日がバレンタインだったことを
思い出した。
「え?逆…逆チョコ!?」
ニコって笑う桜ちゃんに
まさかの逆バレンタインに
私の全神経が乙女構造に成り果てた。
まっかっか、今の私は形容詞
そのまんまだ。
「とっ、とと都市伝説だっ!
逆チョコとか!!」
「焦り過ぎねえむチャン。
だって風邪引いてんだから
チョコ作ってないデショ?
ホワイトデーに何も待ってないの
ってなんか寂しーじゃん?」
「あうう桜ちゃん半端ねぇ…!
3倍返しすんから!」
気遣いが身に染みて、気が早い
かもだけどホワイトデーの
お返しの提案をすると、
8本の指を立てて桜ちゃんは
お願いするように最敬礼した。
「俺がデパ地下のお姉ちゃんに
話し掛けた恥ずかしさも含め
3、5倍で!」
「ぶわっ!やっぱ恥ずかしかったんだ
ていうか指それじゃ8倍!」
「まじか、ていうか
恥ずかしいのアタリマエ」
「ですよね~ゲホッ」
「あっ、わり用済んだし帰るワ。」
タイミング悪く咳き込んで、
桜ちゃんといられる時間が
短くなってしまった。
私はこの咳を恨む。
引き止めようかとも思ったけど
風邪を感染しちゃったら
申し訳ないから、大人しく
引き下がりましょうかね。
「ウン、ありがとネ」
「バイバイ、早く風邪治してね」
「ん」
こんな会話は少女漫画でしか
見たことない、否私がしたこと
なかっただけで結構男女でも
する会話なのかもしれないけど。
ホワイトデーには
クッキーを作ろう。
可愛い包みとリボンとあと
メッセージカード。
…は、やりすぎかなあ。
桜ちゃんに貰ったチョコを
大事に枕元に置いて、
とりあえず今は寝てしまおう。
はやくこい、3月14日。
end
ガッコーを休んだ。
これじゃ、桜ちゃんに
バレンタインチョコが渡せない。
ていうか、作れてもない。
「ない…」
熱で働かない頭。
悔しくて眉間に寄るしわ。
不満に唇を突きだしても
あたしが風邪なのは
変わらない事実。
ピンポン、
短い玄関のインターホンを
押して、離す音。
宅急便を装った強盗とか
最近多いよねなんて思い
ながら居留守を決め込む。
「あー、やっぱ寝てんな…」
玄関から聞こえた声!
声!
「っ桜ちゃん!」
だるい体で更に重く感じるドアを
ガパンと開けたら
ビックリ顔の桜ちゃんが見えた。
桜ちゃんにはビックリ顔の私が
見えてるはずだ。
「ねえむチャン…居留守?」
「留守じゃないけど」
「そーだね。あ、コレ」
そのまま出ないでいれば
ばれなかっただけに
バツが悪かったけど
桜ちゃんは怒らなかった。
コレ、そう言って私に
渡されたのは、
「?」
可愛い包み。
「チョコ」
理解するのがおいついてってない
ことに気づかれたのか
包みを指差して桜ちゃんは一言。
渡されたものの中身を
理解したら、おでこあたりから
熱が吹き出して風邪だったことと
今日がバレンタインだったことを
思い出した。
「え?逆…逆チョコ!?」
ニコって笑う桜ちゃんに
まさかの逆バレンタインに
私の全神経が乙女構造に成り果てた。
まっかっか、今の私は形容詞
そのまんまだ。
「とっ、とと都市伝説だっ!
逆チョコとか!!」
「焦り過ぎねえむチャン。
だって風邪引いてんだから
チョコ作ってないデショ?
ホワイトデーに何も待ってないの
ってなんか寂しーじゃん?」
「あうう桜ちゃん半端ねぇ…!
3倍返しすんから!」
気遣いが身に染みて、気が早い
かもだけどホワイトデーの
お返しの提案をすると、
8本の指を立てて桜ちゃんは
お願いするように最敬礼した。
「俺がデパ地下のお姉ちゃんに
話し掛けた恥ずかしさも含め
3、5倍で!」
「ぶわっ!やっぱ恥ずかしかったんだ
ていうか指それじゃ8倍!」
「まじか、ていうか
恥ずかしいのアタリマエ」
「ですよね~ゲホッ」
「あっ、わり用済んだし帰るワ。」
タイミング悪く咳き込んで、
桜ちゃんといられる時間が
短くなってしまった。
私はこの咳を恨む。
引き止めようかとも思ったけど
風邪を感染しちゃったら
申し訳ないから、大人しく
引き下がりましょうかね。
「ウン、ありがとネ」
「バイバイ、早く風邪治してね」
「ん」
こんな会話は少女漫画でしか
見たことない、否私がしたこと
なかっただけで結構男女でも
する会話なのかもしれないけど。
ホワイトデーには
クッキーを作ろう。
可愛い包みとリボンとあと
メッセージカード。
…は、やりすぎかなあ。
桜ちゃんに貰ったチョコを
大事に枕元に置いて、
とりあえず今は寝てしまおう。
はやくこい、3月14日。
end
