ときメモGS
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それは甘い、甘い。
その癖舌を這わせれば鋭利で、
すぱりと私の舌を切り刻む。
痛くて私は顔をしかめるのに、
甘くておいしいキャンディを
舐めとかすのをやめられない
乙女なんですってば。
オトメ、なんつう似合わない響き。
「い、ッター…」
ビリビリする舌を出して
思わず指でさわる。
「ねえむ、
またベロ切ったの?」
私の無様な姿をひょいと覗く
琉夏は悪気なし。
わかってはいるけれど
どこか憎たらしい。
私はよくキャンディで舌を切る。
舐めているとどうしても
途中でキャンディに細い穴が
開いたりして、
そこに舌を挟んでしまう。
やってはいけないと
わかっているけど、
キャンディに穴が空くと
つい舌を這わせてしまう。
「琉夏こそ、またケガして。」
口の端に固まった血の痕がある
琉夏も、きっとそうなんだと思う。
勝手にだけど。
また、癖というには違うのかも
しんないけども。
私と同じ理由で
抜け出せないんだと思う。
きっと誰かに、やめてって
言って欲しいんだと思う。
本当に自分を
想ってくれるひとの
ためならやめられるとか
そんなことを、考えているんだ。
こういう癖をなくすには、
結局自分以外の誰かが必要になる。
琉夏には、バンビが必要。
私にも、誰か必要。
誰か、キスでもして
この血の味を嫌ってくれる
人がいれば、私のこの癖は治る
気がする。
「バンビに、心配かけちゃ駄目だよ。
琥一くんに取られるよ?」
「ちょっとねえむ、
怖いこと言わないで!
オレ今頑張ってる最中なんだから!」
「へえ、そうなんだ。
けっぱれ~。」
早く、癖が治ったらいいね。
早く、バンビにすきって
いえるといいね。
もう2年も中頃を
過ぎているんですよ?
うかうかしてたらそれこそ
誰かに横取りされかねない。
「ねえむも、早くその癖
治したら?」
「ははは。
治んないよー、私のは。」
だって、一緒に治そって
いってくれるひとが、
いないんだもん。
私と同じ癖を持ってる琉夏も
いないんだもん。
支えがないのに、どうやって
見栄を張ってこの悪癖に
抵抗なんぞしろっていうのやら。
琉夏が私の傍に居てくれたら
治ったんだよ、きっと。
嫌味ったらしく思う、だけ。
「あー、舌いて。」
「あー顎いてー。
おもっきしやられた。」
ざまぁ、一言吐いて
切れた舌を出す。
誰かがいつか、なんていう
私の夢見がちな部分は
ぜったい一生、治りやしない。
夢見がちなままバンビに救われる
であろう琉夏が、
急に嫌いになりそうだった。
なれるわけないのにね。
end
その癖舌を這わせれば鋭利で、
すぱりと私の舌を切り刻む。
痛くて私は顔をしかめるのに、
甘くておいしいキャンディを
舐めとかすのをやめられない
乙女なんですってば。
オトメ、なんつう似合わない響き。
「い、ッター…」
ビリビリする舌を出して
思わず指でさわる。
「ねえむ、
またベロ切ったの?」
私の無様な姿をひょいと覗く
琉夏は悪気なし。
わかってはいるけれど
どこか憎たらしい。
私はよくキャンディで舌を切る。
舐めているとどうしても
途中でキャンディに細い穴が
開いたりして、
そこに舌を挟んでしまう。
やってはいけないと
わかっているけど、
キャンディに穴が空くと
つい舌を這わせてしまう。
「琉夏こそ、またケガして。」
口の端に固まった血の痕がある
琉夏も、きっとそうなんだと思う。
勝手にだけど。
また、癖というには違うのかも
しんないけども。
私と同じ理由で
抜け出せないんだと思う。
きっと誰かに、やめてって
言って欲しいんだと思う。
本当に自分を
想ってくれるひとの
ためならやめられるとか
そんなことを、考えているんだ。
こういう癖をなくすには、
結局自分以外の誰かが必要になる。
琉夏には、バンビが必要。
私にも、誰か必要。
誰か、キスでもして
この血の味を嫌ってくれる
人がいれば、私のこの癖は治る
気がする。
「バンビに、心配かけちゃ駄目だよ。
琥一くんに取られるよ?」
「ちょっとねえむ、
怖いこと言わないで!
オレ今頑張ってる最中なんだから!」
「へえ、そうなんだ。
けっぱれ~。」
早く、癖が治ったらいいね。
早く、バンビにすきって
いえるといいね。
もう2年も中頃を
過ぎているんですよ?
うかうかしてたらそれこそ
誰かに横取りされかねない。
「ねえむも、早くその癖
治したら?」
「ははは。
治んないよー、私のは。」
だって、一緒に治そって
いってくれるひとが、
いないんだもん。
私と同じ癖を持ってる琉夏も
いないんだもん。
支えがないのに、どうやって
見栄を張ってこの悪癖に
抵抗なんぞしろっていうのやら。
琉夏が私の傍に居てくれたら
治ったんだよ、きっと。
嫌味ったらしく思う、だけ。
「あー、舌いて。」
「あー顎いてー。
おもっきしやられた。」
ざまぁ、一言吐いて
切れた舌を出す。
誰かがいつか、なんていう
私の夢見がちな部分は
ぜったい一生、治りやしない。
夢見がちなままバンビに救われる
であろう琉夏が、
急に嫌いになりそうだった。
なれるわけないのにね。
end
