そのた
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私は馬鹿だから、
いつも目に見えるもの
だけを信じて、
自分の感じることに
正直にすることにしてる。
だからきっと
この出逢いは運命なんじゃないかって
思うの。
ことの始まりは2時間前。
遠くに目映い一点の光が
燦然と輝いている。
よく目を凝らしてみたら、
それは男の人で。
何かを落としたみたいに
地面を見てウロウロとしている。
人が輝いて見えるなんて
普通はありえない。
ならばこれはきっと私の目の錯覚か、
はたまた冴えない人生の
ビッグイベントでは。
そう考えたら胸が高鳴って、
彼の元に駆け寄り
探し物を手伝うことにした。
「あ、あのっ!何探してるんですか?」
「いやーアース千切れて落ちちまった
みたいで…って誰だテメェ?」
こちらを振り返る彼の眩しさといったら!
これってもしかしたら、もしかしたら!
「アース?あっ、
もしかして、これ、ですか?」
彼からは死角になる電灯の
ポールと建物の塀の間に、
千切れたミサンガのようなものを
見つけた。
落ちた後に風で
飛ばされたのかもしれない。
「オォッ!それだ!
誰だか知らねえけど、
アリガトよ。」
アースを拾い上げて彼に手渡す
瞬間、私の体全身に
電撃のような衝撃が走った。
手と手が触れて感じるこの感覚は
もしかしなくとも、小説や
漫画でよく見る…
「ギルティー!!」
「ハスカップ!」
運命だ!!!
北海道名産の果物の名前を
叫びながら、交際していない
男女が触れあってはならないと
いう項目を破った罰による
制裁を受け、地面に転がる。
でもその痛みよりも今は
彼に触れた電撃のほうが
体に残っている。
「だ、大丈夫か!?悪ぃ!」
アースを腕に結び直すと
光が落ち着き、
輝いていた彼の全体像が
見えてくる。
長身で、青緑の髪、
鋭い目付きと大きい口。
世間で騒がれる美形
(雲柳寺サイゾーとかみたいな)
とは違うけど、その男の子らしい風体に
もう私の胸は今までにないぐらい
うるさく全身に血液を送っている。
「あの、あの!
貴方のお名前は!?」
「は?す、菅原、ギガだ。」
「ギガ、くん。
私、ねえむっていいます!
貴方にタッコクを申し込みます!!」
「ハァァ!?」
そして今に至る。
結果は、私の負け。
女相手に対戦したことはほとんど
ないというギガくんだけど、
それでも私じゃ敵わないほどの
パワースマッシュだった。
「おい、ねえむ…って
言ったよな。」
「う、うん…ごめんなさい、
いきなりタッコクなんて…」
勢いとはいえ、初対面で
5分とたたない内にタッコクを
申し込んでしまうなんて
軽薄すぎた、と落ち込む私に
ギガくんはああ、いや、と
言葉を濁して遠慮がちに尋ねてきた。
「お前は、その、オレに
『一目惚れ』…って、ヤツなのか?」
「えっ?そう…だけど…」
「そっ、そうか!『一目惚れ』 か…」
よもやそんなことを聞かれるとは
思っていなかったので
言葉に詰まりそうになった。
自分ではわかっていても
いざ相手に一目惚れと言われると
埋まりたいほど恥ずかしい。
そしてあまり回らない頭の中で、
子供が覚えたての言葉をなぞるように
『一目惚れ』と呟くギガくんが
かわいいなと考えていた。
どれだけの間そうしていたのか
感覚はないけど、不意にこっちを
見てギガくんがケータイを
差し出した。
「ちょっと、アドレス教えろ。」
「え!な、いい、の?」
「お前からは師匠以上に
色々学べる気がするからな!
ホラ早くしろ!」
「う、うん!」
驚きで敬語も忘れて
それでも鞄から必死に
ケータイを探り当てるのに
時間はかからなかった。
ギガくんはニッと笑って
また連絡する、なんて
後ろ手に手を振った。
師匠ってなんのだろう、とか
学ぶって何をだろう、とか
不思議に思うことはあれど、
脳内の大半を占めるのは
運命の出会いが、先へ
繋がってくれてよかったってこと。
「あれ、でもこ、これって…
私から連絡、したら
まずい?よなぁ~。
待ってていいのかなあ…」
ちなみに、ギガくんが
超帯電体質だと知ったのは、
待っていた電話が鳴った後。
本物の電撃に気付かなかった
自分が恥ずかしくなったけれど
それに気付かないほど
ギガくんに惹かれていたって
ことに、しておこう。
「あ、おう、浅間。
あのよ、オ オレに『一目惚れ』
したってヤツがいんだよ。
そいつとだったら、
愛を勉強出来る気がすんだよな…
あっ!だ!テメ何笑ってやがる!!」
end
いつも目に見えるもの
だけを信じて、
自分の感じることに
正直にすることにしてる。
だからきっと
この出逢いは運命なんじゃないかって
思うの。
ことの始まりは2時間前。
遠くに目映い一点の光が
燦然と輝いている。
よく目を凝らしてみたら、
それは男の人で。
何かを落としたみたいに
地面を見てウロウロとしている。
人が輝いて見えるなんて
普通はありえない。
ならばこれはきっと私の目の錯覚か、
はたまた冴えない人生の
ビッグイベントでは。
そう考えたら胸が高鳴って、
彼の元に駆け寄り
探し物を手伝うことにした。
「あ、あのっ!何探してるんですか?」
「いやーアース千切れて落ちちまった
みたいで…って誰だテメェ?」
こちらを振り返る彼の眩しさといったら!
これってもしかしたら、もしかしたら!
「アース?あっ、
もしかして、これ、ですか?」
彼からは死角になる電灯の
ポールと建物の塀の間に、
千切れたミサンガのようなものを
見つけた。
落ちた後に風で
飛ばされたのかもしれない。
「オォッ!それだ!
誰だか知らねえけど、
アリガトよ。」
アースを拾い上げて彼に手渡す
瞬間、私の体全身に
電撃のような衝撃が走った。
手と手が触れて感じるこの感覚は
もしかしなくとも、小説や
漫画でよく見る…
「ギルティー!!」
「ハスカップ!」
運命だ!!!
北海道名産の果物の名前を
叫びながら、交際していない
男女が触れあってはならないと
いう項目を破った罰による
制裁を受け、地面に転がる。
でもその痛みよりも今は
彼に触れた電撃のほうが
体に残っている。
「だ、大丈夫か!?悪ぃ!」
アースを腕に結び直すと
光が落ち着き、
輝いていた彼の全体像が
見えてくる。
長身で、青緑の髪、
鋭い目付きと大きい口。
世間で騒がれる美形
(雲柳寺サイゾーとかみたいな)
とは違うけど、その男の子らしい風体に
もう私の胸は今までにないぐらい
うるさく全身に血液を送っている。
「あの、あの!
貴方のお名前は!?」
「は?す、菅原、ギガだ。」
「ギガ、くん。
私、ねえむっていいます!
貴方にタッコクを申し込みます!!」
「ハァァ!?」
そして今に至る。
結果は、私の負け。
女相手に対戦したことはほとんど
ないというギガくんだけど、
それでも私じゃ敵わないほどの
パワースマッシュだった。
「おい、ねえむ…って
言ったよな。」
「う、うん…ごめんなさい、
いきなりタッコクなんて…」
勢いとはいえ、初対面で
5分とたたない内にタッコクを
申し込んでしまうなんて
軽薄すぎた、と落ち込む私に
ギガくんはああ、いや、と
言葉を濁して遠慮がちに尋ねてきた。
「お前は、その、オレに
『一目惚れ』…って、ヤツなのか?」
「えっ?そう…だけど…」
「そっ、そうか!『一目惚れ』 か…」
よもやそんなことを聞かれるとは
思っていなかったので
言葉に詰まりそうになった。
自分ではわかっていても
いざ相手に一目惚れと言われると
埋まりたいほど恥ずかしい。
そしてあまり回らない頭の中で、
子供が覚えたての言葉をなぞるように
『一目惚れ』と呟くギガくんが
かわいいなと考えていた。
どれだけの間そうしていたのか
感覚はないけど、不意にこっちを
見てギガくんがケータイを
差し出した。
「ちょっと、アドレス教えろ。」
「え!な、いい、の?」
「お前からは師匠以上に
色々学べる気がするからな!
ホラ早くしろ!」
「う、うん!」
驚きで敬語も忘れて
それでも鞄から必死に
ケータイを探り当てるのに
時間はかからなかった。
ギガくんはニッと笑って
また連絡する、なんて
後ろ手に手を振った。
師匠ってなんのだろう、とか
学ぶって何をだろう、とか
不思議に思うことはあれど、
脳内の大半を占めるのは
運命の出会いが、先へ
繋がってくれてよかったってこと。
「あれ、でもこ、これって…
私から連絡、したら
まずい?よなぁ~。
待ってていいのかなあ…」
ちなみに、ギガくんが
超帯電体質だと知ったのは、
待っていた電話が鳴った後。
本物の電撃に気付かなかった
自分が恥ずかしくなったけれど
それに気付かないほど
ギガくんに惹かれていたって
ことに、しておこう。
「あ、おう、浅間。
あのよ、オ オレに『一目惚れ』
したってヤツがいんだよ。
そいつとだったら、
愛を勉強出来る気がすんだよな…
あっ!だ!テメ何笑ってやがる!!」
end
