罪花罰
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オレは姉貴と仲がいいと思ってる。
喧嘩もしないし、
パパとオレの縄趣味にも
姉貴は理解を持ってくれている。
「姉貴、ちょっと買い物
付き合ってくんね?」
「ん?いいよ。また縄?」
「いや、縄用の藁」
「ぐ、グレードアップしたね…!」
ただ、仲がいい故に難点だってある。
主に姉貴じゃなくてオレにだけど。
「あっ、蘭、ねえむ!」
外で歩いていりゃあ、こうやって
誰かと出会うこともある。
で、何が難点かって言えば
「桜くんだ、ほら蘭!
今日はお買いもの?」
「いやーお散歩中だよ」
姉貴の愛想のよさ、というか
人畜無害すぎて相手を付け上がらせる
というか。
っていうか、
「桜ちゃんなんで姉貴に
タメ口なんだよ」
しかも呼び捨てだと…!?
縄縄、否、ワナワナと震える
オレを気にしてか姉貴は
桜ちゃんが何かを言う前に口を開いた。
「えっ?ああ前に私が
いいよって言ったの!」
こういうなんでも許しちゃうトコは
姉貴の欠点ていうか危なっかしいところだ。
桜ちゃんもまんざらでもないような
顔しやがって!
「蘭、カオが怖いよ。」
「えー、気のせい気のせい。」
「そうかなあ。
あ、ちょっと待ってて!
パパにも同じの買ってくるから」
これも。その場にいないヤツに
まで気を遣うとこ。
一体家の誰に似たんだか…
隔世遺伝か?ねえな。
さて、
「桜チャン」
「ん?」
「次姉貴を名前で呼んだらコロス」
「えっ、蘭それってもしかして
ヤキモチとk」
不安因子も片付けたところで
一安心だゼ。
がんじがらめになって泣きべそを
かいてる桜ちゃんとは正反対に、
今のオレはいつになく清々しい
顔つきをしているはずだ。
「あれ?蘭、桜くんは?」
「あー帰った。
で、結局買ったのかよ
パパの分も。」
「だって、やっぱり家に帰ってから
欲しかった~なんて駄々こねたら
かわいそうじゃない」
「フゥン…」
なんとなく、別に彼氏が
出来なければいいとか、
そんな重度なアレになった
つもりはもちろんねーケド、
それでもたまには確認したいことも
発生するんだってことで。
「なあ姉貴、姉貴には
特別なやつとかいねーの?」
っ、て口をついて出た言葉のあとで
少し後悔した。
姉貴の対人関係に優劣なんて
あってないようなものだって
オレが一番わかってたはずなのに。
「特別…?んー、どうかなー。
考えたことなかったかな」
ほらな。
「ン。そ、だよな」
姉貴は何かを考え込んでいた。
俺のほうをちらりとみて
ああ、と言って笑った。
ああ?ああってなんだよ。
「そうだな~、蘭が特別かな!」
「オレ!?」
特別なやつがいないか聞いて、
後悔したのは明らかにオレが
ランクインしてないだろうと
踏んでのこと。
姉貴のことだから、もしかしたら
それに気づいてオレを気遣ったの
かもしれない。
「だって、姉弟ふたりだし
私が呼び捨てにしてるのって
蘭だけなんだよ?
なんでも気兼ねなく話せるっていうか
気が置けない相手っていうか~。」
「…姉貴」
それでもいいかもなんて
思ったオレは愚弟。
桔梗様に責められる以外のコトでも、
心臓が微かに脈を速める時が
あるらしい。
「何何?嬉しいもしかして!」
「別に。」
(姉貴、あとでよった縄やるよ)
(な、何に使ったらいいの…?)
仲の良い姉弟でよかったと
改めて思った、日曜午後。
おまけ----------------------
「でね~、蘭ってば『特別な
奴はいねえの?』って!」
「うっわキモッ。
ねえむ気を付けろよ
そりゃシスコンだぞ!」
「ひなちゃんの言うとおりだよぉ。
お姉さん思いって行き過ぎると
キモいよねぇ~。」
「でも姉弟思い合うのは大切よ、
マオニャンちゃん!
ね、ねえむちゃん。」
「そうですよね~っ、シスコンでも
やっぱり大事な弟だから!
桔梗ママたちに話してよかったぁ!」
後日ガールズトークの
格好のネタに
なるとも知らずに。
「縄ックショイ!」
「どうしたの蘭クン、風邪?」
end
喧嘩もしないし、
パパとオレの縄趣味にも
姉貴は理解を持ってくれている。
「姉貴、ちょっと買い物
付き合ってくんね?」
「ん?いいよ。また縄?」
「いや、縄用の藁」
「ぐ、グレードアップしたね…!」
ただ、仲がいい故に難点だってある。
主に姉貴じゃなくてオレにだけど。
「あっ、蘭、ねえむ!」
外で歩いていりゃあ、こうやって
誰かと出会うこともある。
で、何が難点かって言えば
「桜くんだ、ほら蘭!
今日はお買いもの?」
「いやーお散歩中だよ」
姉貴の愛想のよさ、というか
人畜無害すぎて相手を付け上がらせる
というか。
っていうか、
「桜ちゃんなんで姉貴に
タメ口なんだよ」
しかも呼び捨てだと…!?
縄縄、否、ワナワナと震える
オレを気にしてか姉貴は
桜ちゃんが何かを言う前に口を開いた。
「えっ?ああ前に私が
いいよって言ったの!」
こういうなんでも許しちゃうトコは
姉貴の欠点ていうか危なっかしいところだ。
桜ちゃんもまんざらでもないような
顔しやがって!
「蘭、カオが怖いよ。」
「えー、気のせい気のせい。」
「そうかなあ。
あ、ちょっと待ってて!
パパにも同じの買ってくるから」
これも。その場にいないヤツに
まで気を遣うとこ。
一体家の誰に似たんだか…
隔世遺伝か?ねえな。
さて、
「桜チャン」
「ん?」
「次姉貴を名前で呼んだらコロス」
「えっ、蘭それってもしかして
ヤキモチとk」
不安因子も片付けたところで
一安心だゼ。
がんじがらめになって泣きべそを
かいてる桜ちゃんとは正反対に、
今のオレはいつになく清々しい
顔つきをしているはずだ。
「あれ?蘭、桜くんは?」
「あー帰った。
で、結局買ったのかよ
パパの分も。」
「だって、やっぱり家に帰ってから
欲しかった~なんて駄々こねたら
かわいそうじゃない」
「フゥン…」
なんとなく、別に彼氏が
出来なければいいとか、
そんな重度なアレになった
つもりはもちろんねーケド、
それでもたまには確認したいことも
発生するんだってことで。
「なあ姉貴、姉貴には
特別なやつとかいねーの?」
っ、て口をついて出た言葉のあとで
少し後悔した。
姉貴の対人関係に優劣なんて
あってないようなものだって
オレが一番わかってたはずなのに。
「特別…?んー、どうかなー。
考えたことなかったかな」
ほらな。
「ン。そ、だよな」
姉貴は何かを考え込んでいた。
俺のほうをちらりとみて
ああ、と言って笑った。
ああ?ああってなんだよ。
「そうだな~、蘭が特別かな!」
「オレ!?」
特別なやつがいないか聞いて、
後悔したのは明らかにオレが
ランクインしてないだろうと
踏んでのこと。
姉貴のことだから、もしかしたら
それに気づいてオレを気遣ったの
かもしれない。
「だって、姉弟ふたりだし
私が呼び捨てにしてるのって
蘭だけなんだよ?
なんでも気兼ねなく話せるっていうか
気が置けない相手っていうか~。」
「…姉貴」
それでもいいかもなんて
思ったオレは愚弟。
桔梗様に責められる以外のコトでも、
心臓が微かに脈を速める時が
あるらしい。
「何何?嬉しいもしかして!」
「別に。」
(姉貴、あとでよった縄やるよ)
(な、何に使ったらいいの…?)
仲の良い姉弟でよかったと
改めて思った、日曜午後。
おまけ----------------------
「でね~、蘭ってば『特別な
奴はいねえの?』って!」
「うっわキモッ。
ねえむ気を付けろよ
そりゃシスコンだぞ!」
「ひなちゃんの言うとおりだよぉ。
お姉さん思いって行き過ぎると
キモいよねぇ~。」
「でも姉弟思い合うのは大切よ、
マオニャンちゃん!
ね、ねえむちゃん。」
「そうですよね~っ、シスコンでも
やっぱり大事な弟だから!
桔梗ママたちに話してよかったぁ!」
後日ガールズトークの
格好のネタに
なるとも知らずに。
「縄ックショイ!」
「どうしたの蘭クン、風邪?」
end
