夢の国
名前
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あちこち、せわしなく。
それは毎年のことだけど、
ここのところ会えてないひとたちだってたくさん。
「ありがとう!スケルトンさんたち!」
誰かと遊ぶのはとっても楽しい。
だけど、その裏で誰かを忘れるのは
とっても悲しい。
そんなことを思ったからだろうか、
彼とまた会ったような気がするのは。
「私も弱くなったものだな。
お前の好いた男の姿を借りないと、
姿を見せるのも恐ろしいときた」
夜中の海に響くような声がした。
聞いたことがある、
ここ数年だったはず。
ぼんやりとした頭で思い出そうと
してみても、浮かんでくるのは
赤い服と潮のにおいだけ。
覚えてるのに
覚えてるのに。
忘れてなんていないのに。
「顔を見たかっただけだ。
気にするな。
とうに棲む世界も違うのだから」
反響する音の世界で、
あなたの輪郭を捉える前に
その姿は消えてしまう。
「ねえむちゃん。
起きてよ、ねえ
だいじょうぶ?」
「グーフィー、え…どうしたの?」
「ずっと悲しそうな顔してたよ。
嫌な夢でも見てたの?」
夢を見ていたのだと、グーフィーに
言われて気付く。
「いやな、夢...?」
そうじゃないはず。
だけど悲しい気がした、
楽しかったあの一晩を思い返して。
たった一夜だけ...
「ねえむちゃん?」
何か思い出しかけたけど、グーフィーの
呼びかけにはっと引き戻された。
夢の話で彼を心配させて
しまうわけにはいかない。
「ちっ、違うよ!
でも心配してくれて、ありがとう」
「そうなの、
じゃあどんな夢だったんだろ?
よぉし!ぼくも一緒に寝よう!
ねえむちゃんと
おんなじ夢を見るぞお!」
「いやあそれは無理なんじゃ…」
グーフィーは元気よく私の隣に
寝転んで、どこからかタオルケットまで
出してきていた。
なんだか安心して、私ももう一度目を閉じる。
ぼんやり浮かんできた空間は、いつかの
夜に似ていた。アメリカンウォーターフロントの
ネオンが鮮やかだった。
そこで台座にひとり、腰掛けていたひとを
見つけて、ここ最近の夢の記憶が
戻ってくる。
「ねえむ、なんだ。
もう目覚めたのかと思っていたよ」
「あっ...!海賊さん!!」
大きな帽子、赤いコート、絡んだ海藻。
私の好きな人の姿を借りた、海賊の長。
今ならこんなにはっきりとその姿形が
見えるのに...
「そうだ、海賊さんだったんだ...
私、どうして忘れちゃってたんだろう...!」
「まあ、記憶に残らないように
しているのは私だが...
お前はそんな風に私を気にかけて
くれるのだな、ねえむよ」
笑って私の頭を撫ぜた海賊さんは
以前会った時と全然変わっていなかった。
「Gawrsh!わぁお!君は誰?」
「グーフィー!!」
「なっ...!?」
眠る前に話したからだろうか、わたしの夢に
本当にグーフィーが入って来てしまった
ようなリアルさだった。
ぴょん!と、海賊さんの背後から
こんにちはのハグをし、素敵な服だねと
帽子から足元まで触っては褒めていく。
そして1番最後に海賊さんの顔を見て、
ぼくとそっくりだ!とそれはそれは
驚いてみせた。
「ええいやかましい!私は貴様の
器を借りただけだ!!
大体、私の空間に勝手に入り込みおって!」
そのオーバーリアクションに
苛立った海賊さんは大きく拳を
振り上げて......
YAAAAH-HOO-HOO-HOO-HOOEY!
その悲鳴とともに、私とグーフィーは
飛び起きた。
「う〜〜〜ん...誰かに頭をおもいっきり殴られた
ような夢をみたよ…ねえむちゃんは
こんな夢だった?」
「(海賊さんだ…)え、えっと、忘れちゃった!
…大丈夫?きっと、グーフィー
疲れてるから変な夢見たんだよ」
不思議な再会、不思議な夢で
こうして会えたから、
皆に会える日もきっとまた来るって
なんだか信じられるよ。
海賊さん。
[[newpage]]
-------おまけ------------
ごとり、と重いブーツの音がする。
神々の集まる黄泉の狭間、
海賊の長は不機嫌そうに宝物庫の
扉を開けた。
「どうしたのだ海賊の長よ?
この時期だけはふいといなくなるではないか」
通り過ぎる海賊の長を横目で見て、
女王はすべて見透かしたような
意地の悪い笑顔を浮かべた。
彼女の言葉を耳にして、守り神が
怒り出す。
「出かけたァ?ボクですら我慢してるのに
お前ときたら!!」
それを皮切りにキョンシー兄弟が
からかいに飛び出して来る。
「女のとこアルか?」
「ちゅーしたアルか?」
聞こえないふりをして跳ね回る
2人をかわすと、その先で優雅に
扇をはためかせる女神にまで
小言を飛ばされる始末。
「無粋ですわよ、ご兄弟。
...ですが、想うだけの恋慕というのも
殿方らしくありませんわね」
「次から次と...!私のことは
放っておいてくれ…!」
じりじりと熱を持ったままの
拳を払いながら
海賊の長は船首の中へと戻っていった。
end
それは毎年のことだけど、
ここのところ会えてないひとたちだってたくさん。
「ありがとう!スケルトンさんたち!」
誰かと遊ぶのはとっても楽しい。
だけど、その裏で誰かを忘れるのは
とっても悲しい。
そんなことを思ったからだろうか、
彼とまた会ったような気がするのは。
「私も弱くなったものだな。
お前の好いた男の姿を借りないと、
姿を見せるのも恐ろしいときた」
夜中の海に響くような声がした。
聞いたことがある、
ここ数年だったはず。
ぼんやりとした頭で思い出そうと
してみても、浮かんでくるのは
赤い服と潮のにおいだけ。
覚えてるのに
覚えてるのに。
忘れてなんていないのに。
「顔を見たかっただけだ。
気にするな。
とうに棲む世界も違うのだから」
反響する音の世界で、
あなたの輪郭を捉える前に
その姿は消えてしまう。
「ねえむちゃん。
起きてよ、ねえ
だいじょうぶ?」
「グーフィー、え…どうしたの?」
「ずっと悲しそうな顔してたよ。
嫌な夢でも見てたの?」
夢を見ていたのだと、グーフィーに
言われて気付く。
「いやな、夢...?」
そうじゃないはず。
だけど悲しい気がした、
楽しかったあの一晩を思い返して。
たった一夜だけ...
「ねえむちゃん?」
何か思い出しかけたけど、グーフィーの
呼びかけにはっと引き戻された。
夢の話で彼を心配させて
しまうわけにはいかない。
「ちっ、違うよ!
でも心配してくれて、ありがとう」
「そうなの、
じゃあどんな夢だったんだろ?
よぉし!ぼくも一緒に寝よう!
ねえむちゃんと
おんなじ夢を見るぞお!」
「いやあそれは無理なんじゃ…」
グーフィーは元気よく私の隣に
寝転んで、どこからかタオルケットまで
出してきていた。
なんだか安心して、私ももう一度目を閉じる。
ぼんやり浮かんできた空間は、いつかの
夜に似ていた。アメリカンウォーターフロントの
ネオンが鮮やかだった。
そこで台座にひとり、腰掛けていたひとを
見つけて、ここ最近の夢の記憶が
戻ってくる。
「ねえむ、なんだ。
もう目覚めたのかと思っていたよ」
「あっ...!海賊さん!!」
大きな帽子、赤いコート、絡んだ海藻。
私の好きな人の姿を借りた、海賊の長。
今ならこんなにはっきりとその姿形が
見えるのに...
「そうだ、海賊さんだったんだ...
私、どうして忘れちゃってたんだろう...!」
「まあ、記憶に残らないように
しているのは私だが...
お前はそんな風に私を気にかけて
くれるのだな、ねえむよ」
笑って私の頭を撫ぜた海賊さんは
以前会った時と全然変わっていなかった。
「Gawrsh!わぁお!君は誰?」
「グーフィー!!」
「なっ...!?」
眠る前に話したからだろうか、わたしの夢に
本当にグーフィーが入って来てしまった
ようなリアルさだった。
ぴょん!と、海賊さんの背後から
こんにちはのハグをし、素敵な服だねと
帽子から足元まで触っては褒めていく。
そして1番最後に海賊さんの顔を見て、
ぼくとそっくりだ!とそれはそれは
驚いてみせた。
「ええいやかましい!私は貴様の
器を借りただけだ!!
大体、私の空間に勝手に入り込みおって!」
そのオーバーリアクションに
苛立った海賊さんは大きく拳を
振り上げて......
YAAAAH-HOO-HOO-HOO-HOOEY!
その悲鳴とともに、私とグーフィーは
飛び起きた。
「う〜〜〜ん...誰かに頭をおもいっきり殴られた
ような夢をみたよ…ねえむちゃんは
こんな夢だった?」
「(海賊さんだ…)え、えっと、忘れちゃった!
…大丈夫?きっと、グーフィー
疲れてるから変な夢見たんだよ」
不思議な再会、不思議な夢で
こうして会えたから、
皆に会える日もきっとまた来るって
なんだか信じられるよ。
海賊さん。
[[newpage]]
-------おまけ------------
ごとり、と重いブーツの音がする。
神々の集まる黄泉の狭間、
海賊の長は不機嫌そうに宝物庫の
扉を開けた。
「どうしたのだ海賊の長よ?
この時期だけはふいといなくなるではないか」
通り過ぎる海賊の長を横目で見て、
女王はすべて見透かしたような
意地の悪い笑顔を浮かべた。
彼女の言葉を耳にして、守り神が
怒り出す。
「出かけたァ?ボクですら我慢してるのに
お前ときたら!!」
それを皮切りにキョンシー兄弟が
からかいに飛び出して来る。
「女のとこアルか?」
「ちゅーしたアルか?」
聞こえないふりをして跳ね回る
2人をかわすと、その先で優雅に
扇をはためかせる女神にまで
小言を飛ばされる始末。
「無粋ですわよ、ご兄弟。
...ですが、想うだけの恋慕というのも
殿方らしくありませんわね」
「次から次と...!私のことは
放っておいてくれ…!」
じりじりと熱を持ったままの
拳を払いながら
海賊の長は船首の中へと戻っていった。
end
