夢の国
名前
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「ホセ、ねえホセ」
「ん?どうかしたかい?ねえむ」
鮮やかな尻尾が風になびく。
ブラジルのさわやかな風が
そこから伝わるようだった。
「つれてって」
「どこへ?」
やさしい目で、私の手を取る翼
いや手と化したそれは
どことなくおとこの感触。
私より1度ほど高い体温がそう知らせる。
「バイーア。素敵な街なんでしょ?」
「んん、あー、それよりも
連れて行きたい場所がある」
ああ、私 期待してる。
「どこ?」
「おれのうちへ招待したいんだ」
そう言ってホセはふわ、と
私の首に腕をまわした。
羽が私の頬をくすぐって
息だけで笑う。
「いとしいひと。ああ、まったく、
おれは駄目なやつさ。
気の利いたジョークのひとつもでやしない」
「いいわ、いいわ。
きっとわたし、今どんな
面白い話をされても
大笑いしたりできないもの」
固いくちばしにキスをして
顔を見合わせた。
「ねえむ、愛してるなんて
言ったら、君、笑うかい?」
「笑うと思うの?」
いいや、そう言うホセの返事が
かえる前に もう一度キスをした。
ブラジルの風が香った錯覚に
呑まれていくのは
案外と悪くないものだって
そのとき思ったわ。
end
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