夢の国
名前
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「パパ!いい加減にしてよっ!!」
中古車センターの一角で
甲高い声が響いた。
娘のねえむに怒鳴りつけられ、
彼女の父であり、
一家の大黒柱であるピートは
驚いて目を白黒させている。
「な、なんだぁ?どうした
ねえむ、何が原因で
そんなに怒ってるんだ?うん?」
「"何が"ですって!?
しんっじられない!
売り場に置くものに、私の写真を
使うのはやめてって
言ったじゃない!」
ねえむが指差した先には、
旅行先で撮ったねえむの
写真を切り抜いて引き延ばした
パネルが展示されている。
以前お隣さんとハワイへ行った
ときの写真で、水着を着て
はにかんでいるねえむは
とても愛らしい。
しかしそれはあくまで家族の間で
見る写真であって、人前に
堂々と出すようなものでは
ねえむにとっては、
決してない。
しかもピートは前にもねえむの
写真をポスターにしてこっぴどく
叱られたことがあるのだ。
「何故だ!パパは可愛い可愛い
娘の姿をみんなに
見せてやりたいじゃないか?
それに、このパネルがたちまち
評判を呼んで、うちは
大繁盛するって寸法さ!」
うぁははあ、と笑うピートに
ねえむはその胴間声を
憎たらしくかんじ、
一層眉間の皺を深く刻んだ。
「商売に娘を利用して
恥ずかしくないのかって
聞いてるのよ!!
少なくとも、私は恥ずかしいわ!」
「恥ずかしい?確かに水着は
まずかったかな、こっちの写真なら
どうだ?これも写りがいいだろう」
「…訂正するわ。
恥ずかしいのは私の
パネルじゃなくてパパよ、
パパなんかを父親にもったのが
恥ずかしいのよ!
もうパパなんか嫌い!
最低よクズだわどうして私
グーフさんちの子じゃ
なかったのかしら!」
キイキイ声で張り裂けんばかりに
叫びをあげ、怒りに任せて
パネルを蹴り倒して
事務所を出ていったねえむに
ピートはようやくまずいことを
した、と手をくわえた。
(何故其処でグーフィーの名前が
出てくるんだ!と思いはしたものの、
言い出せる状況ではないのだ)
娘を怒らせると、大概父親と
いうのは焦って何をしたらいいか
わからなくなるものだ。
そしてピートからすれば、
厄介にも家族は父親より
娘の味方をするのも事実。
「ちょっとパパ!お姉ちゃん
カンカンよ!また何かわるいこと
したんでしょそうでしょ!」
「はやく謝ってよパパ…!
あれはねえむだって
怒って当たり前だよ」
「ピーィィトォ!嫁入り前の
娘の水着姿を晒し者にするなんて
一体どういうつもりなの!
その足りない頭とデリカシーで
説明してもらおうかしら!?」
口々に怒声を浴びせられ
元々あるようでない父親と
しての威厳はガラガラと崩れ落ちた。
子どものように両手を振り回して
ピートは喚くしかなかった。
「なんだなんだ!結局いっつも
悪いのぁオレだ!いいじゃないか
親が子を自慢することの
なあにが間違ってる!?」
その言いぐさにペグは深く
ため息をつき、ピートの耳を
引っ張ってねえむの
部屋の前まで引きずっていった。
それを見送るPJとピストルは
肩をすくめて目を見合せる。
「ねえむ、パパとちゃんと
話をしましょう?」
「ママ、私話すことなんかないわ!
一切ね!」
「だそうよ、ピート。」
刺々しいペグの呼び掛けに
巨体をびくつかせながら
ピートは扉ごしのねえむに
声をかける。
「なあねえむ、
何でも好きな物を買ってやろう?
だから機嫌を直してくれ頼む!」
「ピート、違うでしょう」
じろり。妻からの刺さる視線に
ピートは冷や汗を垂らした。
それでようやく、
「わぁかった!もう売り場に
写真を飾ったりしない、
商売に家庭を持ち込んだりしない
しないとも!
なあ、ごめんよねえむ
パパが悪かった!」
と、泣きそうな声で娘に
謝罪したのだった。
ねえむはといえば、
こうなるとわかっていたように
笑顔でドアを開け、
もう怒っていないわと
ピートの頬にキスを落とした。
「私こそ、恥ずかしい父親だなんて
言ってごめんね。」
ねえむはばつが
悪そうに眉を下げたが、
そういえば、と声をあげた。
「パパ、さっきなんでも欲しいもの
買ってくれるって言ったわよね?
そしたら私、今日は皆で
食事に行きたいわ。
連れてってくれたら、ほんとに
全部許してあげる。」
手厳しい娘とどうしようもない
父親は、結局いつもこうして
付き合っていくしかないようだ。
お安い御用さ、と
機嫌を直してくれた娘を
愛しげに抱き締める夫を見て
妻もまた、しようのない男だと
目を細めるのだった。
end
中古車センターの一角で
甲高い声が響いた。
娘のねえむに怒鳴りつけられ、
彼女の父であり、
一家の大黒柱であるピートは
驚いて目を白黒させている。
「な、なんだぁ?どうした
ねえむ、何が原因で
そんなに怒ってるんだ?うん?」
「"何が"ですって!?
しんっじられない!
売り場に置くものに、私の写真を
使うのはやめてって
言ったじゃない!」
ねえむが指差した先には、
旅行先で撮ったねえむの
写真を切り抜いて引き延ばした
パネルが展示されている。
以前お隣さんとハワイへ行った
ときの写真で、水着を着て
はにかんでいるねえむは
とても愛らしい。
しかしそれはあくまで家族の間で
見る写真であって、人前に
堂々と出すようなものでは
ねえむにとっては、
決してない。
しかもピートは前にもねえむの
写真をポスターにしてこっぴどく
叱られたことがあるのだ。
「何故だ!パパは可愛い可愛い
娘の姿をみんなに
見せてやりたいじゃないか?
それに、このパネルがたちまち
評判を呼んで、うちは
大繁盛するって寸法さ!」
うぁははあ、と笑うピートに
ねえむはその胴間声を
憎たらしくかんじ、
一層眉間の皺を深く刻んだ。
「商売に娘を利用して
恥ずかしくないのかって
聞いてるのよ!!
少なくとも、私は恥ずかしいわ!」
「恥ずかしい?確かに水着は
まずかったかな、こっちの写真なら
どうだ?これも写りがいいだろう」
「…訂正するわ。
恥ずかしいのは私の
パネルじゃなくてパパよ、
パパなんかを父親にもったのが
恥ずかしいのよ!
もうパパなんか嫌い!
最低よクズだわどうして私
グーフさんちの子じゃ
なかったのかしら!」
キイキイ声で張り裂けんばかりに
叫びをあげ、怒りに任せて
パネルを蹴り倒して
事務所を出ていったねえむに
ピートはようやくまずいことを
した、と手をくわえた。
(何故其処でグーフィーの名前が
出てくるんだ!と思いはしたものの、
言い出せる状況ではないのだ)
娘を怒らせると、大概父親と
いうのは焦って何をしたらいいか
わからなくなるものだ。
そしてピートからすれば、
厄介にも家族は父親より
娘の味方をするのも事実。
「ちょっとパパ!お姉ちゃん
カンカンよ!また何かわるいこと
したんでしょそうでしょ!」
「はやく謝ってよパパ…!
あれはねえむだって
怒って当たり前だよ」
「ピーィィトォ!嫁入り前の
娘の水着姿を晒し者にするなんて
一体どういうつもりなの!
その足りない頭とデリカシーで
説明してもらおうかしら!?」
口々に怒声を浴びせられ
元々あるようでない父親と
しての威厳はガラガラと崩れ落ちた。
子どものように両手を振り回して
ピートは喚くしかなかった。
「なんだなんだ!結局いっつも
悪いのぁオレだ!いいじゃないか
親が子を自慢することの
なあにが間違ってる!?」
その言いぐさにペグは深く
ため息をつき、ピートの耳を
引っ張ってねえむの
部屋の前まで引きずっていった。
それを見送るPJとピストルは
肩をすくめて目を見合せる。
「ねえむ、パパとちゃんと
話をしましょう?」
「ママ、私話すことなんかないわ!
一切ね!」
「だそうよ、ピート。」
刺々しいペグの呼び掛けに
巨体をびくつかせながら
ピートは扉ごしのねえむに
声をかける。
「なあねえむ、
何でも好きな物を買ってやろう?
だから機嫌を直してくれ頼む!」
「ピート、違うでしょう」
じろり。妻からの刺さる視線に
ピートは冷や汗を垂らした。
それでようやく、
「わぁかった!もう売り場に
写真を飾ったりしない、
商売に家庭を持ち込んだりしない
しないとも!
なあ、ごめんよねえむ
パパが悪かった!」
と、泣きそうな声で娘に
謝罪したのだった。
ねえむはといえば、
こうなるとわかっていたように
笑顔でドアを開け、
もう怒っていないわと
ピートの頬にキスを落とした。
「私こそ、恥ずかしい父親だなんて
言ってごめんね。」
ねえむはばつが
悪そうに眉を下げたが、
そういえば、と声をあげた。
「パパ、さっきなんでも欲しいもの
買ってくれるって言ったわよね?
そしたら私、今日は皆で
食事に行きたいわ。
連れてってくれたら、ほんとに
全部許してあげる。」
手厳しい娘とどうしようもない
父親は、結局いつもこうして
付き合っていくしかないようだ。
お安い御用さ、と
機嫌を直してくれた娘を
愛しげに抱き締める夫を見て
妻もまた、しようのない男だと
目を細めるのだった。
end
