「クセ」♡×○ ♡side
♡「けーいちゃ〜ん!」
□「いった!!?おまっ、」
俺が慶ちゃんの肩に噛み付くのは、メンバー間では別に珍しいことじゃない。今日も、楽屋にてかぷりと噛み付けばいい反応。
□「全く…」
▽「あ、小山〜、スタッフが俺たちのこと呼んでたぞ」
□「あ、マジ?じゃあ行ってくるわ」
慶ちゃんとまっすーは2人で楽屋を出ていってしまった。
俺はソファに座って読書に没頭していたシゲちゃんの隣にどすんと腰掛ける。
♡「しげちゃ〜ん!慶ちゃんもまっすーもいないから遊ぼうよ〜!」
○「…ゆうや」
シゲが甘えたい時は、大体俺のことを名前で呼ぶ。
○「──…かんで」
ぱたんと本を閉じて、そっと上目遣い。
俺はぽかんと口を開けて固まってしまった。
♡「は?ど、え?どういう?」
○「だから、噛んでって…!肩じゃなくてもいい、から、小山さんだけなんてやだ、俺、お前の、」
彼女、なのに。
その言葉を最後に、俺はその紅い唇を奪った。舌を割り入れて、絡めて、激しく口内を犯す。
○「んっ、!?む、ッぁ」
♡「…何それ、誘ってんの?」
唇より真っ赤な、さっき絡め合った舌に優しく噛み付く。
○「あ゙ぅ、っ!?」
血は出ていないとはいえ、じんじんと痛むらしい。無防備に舌をさらけ出して、痛みから逃れようとしている。
♡「ずっと、嫉妬してたんだ?」
シゲに馬乗りになって、今度は優しく唇に口付ける。
○「ん…っ!」
♡「いいよ、気が済むまで──いっぱい噛んであげる」
耳元で囁くと、ぞくりと背筋を震わせたのが見えた。
シャツをはだけさせて、首筋を撫でる。この白に映えるは、俺の吸い付いた痕の赤色。
○「は、やくぅ…!」
大きく口を開けて、シゲの鎖骨に噛み付いた。
○「ひぅあっ!!!」
びくんと身体を揺らして、顔を真っ赤に染め上げる。シゲは全身の力を失ったように、俺の胸に顔を預けた。
○「…さこつ、は…だめだって、」
噛めって言ったのは、そっちだろ。
もう一度、無理矢理に鎖骨を噛んだ。
○「やぅ゙ッ!?」
♡「…うわ、反応良すぎ」
○「んっ、も、だめっ、あとついちゃうっ」
♡「無理、止まれない」
鎖骨と、喉仏と、唇を噛んだ。どこを噛んでもビクビクとして甘く叫ぶから、どうしても止まれないんだ。
○「ぁ、ッん、ゔぁ…っ!」
♡「可愛い、綺麗だよ…」
マゾヒズムに目覚めたみたいに、シゲは顔を真っ赤にしながら涎を垂らして悦んでいる。
○「…ぅ……、ぁ…」
シゲは俺の服をぎゅっと握り、寄りかかってきた。
○「…も……おわり。…気…済んだから、ね」
♡「えーもう?…あ、そうだ」
そっと耳元に吸い付いて囁く。
♡「お家帰ったら、もっといいことしてあげる」
○「ぁ、ッん…っ、ばか、…わかった、楽しみに、してる…から」
赤に染まった頬、潤む瞳。
俺はぽんぽんと優しく頭を撫でてやった。