「いたずら」♡×○ ▽side
無言で衣装に着替える俺とシゲ、喋り続けながら衣装に着替える小山と手越。
俺たちはほぼ着替え終わっていて、残すはシゲのみ。…なのだが、とんでもなく着替えが遅かった。体調でも、悪いのだろうか。
▽「…何やってんだシゲ」
白シャツのボタンをかけ違えている。
どんだけ体調が悪いんだ。素直に言って休めば──
♡「しげちゃん!ボタン掛け違えー!かぁわいいっ」
手越が飛んできて、掛け違えていたボタンを直した。
♡「大丈夫?」
○「ん」
ふにゃりと微笑み、シゲはしっかり衣装を着た。
ぱちりと目が合って、シゲが小悪魔みたいにほくそ笑む。
▽「え、」
「準備お願いしまーす」
□「はーいっ」
小山と手越が出ていくと、シゲも続いて歩き出す。
○「…あれ、まっすー?どうしたの?」
▽「え?えっと」
うまい言い訳が浮かばない。
○「ふふふっ…」
▽「何笑って!」
シゲの人差し指が、俺の唇に伸びる。
○「──俺、かわいいでしょ?」