この世は神代



現代的に言えば、恐らく「縄文、弥生」辺りだろう。何せみずら頭が多い。現代人であった自分の腹筋はここ最近では鍛えられてきた




現代人で"あった"だが。






「優夜にいちゃん、あそぼうぜ！」

「まって、きょうは私とあそぶの！！」

「どけよ！困ってんだろ！！？」





目の前には自分より年下の子供達
服装はどこか中国や韓国と似ている

着物のような上着と下には韓服のようなもの。あれだ、たしかジャ○プで連載されている銀○の神威が良く着てるズボンだ

自分の体は恐らく10～12歳あたり
だが中身は遥か年上だ。二十歳はいっているのではないか

なぜ、そう思うか。答えは簡単











________転生トリップ






自分はそれを体験したからである

自分の服は子供達より大きい
ここらでは珍しい、黒と白の上下だ
子供達は「カッコいい！」「様になる！」と評判のこれ。

膝上あたりまである着物が、カッコいい！とのこと。




優夜「すまんが、また後日にしてくれないか。私は少し村を見ていきたくてね」

「えーー、しょうがないなぁ」

「また今度ね！」

優夜「あぁ。」




ここの子供達はとてもいい子だ
"子供達は"だが

元気良く走り去る彼らを微笑ましく見守る
何時の時代も子供は無邪気なのだと、とても和む。

その親たちも、自らの子を猫可愛がりしているのが目に浮かぶ。


実を言えば、私には親がいない。
物心ついたときから見たこともないから恐らく孤児になったのだろう。

だからか、村の大人たちは汚物でも見るかのように私と関わろうとしない
私は一人だから働いて生活するべきだが、あんな村に世話になる必要性は感じないし、何より一人で自給自足できているから平気だ

なによりあの村は少し嫌な感じがする
村といっても私の家も村のなかだが。木々に囲われているため、誰も来ようとはしない

一人暮らしでは広すぎる家だ
丈夫だし近くで山菜もとれるし好物件なのは幸いだった



優夜「………丁、か」


そういえば、男の子がやって来たんだったな私はふと、名前を溢した
丁、それは召し使いの意味が大きいのだろう。孤児だと聞いているし、どうやら、村の大人たちは労働させているらしい

五、六歳の男の子らしいというのに、それでも人の子かと苛立ちが募る

私は村を見て回ると言ったが、正直なところ丁という男の子の様子を見に行くためだ。
餓えているかもしれない、と握り飯を風呂敷に山盛りで入れ、水、干物など、持てるだけ持っていく






















憂鬱だ、男の子に会うためだとしても
そんな風に思うのは何時ものことだが、村の奴らの目は正直うざい。


みずらのハゲ頭、阿呆、馬鹿


など、内心でそいつらを嘲笑う
別に向こうも私の陰口を言い回してるだろうからたまにはいいだろう？それに口に出して相手を傷つけてもないしセーフだ

そんなことを思いつつ、男の子が居ると聞く村外れの河原へやって来た
村の中心部を通ってきたか精神の消耗が激しい。マジふざけんなみずら共

まだ来ていないのか、と少し気を落としつつ、適当な岩場に座る。





ガササ……





振り替えれば、草むらから男の子が此方を見ていた。つか、綺麗な顔してんな…

つやつやの黒髪、黒曜石のように真っ黒で、つり目がち大きな瞳

ふっくらとした頬、子供らしい可愛げな体
身に纏う真っ白な着物とズボン


見たことない
たぶん、彼が丁くんであろう
私をみる彼の目には、冷めた光、諦めの色、少しの悲哀が浮かんでいた




丁「………なにか、ごようでしょうか」




酷く、切な気な声だった
………




優夜「君が"丁"くんかい？」


丁「呼び捨てで構いません」


優夜「いや、初対面でいきなり呼び捨ては君に失礼だろ。」





そういえば、驚いたように少し目を見開かせる丁くん

あぁ、これだけで村の奴らの対応が手に取るようにわかる。むかつくイラつく……はぁ、

私は丁くんにゆっくりと近づく
丁くんの身長は私の腹あたりまで
12歳の私はかなり世が高い。恐らく175はあるだろう。今も、「巨人……」と丁くんに言葉を送られた


私が近づく度に後退していく彼の目の前に来たとき、す、と腰を屈めた






丁「…ぇ、？」




もぐ、と握り飯を食べる丁くん
目の前に来て屈んだと同時に、私は丁くんの口の中へ握り飯を押し入れたのだ