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RKRN夢ネタ置き場

昔飼ってた犬のハチと竹谷が似てて……という話。
同級生女子夢主。

熱出してるとか寝ぼけてるとかの状態で様子見に来た竹谷に「ハチ、会いに来てくれたの? おいで」って手を広げ、抱きしめられた竹谷がびっくりして硬直するやつ。
こいつ普段は「竹谷」と呼ぶし、そんな好意に満ちたような声で話しかけられたことないが????と困惑の竹谷。
「ハチ、さみしいよ、いなくならないで、ずっと一緒にいて……」と夢主が泣くから仕方なく添い寝してあげた竹谷と翌朝声にならない悲鳴をあげて竹谷をほっぽりだす夢主の話。

夢主が幼いころから家で飼われていた犬のハチ。一緒に育った大事な家族。夢主が学園に入学するより前に死んでいる。
入学直後、竹谷を見た瞬間に「ハチだ、ハチが人に生まれ変わって会いに来てくれた」と割と本気で思った夢主。でもまっすぐ自分のとこに走ってこないから「ほな違うか……」としょんぼり。ハチだったら、夢主を見つけた瞬間に猛ダッシュで駆け寄ってきて飛びついてべろべろに舐めまわしてくるはずだから。
ハチに似ているのにハチではない竹谷が気に入らないが、それはまったくの八つ当たりだとわかっている。
生き物が好きなので生物委員会に入り浸っているし、委員会のことでは協力する。
虫食については食うことよりも殺すことに抵抗があるタイプ。食うときは頭と脚をもいでから食べるので竹谷に「女子って感じ〜」とか言われてる。

同衾事件()のあとで竹谷に事情を話して謝る。ハチと呼んだことも、今までもしかしたら態度が悪かったかもしれないことも。
竹谷が聞くからハチの思い出話をたくさんする。死んでから何年も経っているのにだくだくと涙が出るし、鼻も出る。それをじっと見ていた竹谷が真剣な顔で頷く。
「そりゃあ、寂しいよな」
「うん」
「でも、最後まで責任持ってハチと過ごしたお前は立派だぞ」
「……ん」
袖口でぐいっと涙を拭きながら心配そうにのぞき込んできた竹谷の顔が本当にハチにそっくりで。
「竹谷、髪を触ってもいいか?」
「髪?」
「ハチと毛並みが似てるんだ」
「あ〜……ま、いいけど」
「ありがとう」
なでなで
「………」
「ハチも少し毛足が長くて、よくこうやってぼさっと広がる尻尾を掴んでいたずらする私を甘噛みでたしなめていたよ」
ひとつにくくった髪をぎゅむっと掴んで軽く引っ張る夢主。
「かむぞ」
「やめい」
顔を近づけてがちんと歯をならす竹谷。その額を小突く夢主。
「外を歩くと引っ付き虫だらけになって、帰ってきたらそれを引っぺがすのは私の仕事だった。父や母がやるとハチは逃げるんだ。私にだけ許してくれた。嫌そうな顔をしてな」
「俺にもついてんのかよ」
「うん、よくついてる」
頭についてた小枝やら葉っぱやらをつまんでポイポイと放る夢主
「お前はハチじゃないけど、もしかしたらお前と出会わせてくれたのはハチかもしれない。長生きしろよ、八左ヱ門」
このあと呼び名が変わるわけでもなく竹谷呼びに戻る夢主
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