素敵な夢になりますように…
先生と、初恋 2
Name change
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早足(ほぼスキップ)で帰っていたNAMEは、あっという間に自分の住むアパートへと到着した。
「えーと、鍵鍵…ん?…あれ?わ、やだな、朝カギ掛けなかったかな?」
鍵穴を回して鍵が掛かってないことに気付いたNAMEは、朝の状況を頭の中で回想する。しかし、今日から朝練が始まった為バタついたのは確かだ。掛けたはずだがあまり記憶に自信がない。
明日からは気をつけなきゃ。
そう考えながら、特に不審に思うことなくNAMEは扉を開けてしまった。
「おかえり、NAMEちゃん」
「ーっ‼︎⁉︎もがっ…!」
扉を開けた瞬間、玄関に見たことのない痩せ型の男がニタリと気味の悪い笑顔を浮かべて立っていた。
あまりの衝撃に声を出すことも出来ず、その怯んだ瞬間に男はNAMEの口を押さえ、腕を掴んで部屋の中へと引きずり込む。
ガチャン、と静かな部屋に扉の閉まる音と鍵の掛かる音が冷たく響き、NAMEは口元と腕を押さえられながら玄関に倒され、男に馬乗りにされた。
NAMEは恐怖を感じながらもなんとかこの場を脱しようと必死にもがくが、男の身体は全く動じない。
ーっだ、ダメ…、まだ力が…入らない…!
緑谷に個性を使った関係で体力がまだ戻っておらず、思った以上の力が出せない。
「待ってたよう…。雄英入ってからさあ、帰りが遅いから心配してたんだあ」
「…っ、」
自分のことを知っているかのような口ぶりに、NAMEはますます恐怖を感じる。
…、な、なに…?誰、なの???
「高校生になってさあ、最近、変えたよねえ?下着の柄さあ、変えたよねえ」
「っ⁉︎」
「前まではお花柄とかさあ、水玉とかさあ、可愛いのが多かったのに…。この頃レースとか、大人っぽいのに変えたよねえ?」
や…!なん、で…⁉︎怖い…‼︎
「まさかさあ、男ができたりなんか、してないよねえ?ねえ?」
「ぅっ…」
男の目が鋭くなり、ギリリと口と腕を押さえる力が強くなる。NAMEが苦しそうに呻き声を上げたその時、暗く、冷たい空間に高い音が通った。
ーピンポーン…
「「!?」」
扉を背にNAMEを押し倒していた男は、その音に反応して思わず振り返る。
その一瞬、腕の力が緩んだのを見逃さなかったNAMEは、力一杯その男を蹴り飛ばした。
ードカンッ!!
《⁉︎…NAME2?》
「!」
男が扉にぶつかり大きな音を立てると、外から聞き慣れた声が聞こえた。
「せ、先生っ!!ヴィランがっ…きゃあ!!」
《!?NAME2!?》
「僕はっ僕はヴィランじゃないいい!!君の恋人だあ!!!」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
NAME2の家が思ったより近くて安心した俺は、それと同時に女子高生の一人暮らしにしてはセキュリティが甘い建物だと感じた。
しかし、きっとあの娘のことだ。ヒーローになるまでは質素な暮らしをしようと考えているのだろう。
そんなことを考えながらNAME2の部屋の前に立ち、インターホンを押した。
灯りがついてないように感じたが、人の気配はする。帰ってるはずだとそう思っていると、突然扉に何かがぶつかる音と衝撃があった。
「っ⁉︎…NAME2?」
転んだのか?
そんな悠長なことを考えていたら、中から信じられない声が聞こえてきた。
《先生っ!ヴィランがっ…きゃあ!!》
「!?NAME2!?」
《僕はっ僕はヴィランじゃないいい!!!君の恋人だあ!!!》
「ーちぃッ!」
なんてことだ。
NAME2がヴィランに襲われている。
俺は目の前の扉を思い切り蹴り飛ばすが、セキュリティが甘く感じる建物の割に玄関の扉だけは頑丈に出来ているようで、ぶっ壊すのには中々骨が折れそうだ。
そんな考えが過ぎりながら、俺はすぐさま駆け出した。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
訳の分からない言葉を並べながら、男は再びNAMEに覆い被さり両手を押さえつける。
「は、離して…!私、あなたなんてし、知らない…!」
「ずっとだ…ずっとだぞお!ずっと、僕は君を見守ってきたんだぁ。夜、一人で寂しくて泣いてた日も、僕が慰めてあげたじゃないかあ」
…な、なんでそんなことも知ってるの…⁉︎
「…フフ、君のことならなんでも知ってるんだぁ。今日は黒いレースの下着なんだろぉ?僕に見せてくれよおっ!!!」
「っ!ぃやあっ…!!!」
ーバリィンッ!!!!
「NAME2っ!!」
「っ…せ、せん、せぇ…」
「クソ…時間切れかよぉ」
裏に回って窓から突入した相澤の目に、気味の悪い男に制服を乱されながら押し倒され、恐怖に涙ぐむNAMEの姿が映った。その光景に相澤の身体の熱が一気に上がるが、NAMEを視界に捉えたその僅かな一瞬に、男はその場から姿を消したのだった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「イレイザーヘッド、ご苦労様です。現場検証はひと通り済みました。…事情聴取もある程度は出来ましたが…また後日、改めてご協力いただいてよろしいですか。」
「はい。そうしてもらえると助かります。彼女は私の生徒ですので、こちらで保護します」
「分かりました!では、またこちらから追ってご連絡します」
「よろしくお願いします。」
警官に挨拶を終えると、相澤は椅子に腰掛けているNAMEのそばに歩み寄った。
「NAME2…」
「っ…先生…」
怯えきった表情のNAMEに、もっと早く助けられたはずだと、相澤は悔しそうに唇を噛み締める。
「一度外に出よう。…怪我は、ほんとにないか?」
「はい…大丈夫、です」
「…すまない。気付くのが遅かった」
「っ、先生は、何も悪くないです…!むしろ、先生が来てくれなかったら…、っ…」
「それでも…教師として、ヒーローとして、お前に怖い思いをさせて悪かった」
盗聴を警戒し玄関から出たところで相澤は言葉を続け、その相澤の言葉に、NAMEはぶんぶんと首を横に振る。
「私が、もっと、注意していればよかったんです…。おかしいな、ってちょっと思ったのに…。…すみません…、先生に、迷惑を掛けてしまって…」
「バカか。子供が無理するもんじゃない。あんなの、怖くて当たり前だ。…弱音は吐け」
「ぅ…っ、せんせ…」
がしがしと頭を撫で相澤がそう言えば、NAMEは堰を切ったように涙が溢れ、しばらく相澤の胸の中で泣きじゃくった。
「…少しは落ち着いたか?」
「…、は、はぃ…」
人前でこんなにも泣いたのはいつぶりだろうか。NAMEは途端に恥ずかしくなり顔を上げられずにいると、相澤はそれを特に気にする様子もなく、NAMEの身体を胸に包み込みながら話を続ける。
「今後の話だがな、ここは侵入されてる。事情聴取を聞いていたが…鍵を一度無くしたと言っていたな。」
NAMEは無言のままコクリと頷く。
「その時合鍵を作られたんだろう。住み続ける場合、鍵を替えたり、窓を直したりの手続きをしなきゃならん。だが、話からすると盗聴器かカメラも仕込まれてそうだな」
「…」
「もちろん、それも探し出して撤去することは出来るが…。俺が思うに、アイツの個性は移動系の何かだ。合鍵を作ったということは、行ったことのないところへは移動出来ないんだろう。だが、さっきも言ったがここはもう侵入された。いつでも侵入してこれると思った方がいい。」
「…、っ」
「いいよ、本音を言え」
「…こ、ここには、住みたく、ないです…」
「俺もそう思うよ。ただ、こういった場合、大概が新しい住居が決まるまで市営住宅に入るんだが…、俺は奴が捕まるまでは、誰かと一緒の方が安心だと思ってる」
「…でも、…私には頼る身寄りが…」
「分かってる。……今日はもう遅い。とりあえずうちに来い」
「はい。……?え??…っえ、うちって、あ、相澤先生のお家、ですか?」
「他にどこがある」
「あ、え…」
「ここからそんなに遠くない。ひとまず、必要なものと貴重品、まとめてこい」
「は、はい」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
…な、なんかすごいことに、なった気がする…。
確かに、この部屋に住み続けるなんて出来そうもないし…かと言って新しいとこでまた一人になるのも怖い。
けど、まさか、相澤先生のお家に行くことになるとは…。え、どうしよう…!
色んなことが一気に起こりすぎて、NAMEの頭の中はパンク状態だ。
ともかく、言われた通り荷物をまとめ、準備ができたことを伝えると相澤が呼んだタクシーへと乗り込んだ。
相澤が言った通り、然程離れていなかった相澤の家に瞬く間に到着し、自分の家より何倍も豪華なマンションへとNAMEは足を踏み入れる。
「す、素敵なマンションですね。」
「外観はな…。悪いが部屋にはほぼ何もない。」
そう言われ部屋へと招き入れてもらったNAMEは、なるほど。と思うほど必要最低限のものしか置いてない部屋を見て納得した。
「…無駄に物が多いのは好きじゃないんでな」
「…ふふっ」
「?」
「私、何も言ってないですよ?」
急に笑い出したNAMEに視線を向けると、クスクスと笑いながらNAMEも相澤に視線を移した。
相澤はその言葉を聞くなり、不服そうな顔を作り視線を戻す。
「お前が、なんて殺風景な部屋だって顔してたんだよ」
「してないです」
「どうだかな」
「ふふ、先生でも、そういうこと気にするんですね。」
またクスクスと笑うNAMEに、相澤はさも何でもないかのように答える。
「まあ、…部屋に女を連れ込むことなんてないからな」
「…」
自分の言葉を聞いて一瞬ギシリと動きを止めたNAMEに気付き、相澤はしまったと思った。
「悪い。言い方が悪かったな。…安心しろ。生徒に手を出すようなことは誓ってしないよ」
「あ、いえ///すみません、違くて、私は別に大丈夫です!って、大丈夫っていうのも変ですね、そうじゃなくて、あの、」
「落ち着け」
相澤は、デジャヴか。と思いながら、わたわたと慌て出すNAMEを隣の寝室へと案内した。
「今日はここで寝ろ。」
「え、先生、は??」
「俺は隣の部屋で寝る」
「でもベッド…」
「いい。どうせいつもソファで寝てる。もう遅いから、早く風呂入って寝ろ。」
「でも…」
「言ったろ。子供が遠慮するな。」
相澤はそう言うと、洗面所、バスルーム、トイレ、キッチンなど無駄のない動きと言葉で案内し、好きに使え。と一言付け加えた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「明日は校長のところへ今日の報告に行く。特訓は、しばらく日を改めよう」
お風呂からあがってNAMEが声を掛けると、相澤はパソコンに向かいながら伝えた。
「…はい」
「…疲れたろ。俺はここにいるから安心して寝ろ。何かあればいつでも呼べ」
コクンと頷き、NAMEはおやすみなさい、と告げて寝室へと向かった。
自分のベッドよりも大きいそれに潜り込むと、NAMEの胸がドキドキと鼓動を速める。
…先生の、匂いがする。
さっき、抱き締めてくれた時の匂い…。
「…せんせ…」
朝から特訓、戦闘訓練、個性の過度の使用、そしてヴィランとの遭遇。
一日でこんなにも一気に気力と体力を消耗したNAMEは、気を失うように眠りについた。
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