素敵な夢になりますように…
先生と、初恋 10
Name change
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ビーッ
《NAME2・口田・耳郎チーム、演習試験ready go!》
3人の試験会場は木々に囲まれた森のフィールドだ。
開始の合図と共に、耳郎がイヤホンジャックでマイクの位置を探る。
真正面の脱出ゲートの前にいることを2人に告げ、NAMEは左側から、口田と耳郎は右側から脱出ゲートに向けて動き出した。
耳郎達が考えた作戦はこうだ。
まず耳郎の個性でマイクの位置を突き止め、口田の個性で気を引きながら迂回、その間にNAMEは逆側からマイクに近付く。
『NAME2、サポートアイテムで弓使えるんだよね?近づけたら、その弓で倒せちゃうならやっちゃってよ。もし無理でも、弓で攻撃しながら気を引いててほしいんだ!
そのまま距離縮めて個性で何とかできたらしちゃってもいいし。
とにかく、NAME2が攻撃して先生の目がそっちに行った時、口田が鳥とか操って先生を撹乱させた隙に誰か1人でも脱出するって作戦!どうかな?』
この作戦に強く頷き、NAMEは迷いなく駆け抜ける。しかし…
《《《YEAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH》》》
「ひゃっ!」
「…!!!」「うっるさ…!!」
ーっ、音、コッチに来てないのにこの音量…!響香ちゃん達、大丈夫かな…
想像以上のレベルの違いに気圧される3人。
当初の作戦だった口田の個性で気を引きたいが、マイクの「声」で動物たちも逃げ出し個性が使えない状況だ。
「耳を塞いでても鼓膜破けそう…!格上どころじゃなかった…!
完っ全に上位互換!近付けもしない…!!」
耳郎達が戸惑う中、NAMEは2人を信じ、まだ自分の位置に気付かれてないうちに距離を縮める。
「早く終わらせてくれよ~~~
俺ったらこういう森モリしたとこ好きじゃないワケ」
ゲート前のマイクは、小言を言いながら向かって来てるであろう3人を待ち受ける。
…NAMEちゃんとは、ヴィランの件もあってただの生徒ってだけじゃない距離感だったが…
実際に手合わせすんのは初めてだな。
消太と特訓してんのは知ってるが、内容や成果なども詳しくは聞いてねぇ。
個性は癒し。
NAMEちゃんの性格に合ったピッタリの個性だ。
だが、体育祭の時に見せた、逆に体力を奪う力…。
あれは触れられたら厄介だぜ。
あとは…確か弓も使うんだっけなァ。
「ま、なんにせよ、リスナー達の奮闘に期待しますかね。
…とりあえず、…早く」
《《《出て来ぉぉぉぉぉぉぉぉい》》》
っ、耳痛い…!
でも見えた!大分近付けた!この距離なら、気づかれてない今なら、狙える!!
マイクの姿を視認したNAMEは、すぐさま弓を構える。
「先生っ、ごめんなさい!」
相澤との訓練で弓の性質を指摘されたことを忠実に守り、NAMEは一番命中率と攻撃性の高い矢を放った。
しかし―
「フッ…そこに居るのは…」
《《《お見通しだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ》》》
―ビリビリビリッ「つぁっ…!!?」
NAMEが矢を放った瞬間、全くこちらに気付いてないかと思っていたマイクが視線をこちらに向け、ニヤリと笑ってNAMEをNAMEの矢ごと、その音波攻撃で吹き飛ばした。
「う、うそ…気付かれてたなんて…」
尻もちをついて呆然とするNAMEに対し、マイクはその場にいながら口笛を吹いて余裕をかます。
「数的有利な場合、二手に分かれるのが定石だろぉ?甘いぜ、A組」
ーっ、手の内がバレても諦めちゃダメ!
「っでも先生っ!コレは知らないでしょうっ!?」
「あぁん?」
立ち上がったNAMEはすぐさま新しい矢を放つ。しかしその矢は、
「?…当てにこないってか?なんだそりゃ。打ち損じ…か…っ!?」
マイクの位置よりかなり手前に落ちていく矢は地面に突き刺さる。
失敗したのかと思ったその矢は、時間差で煙が噴き出し始めた。
「はぁん、煙幕ね」
2秒後、ぶわりと煙が一気に広がりその場の視界が奪われる。
…視界を遮って回り込む気かな?俺に触れりゃ勝てるってか!
「咄嗟にしてはよく考えたが…」
《《《甘ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ》》》
―ビリビリビリッ「っっっ、、」
「さァて、NAMEちゃんはどっから来るか…、っ!!ほぉ、やっぱりそう来るか、イイネェ!正面突破ァ!!」
「っ!きゃあ!」
煙幕を使ってどこから狙ってくるか分からなくしたNAMEは、マイクの音波攻撃を真正面から受けながらも、耳を塞ぐことなく突き進んだのだが…
「ごめんなァ、NAMEちゃん。初めてのヴィランなら騙されたかもしんねーけどな、俺にはバレバレよ?」
「ーっ、」
完全にNAMEの真正面からの攻撃を読んでいたマイクは、NAMEの右手を受け流しそのまま手首を掴むと、あっという間にその場に組み敷き行動不能にした。
「…、さ、さすが…ですね、マイク先生。…発目さんに、新しい性能つけてもらったのに…悔しいです…。」
「いや、中々イイ線いってたぜェ?NAMEちゃんは正直過ぎるところが良いとこなんだけどな、こと戦闘においては不利になる。
ずる賢くなるのもヒーローには必要な資質だからな!覚えときな!」
「は、はい!ありがとうございます。…私の力ならここで完敗でした…。けど先生?私、まだ諦めたなんて言ってませんよ」
「あん?」
NAMEが珍しく挑戦的な笑みを溢した瞬間、マイクの足元の地面がボコっと音を立てた。
「!!!お、おおおおお!!?」
地中から一気に這い出てきた夥しい数の虫達が、そのままマイクの足をよじのぼる。
―え、む、虫…!?作戦では鳥のはず…
で、でも今がチャンス!
「先生っ、ごめんなさいっ」
「ぬおぉぉぉ…っ」
大の虫嫌いなマイクはNAMEから離れ、その瞬間を見逃さずNAMEはマイクに触れて体力を奪うことに成功。
ハンドカフスをマイクの手に掛けることが出来たが、そのままマイクは泡を吹いて気絶していた。
結果的に、NAMEが気を引きつけ、その間に口田の個性でマイクを襲う、という当初の作戦通りに事が運ぶ形となった。
ビー!
《NAME2・口田・耳郎チーム、条件達成》
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「…んあ…?」
「あっ、マイク先生気が付きましたか?」
「…NAME、ちゃん…?」
気が付くと、どうやらここは保健室のようだった。
俺はベッドに寝かされ、俺の手を両手で握ってくれているNAMEちゃんの安心したような顔が視界に入った。
「ごめんなさい、奪う方はまだ加減が分からなくて…。体力、戻してみてますが疲れは残っていませんか…?」
「お、おお、バッチリだぜ」
今度は心配そうに覗き込んでくるんだが…。
マジでヤベェって。この子マジで気を付けさせねぇと…。無防備すぎんだろぉ…
マイクの返事に「よかった、」と安堵するNAMEに、マイクは些か複雑な気分になった。
「虫は口田くんが逃がしてくれたので安心してください」
「あー、…ハハ、弱点バレちまったなァ。…きっと婆さんにも情けねぇって言われてるだろうな」
そう乾いた笑いを浮かべるマイクに、NAMEは握っていた両手に力を込め言葉を発した。
「そんなことないですっ!!先生、本当に強くて、近付くことも難しくて、私なんて気を引くことしか出来ないのにそれもままならなくて…」
「NAMEちゃん…」
「けど先生は、そんなまだまだな私にも本気で…って言っても手加減してくれてると思いますが、向き合ってくれたし、戦い方を褒めてくれて…。
私、すごく嬉しかった。認めてもらえて、本当に嬉しかったんです!口田くんや響香ちゃんと協力して先生に勝利もできて、すごく自信がつきました。
マイク先生は情けなくなんてないですっ!!私達にとっては、とても強くてカッコいいヒーローで、頼りになるせんせっ…!わっ、え、あ?せ、先生?////////」
「あーっ、もう、なに!良い子すぎんだろぉ!マジで心配しちゃうぜ俺ってば!」
あまりに一生懸命にフォローしてくれるNAMEちゃんに、勢いよく起き上がった俺は照れ隠しもあって力強く抱きしめた。
あわあわと真っ赤になって慌てるNAMEちゃんは本当に可愛い。
んでもって、この抱きしめてる感触も、サイズ感も、匂いまで、マジでどこまでも俺のどストライクなんだからマッジで困るわけだ…。
NAMEちゃんは高校生で、ヒーローの卵で、俺達の大事な生徒で、そんで、俺の大事な親友に惚れてる…。
…Damn it!全く、情けないったらねぇぜ…。
手ェ出しちゃいけねぇ理由しかないってのによ…
「…、NAMEちゃん、ごめんな」
「?マイクせん…、っんん…!!?/////////」
気付いたら、NAMEはマイクに唇を奪われていた。
マイクの中で、NAMEに惚れたと自覚してからはずっと葛藤があった。彼女の目に自分は映ってないことに早々に気付いても、倫理的にダメだと分かっていても。
「~っ、、ん、はっ…、ゃ、~~っっや、だ…っ!!」
力では到底敵わず抑えつけられていた身体も、少ししてマイクの力が緩んだ瞬間にNAMEはどんっとマイクの身体を突き飛ばした。
「ハァッ…、ハァ…、、な…、な、にを…」
突き飛ばしたと同時に椅子から立ち上がって距離を取ったNAMEは、乱れた呼吸を必死に落ち着かせようとするが、気は動転し、心臓は信じられないほどにバクバクと皮膚を押し上げてくる。
そんな、混乱している彼女を見つめながらマイクは自嘲気味に笑い、ゆっくりと口を開いた。
「俺さ、NAMEちゃんのこと…、どうしようもないくらいに好きだったみたい」
「っ!…、そ、んな…、また、冗談」
「じゃねぇんだな、これが。…いやー、、ヒーローとしても、教師としても、大人としてもましてや人間としても失格だな。…イイ歳したオッサンが無理矢理キスするとかよ。…ほんと、どうかしてる、、」
言いながら、どんどんと首を擡げていくマイクは、笑顔なのに翳りを生んでいく。
片腕で頭を抱えたマイクの表情は、NAMEからはもう見えない。
「…っ、嫌われて終わるだけなのにな。…ほんと、ごめんなァ…、、っ、は?」
気付くと、距離を取られていたはずのNAMEが、再びマイクの傍に寄って頭を抱えていない方の手を、先ほどと同じように両手で包んでいた。
驚き顔を上げてNAMEの表情を伺ったマイクは、まだ困惑しているであろうその瞳と目が合う。
「、NAMEちゃ…何して…!、、ここは引っ叩いて罵声を浴びせるとこ…」
「ヒっ、ヒーローは…、そんなこと、し、しません…!」
「…」
本当は、何するのって、言って逃げ出したかった…。
でも、マイク先生の、顔や、言葉が…
私と同じ、だったから…
「…、先生、私…、マイク先生のこと、嫌いになったりなんか、しませんよ」
「…え」
「マイク先生にはたくさん助けてもらって、本当に感謝してるんです…。そんなこと、言わないでください。。本当に、冗談じゃなくて、ほんとに私のことを好きになってくれたのなら、私、すごく嬉しいです」
「NAMEちゃん…」
「ビックリしたし、ちょっと怒ってますけど、、」
「う…」
「私も、その気持ちは、すごく分かる、、から…。」
「…」
「お気持ちだけは…、大切にいただきます…!」
そう言って、少し涙目で笑うNAMEを、マイクは本当に美しいな、と心の中で強く思った。
to be continued...
2024.7.5
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