素敵な夢になりますように…
先生と、初恋 5
Name change
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「雄英体育祭が待っている」
早すぎる退院と復帰をした担任の姿にA組生徒らは脱帽しつつ、新たなワードに、みんな興味を掻き立てられた。
ヴィランに襲われたばかりだが、雄英の体育祭はプロヒーローからのスカウトをもらえる最大のチャンス。ヴィランごときで中止していい催しではないと相澤から伝えられ、生徒達は戸惑いがありつつもやはり気持ちは高揚し、昼休みにはその話で持ちきりだ。
「あと2週間…!」
「時間、ありそうでねぇよな!NAME2、お前特訓どーすんだ?相澤先生、復帰したっつってもまだ万全じゃねぇだろ?」
切島から体育祭までの訓練はどうするのか問われ、NAMEはゆっくりと答える。
「私の個性じゃどちらにしろ体育祭で活躍は難しいと思うんだ。でも、だからといってヒーロー科にいる以上何もしないわけにはいかないし、みっともない結果だけは出さないよう自分なりに特訓は続けるつもりだよ」
「そーか。っし!!俺も負けてらんねー!!」
「うん!私も頑張る!…、あ、そうだ。切島くんにお願いがあるの!」
「ん?なんだ?」
「切島くんだけじゃないんだけど…、…えっと、み、みんな!ちょっと聞いてくれますか!」
「?」
突然、クラスメイト達に聞こえるように声を張ったNAMEに、切島も他の生徒達も皆NAMEに目を向けた。
「わ、私の個性は癒し、です。戦闘向きではありません。…でも、戦いの中できっと必要になると思ってます!…そ、そこで、みんなに協力してほしくて…」
「どしたNAME2ー?」
「私達に出来ることならもちろん協力致しますわ!」
「あ、あのね、…怪我とかしたら…、私を頼って欲しいの!」
「へ??」
「私、まだ自分の力をコントロール出来なくて…。人に使ったことが殆どないから加減や上限が分からないんだ…。だから、もっとこの力を使って制御出来るようになりたいの!
だ、だから、お願いします!私じゃ不安かもしれないけど…、怪我した時や疲れた時でもいいから、どうか私に一度任せて欲しいですっ!!」
そう言って頭を下げたNAMEに、クラスの皆は思い切り笑顔で声を掛けた。
「あったりめーじゃねぇか!!!寧ろこっちからお願いしたいぜ!!なぁ!?爆豪!」
「チッ。俺は怪我しねーし疲れねー」
「NAMEちゃん、ぜひお願いするわ」
「NAME2さんが居てくれたらエンドレスで特訓出来るんとちゃうかな!!」
「NAME2!!!オイラすぐ疲れるから毎日頼むよ!!」
「峰田、あんたは却下」
クラスメイト達の温かい言葉に、NAMEは涙目で礼を述べた。
同年代の子達から求めてもらえることがこんなにも嬉しいことなんだと、NAMEは初めて感じ、その気持ちをしっかりと噛み締める。
その様子をたまたま通りかかり、廊下で聞いていた相澤も包帯の下で小さく微笑み、そしてフラフラとした足取りで職員室へと戻って行った。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
A組の生徒達はもちろん、爆豪に触発されたB組や普通科の生徒らも、体育祭に向けてそれぞれの準備を着々と進める日々が続いた。
NAMEもまた、自分自身で出来る体力向上メニューや弓術に力を注ぎ、相澤や、たまに怪我をしたと申し出てくれる友に治癒を施して何とか自分の力になるよう必死に努力していた。
そんなある日のことだ。
「え?今度の土日、ですか…?」
「ああ、そうだ。」
相澤との生活にも大分慣れてきた頃、NAMEは相澤から、週末は仕事で帰れないと告げられた。
「ヒーローの仕事だ。守秘義務で任務の事情は話せないが…一人にさせて悪いな」
「いっいえ!先生がサポート課に頼んでくれた防犯グッズがあるので私は大丈夫です!でも先生、その怪我でお仕事なんて…」
「大丈夫だ。NAME2の治癒のおかげで最近はかなり調子がいい」
「…、なら…いいのですが…。無理しないでくださいね」
「ああ。ありがとう」
当初よりはマシになったものの、まだ完治してない身体で泊まりの仕事なんてハード過ぎるのでは、とNAMEは心配するが、相澤は「問題ない」と片付けた。
そうして、迎えた週末…。
「行ってくる」
「先生、絶対無理しないでくださいね」
「ああ。お前も、用がないなら無駄に出歩くなよ。外出するなら夕方までに帰るんだぞ。それと何かあったら必ず電話してこい。それから…」
「ふふ、昨夜何度も聞いたので大丈夫です。」
「そうか。…じゃあな」
「はい!先生、頑張ってください」
そうして、相澤はNAMEに見送られ任務へと赴いた。
「ほ、ほ、ほんとにごめんなさいっっ!」
『あ、いや、こちらの不注意もあるんで…』
「しかし…っ、HAHAHAHA!!ウケる!!ケッサクッッ!アンビリーバボー!!」
『マイク…殺すぞ』
「ひーっひーっ、な、なんか凄んでそうだけどよ、マジで分かんねぇから!」
「…(マジでこいつ覚えてろよ…)」
時は数分前に遡る…
相澤に依頼がきた任務というのは、ラビットヒーロー、ミルコからのチームアップのものだった。
ミルコの管轄地域に強盗として度々出没していた二人組のヴィラン。
恐らく一人の個性はタコ、もう一人は分身らしい。そいつらは一人が分身をし、その分身達をタコの個性で擬態させ、周りの景色と同化し惑わす、というやり口で反抗と逃亡を重ねていた。
素早いミルコも、さすがに分身の数が多いのと更に身を隠されてしまえば中々捕まえることができず苦戦していたのだ。
そこで、相澤とマイクにチームアップ要請がきた。
相澤の個性、抹消により分身を阻止し、マイクの個性、ヴォイスで海洋生物の苦手な低周波を出してタコを引きずり出すという作戦だ。
犯行時期は週末が多いことからヤマを張っていたが、いつ犯行が行われるか不明確の為長期戦になると思われていたのだが…。
まさかのチームアップ当日にビンゴし、即日逮捕、一件落着。という形となるとは思っていなかった為相澤達は緊張感が解かれ気抜けした。
それが、予想だにしない事態の始まりだった。
「イレイザー!プレゼントマイク!おかげで助かったぜ!!サンキューな!」
「yeah!予想通りヴィランが行動してくれてラッキーだったな!」
「ああ、ともかく、早く解決できて何よりだ」
そうして互いを労い、ミルコが別れを告げて跳び去った瞬間だった。
「ニ"ャアアアアッッ!!!」
「「!?」」
相澤の頭上から突如人間が降ってきた。
相澤が助けようと捕縛布に手を掛けたと同時に、その人間は一瞬にして三毛猫へと姿を変える。
その突然の出来事にマイクも相澤も戸惑いつつ、相澤は咄嗟に、その三毛猫をキャッチした。
ーボワンッ!!!
「っ!?」
「消太っ!!…ん?あれ?」
「あああ!!や、やってしまった…!ご、ごめんなさいいい!!」
相澤が三毛猫をキャッチした瞬間に辺りはモヤに包まれ、その中からさっき落下してきた人物が再び姿を現す。
マイクが近寄ればそこに相澤の姿は無く、代わりにその人物が顔面蒼白で慌てていた。
「ああっ、プレゼントマイクですよね!?いつもラジオ聴いてますっ」
「OH!リスナーだったか!サンキュー!ところでよ、今ここにいた連れが消えちまったんだが…」
「ああ、そうだ!!ご、ごめんなさい、僕つい個性を発動してしまって、プレゼントマイクのお連れの方に大変なことを…あっ、連れってことはこの人もプロヒーロー!?あああ僕はなんてことを」
「ヘイヘイ!落ち着けってリスナー!個性発動して消しちまったのか?」
「い、いえ!!お連れの方はここです」
「…」
「…は?」
自分と話せて興奮気味のその男子学生に落ち着くよう伝えたマイクは、自分の目を疑った。
その男子学生が両手で持って見せてきたものは、目つきの悪い黒い猫だったのだ。
「え?…まさか、これが、え?」
「す、すみません…。実は僕、個性が【猫】で…。自分と、僕が触れた人を猫に変えられるんです…」
「ミャオ…」
「つまり…この黒猫が消太なわけね…」
「普段は手あたり次第触ってみんな猫にならないようコントロール出来てるんですけど、さっき、ミルコに夢中になってしまって…」
事情を聞くと、彼はバイトに向かう途中、公共の場で個性の使用はダメだと分かっていたが、遅れそうだった為つい猫の姿になり、アパートや人の家の屋根を走って近道していた。
そんな時、ファンだったミルコを見掛け、その跳び去っていく姿に目を奪われていたら、足を踏み外し落下してしまったらしい。
猫のまま着地すればケガもなかっただろうが、驚き慌てた彼は普段コントロール出来るはずの力が勝手に発動してしまったと謝罪した。
そして、冒頭のセリフに戻るわけだ…。
「あー、笑った笑った。でもま、すぐ戻せるんだろ?」
「い、いえ…それが…、自分の姿は自由に変えられるんですが…、他人に使った場合は24時間は戻らないんです…」
「ミャ…!」
「24時間!?…明日の夕方まで…ってことか…。」
「ほ、ほんとにすみません…な、なんとお詫びしていいか…」
衝撃的な事実に猫相澤もマイクも驚きを隠せなかったが、ひどく落ち込み、反省をしている彼に二人は同じタイミングで息を吐いた。
『…なっちまったもんは仕方ない。一生この姿じゃないなら安心したよ。幸い、明日も予定はないから気にしなくていい』
「う…ありがとうございます」
「お?リスナーはこいつの言葉分かるの?俺にはミーミー鳴いてるだけにしか聞こえねぇが」
「あ、はい。僕だけは理解できます。明日も予定はないから気にしなくていいと仰ってくれてます」
「そーかそーか!ま、本人が気にすんなって言ってんだからもう気にすんなよ!面白いしな!!」
『(マイクの野郎…)…しかし、俺は結構な怪我をしてたんだが…痛みは感じないな。これも個性の作用か?』
「あ、はい!猫の姿になると、人間の時の怪我や病気は反映されないんです」
『そうなのか』
「ほーう。そりゃ不幸中の幸いだな!ま、明日にゃ戻るんだ。猫ライフ楽しもうぜ?」
『…お前、絶対他言すんなよ。君も、内密に頼むよ』
「はいっ!…あ、こちらの方が他言無用と仰ってます」
「わーってるっての。ま。俺っちは面白いからいいけどな、But!!次からこんなことならないように個性の使用は控えろよ!?今日は注意にしといてやるが、次あったらマジで罰金とか、下手したら逮捕されちまうかもだぞ!」
「はっはい!!!ほんとにすみませんでした…!!ありがとうございます!」
そう言って直角にお辞儀をした男子学生は、人間の姿のまま走り去っていった。
「…さてと、どーすっかなァ」
「ミャオ…」
マイクは猫相澤を肩に乗せ、同じように溜息をつきながら今後の動きを考えあぐねていると、何かを思いついたようにニヤリと笑みを溢した。
その笑みに嫌な予感を感じた相澤だったが、「タクシー乗るから大人しくしとけよ」とだけ伝えられカバンの中に押し込まれた相澤は、言われた通り大人しく従う他なかった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「あれ?マイク先生、こんばんは」
「ッ!?」「いよー!NAMEちゃん、邪魔するぜぇ!」
一体どこまで行くつもりなんだと揺られながら考えていた相澤は、聞き覚えのある声に思わず狭いカバンの中で体を伸ばした。
「マイク先生すみません、相澤先生ならお仕事で明日まで帰ってこないみたいで…」
「あー知ってる知ってる!今日はNAMEちゃんにお願いがあってさ!」
「?なんでしょう??」
「ミー!ミー!」「こいつ!明日まで預かってくれねぇか!?」
そう満面の笑顔で黒猫をカバンの中から出したマイクに、NAMEは目を見開いてからその目をキラキラと輝かせた。
「かっ…かわいい…!!このにゃんこどうしたんですか!?」
「いやー、実は仕事中に急遽保護することになっちまって!俺っちの家は動物禁止だから無理だけど消太は猫好きだからNAMEちゃんさえ良ければと思ったんだが…その反応なら大丈夫そうだな!」
「はいっ!私動物大好きで!しかも相澤先生、猫が好きなんですね。知らなかったです」
そうクスクスと笑うNAMEについぽーっと見惚れるマイクに、すでにNAMEに抱っこされて少々暴れている猫相澤。
NAMEは猫相澤を撫でながら、ハッとしてマイクに問いかけた。
「でも…、相澤先生の居ない間に勝手な事したら…」
「ダーイジョウブ!!消太にはちゃんと確認取ってOKもらってるって」
「ミー!!!!」
「そ、そうなんですか?なら…大丈夫、ですかね。あ、でも猫用の餌とかトイレとか…」
「それもノープロブレム!!こいつ特殊な猫でよ!人間と同じ生活で大丈夫だから」
「えっ?ご飯もトイレもですか?…わぁ、すごい賢い子…」
「てなわけで、難しいことは何もねぇからよろしく頼むよ!!」
「はいっ、分かりました!」
じゃあなー!と意気揚々と帰っていくマイクを見送り、急に大人しくなった黒猫をゆっくりと下ろしたNAMEは、ひとまずお水を用意してあげようといそいそと準備を始めた。
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