素敵な夢になりますように…
go on 4
Name change
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翌日、NAMEは、早朝からやってきたハンジに部屋の準備が出来たから早速行こう!と叩き起こされた。
昨日ニファから聞いた、悲しいこの世界の話をずっと考えていたNAMEは、正直朝方まで寝付けずようやく眠りにつけた瞬間だった。
眠たい眼を擦りながら、NAMEはいつの間にか戻ってきていた制服に着替え始めた。
「え…、えっ、私がリヴァイさんの、ですか?」
「うん!」
部屋に行く前に兵舎の中を案内するね、と言うハンジの後について兵舎内を歩いていたNAMEは、明日からリヴァイの補佐に就くことになった事実を聞かされた。
「ど、どうして(よりにもよって)リヴァイさんの補佐なんでしょうか…」
「まー理由は色々とあるんだけどさ、リヴァイが適任だと思うよ!リヴァイが隣にいれば根掘り葉掘り聞いてくる奴はいないだろうしね!」
そうハンジはカラカラと笑っているが、NAMEはやはりどこか不安は拭えない。しかし、異議を唱えることなど勿論出来ない為NAMEは納得せざるを得なかった。
ハンジはNAMEに、訓練場や食堂、風呂場など共有のスペースを案内したあと、次は団長室と、リヴァイの執務室に案内すると言った。
早朝とは言え、ちらほらといる兵士達とすれ違ったNAMEは、ハンジが通ると必ずするポーズが気になった。また、ハンジのあとに続く自分に不思議な目を向けていることにも。
「あの、ハンジさん」
「ん?」
「皆さんがするポーズって、敬礼みたいなものなんですか?」
「ああ、そうだね。ここでは、兵士はみんな敬礼の時あのポーズをとる。心臓を捧げるポーズさ」
「し、心臓を…」
「そう。人類復興の為、人類の勝利の為に命を捧げる、という意味さ」
その言葉の重さが、今のNAMEにはしっかりと伝わった。
ニファから聞いた話のおかげで、どれだけの人が血を流し、巨人と戦ってきたのか。それを理解するまでは、夢物語のように感じていたのかもしれない。今も、実際にその巨人を見たわけではない為実感はあまりないのかもしれないが、それでも、ニファの話からは、自由を奪われた人類が必死に戦ってきたことがちゃんと伝わった。
NAMEは、自分がいた世界がいかに平和だったのかを改めて感じ、そして、安易にここで働かせてくれなどと言ってしまった自分に猛省した。リヴァイも苛つくはずだと。
そんな平和ボケした自分に、リヴァイの補佐などが務まるのかと、かなり不安に思っていたのだ。
「あ!そうか!」
「えっ?」
急にハンジが声を上げたので、NAMEはビクと身体を震わせて立ち止まった。
「さっきからみんなジロジロ見てるのなんでだろーって思ってたんだけどさ」
「あ、はい、私もです」
「その格好だね!ごめん、忘れてた」
「…服ですか。珍しい、ですもんね、きっと。ここにいる皆さんは同じ制服ですし…」
「うん、まあそれもそうなんだけど、一番はその長さだね」
「長さ?」
スカートの丈のことだろうか、とNAMEは自分のスカートに視線を落とした。
元の世界ではなんの珍しさもない長さだと思う。特に短すぎるということもない、膝上5センチくらいだ。それが珍しいのだろうか…。
NAMEは自分のスカート丈を確認したあとに目線を戻して周りに目を向けた。すると、こちらを見ていたであろう兵士達が次々と視線を逸らしていく。やっぱり変なんだ、とNAMEは確信と同時に恥ずかしくなってきた。
「ちょっとこの世界だとその長さは短すぎだね!露出が多くて目のやり場に困るかも」
「そ、そうだったんですね…何も知らなくて、私ずっと普通に歩いてました…////恥ずかしぃ…」
「あーいやいや、ごめんごめん!私が早く気付くべきだったんだよ。ごめんね、昨日も、私だとそのへん無頓着だから、って言われたばっかりなんだ!…お!丁度良いタイミングに!モブリットー!」
「遅くなりました!」と言って登場したモブリットに、ハンジが助かった、と声を漏らす。彼は、NAMEの部屋に新しいシーツなどの寝具を運んでいたらしい。
「モブリットさん、お忙しいのに私の部屋の準備までさせてしまってすみません…!ありがとうございます!」
「とんでもない。これも仕事のうちだから気にしないで。あ、そうだ。君の部屋、掃除もある程度終わってはいるんだけど、シャワーだけは元々壊れてしまっていてね。申し訳ないけど風呂は共同の場所を使ってくれるかい?」
「はい!というか、シャワーまでついてるお部屋を用意してくれてありがとうございます。私はどこでも大丈夫ですし、お風呂も共同の場所で全然構いませんので」
「そう、ならよかった。…あと、うーんと…その服はまずい、かもね」
「うわ!さすがモブリット!すぐ気付くんだよなぁ」
「…/////」
「え?なんですか?」
女性のハンジよりも、男性のモブリットの方が細かいところに気がつくのだな、とNAMEは思いながら、さすがハンジの補佐だと感じた。そしてその分、自分にリヴァイの足りない部分をこうして補う事が出来るのか、とまた不安に思うのだった。
「よし!じゃあ、団長室や執務室に行く前にまず買い物に行こうか!」
「その方が良さそうですね。ついでに生活に必要なものなども買った方がいいでしょう」
「あ、あの、でも、私この世界のお金は持ってなくて…」
「あーいいのいいの!そこは、エルヴィンからちゃんと言われてるから用意してるよ!」
「えっ、そ、そんな!そこまでしてもらうわけには…」
NAMEは以前、ハンジから調査兵団というところは慢性的な人手不足と資金不足に悩んでいると聞いたのだ。そんな話を知っておきながら、自分の為にお金を出させるのは本当に気が引けた。
「いいんだよ。仕方ないことだろ?じゃないと、お金が入るまで君は、寝る時も仕事する時もずーっと同じ服や下着で生活することになるんだよ?まー、私も何日も同じってことは多々あるし、それでも平気ならいいんだけどね!」
「う…(それは確かに嫌…)」
「ハンジ分隊長は特殊ですよ…。でもほんとに、こういう時は甘えていいんだよ」
そう笑顔で言ってくれたモブリットに、NAMEは素直に感謝を述べた。
「よーし、そうと決まれば街へ繰り出そうー!モブリット、馬車を手配して!」
「あ、はい。でも分隊長、その前に…」
「おいてめぇら、街へ行く気か?」
「!」
3人が廊下で話していると、ふとNAMEの背後から低い声が届く。NAMEが振り返れば、そこには何か書類を持って不機嫌そうにこちらを見ているリヴァイが立っていた。
モブリットがバッと敬礼をする横で、NAMEは「お、おはようございます」と頭を下げる。そして、ハンジはその横から「あれ?リヴァイ、執務室から出てきて何の用?」と訊ねた。
「街へ行くのは結構だが、その格好で街を歩かせる気か?」
「あ。それもそうか!」
「はぁ…やっぱり気付いてなかったんですね…」
「なんだよー。男の君達の方がよっぽど女の私より細かいところに気がつくんだなぁ」
「…フン…まあ、てめぇが女として正常に機能してたとしても、こういうのは男の方が逆に敏感なのかもな」
「…確かに、そうかもしれませんね…」
「?」
「え?なになに?どーいうこと!?」
男二人が同意する中、女二人は訳も分からずキョトンとしている。
「女が気にするよりも、男の方がその中身が気になるだろうからな」
「っ//////」
「うわ。やっらしいー!…てことはモブリットもNAMEのスカート中想像したの!?」
「しっしてませんよ!!/////兵長!もう少し遠回しな言い方があると思いますが!」
「遠回しに言ったって意味は同じだろうが。時間の無駄だ」
リヴァイの言葉を聞くなり、途端に丈の短さが異常な気がしてきたNAMEは、意味がないとは分かっていても裾を少し下に引っ張った。
「ここじゃ女旱の野郎も多い。んな格好してあまりそいつらを刺激してやるなよ」
「はっ、はぃ…/////すみません…」
「まー、それNAMEは悪くないんだし、謝らなくていいよー!…でもそっかー、リヴァイ、わざわざここに来たのって、この短いスカート履いてるNAMEが気になったからなんだ?」
「黙れクソ眼鏡。…風紀が乱れると思っただけだ」
「あは。否定しないんだね!意外と可愛いとこあるよねリヴァイってさ!」
「…てめぇ…削ぐぞ」
「わっ!うそうそ!ごめんって!」
戯れているようなその二人を見て、NAMEは「このお二人はとても仲が良いんですね」とモブリットに耳打ちすると、これは仲が良いと言えるのか、と疑問に思いながらもNAMEの言葉に微笑むモブリットだった。
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