go on 19

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素敵な夢になりますように…


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family name(苗字)
男装時の名前(PotCのみ使用)



ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


―コンコン「…NAME、入るよ」


ハンジが部屋の扉を開けると、扉のすぐ横で小さく蹲っているNAMEを見つけ、ハンジは扉を静かに閉め、「よっこらせ」とNAMEの隣に腰を下ろした。


「………この前の、書庫での一件…モブリットから話は聞いたよ。大変な目にあったね」
「……、」
NAMEは何も悪くないし、リヴァイもちゃんと理解してる」
「…でも…、」
「…NAMEがクロルバ区に行ったと知って、一番動揺してたのもリヴァイだよ」
「…え…?」
「巨人が襲撃してたからね。私やモブリットももちろん驚いたしめちゃくちゃ心配もしたけどさ」
「ご、ごめんなさい」
「…あのリヴァイがあんなに焦ってるの、初めて見たよ」
「…、」
「なんだかんだ言ってさ、NAMEはリヴァイに愛されてるよね」
「…、そ、んなことは…」
「リヴァイもさ、あんな言い方してたけど、ちゃんとNAMEと話がしたいからここに連れてきたんだよ」
「、リヴァイ、さんが…?」
「ムカつくだろうけど、話、してあげてよ。そんでさ、言いたいこと全部言ってやればいいさ。遠慮はもう無しだよ」


特にNAMEは自分を過小評価する節があるからね。と言って、目を合わせて笑うハンジに、NAMEも真っ赤な目を少し緩めて微笑んだ。


「しかも今回はリヴァイが悪いと思うしね、私は。」
「、いえ…。リヴァイさんの言ってることは何も間違ってないので…。」
「あー、ほら。NAMEは聞き分けよすぎるよ。…それとも、まだ自分は、お世話になってるだけの部外者だと思ってる?」
「え…」
NAMEはもう、疑われる部外者なんかじゃないよ。…調査兵団の、…私達の仲間だ。もちろん、私だけじゃなくて、エルヴィンやリヴァイも、皆思ってる」
「っ、ハンジさん…」


ハンジからのその言葉を聞き、ずっと溢さないよう我慢していた涙が、NAMEの瞳からハラハラと流れ落ちていく。


―ずっと、ずっと不安だった…。
母も友も失い、異世界に飛ばされ、自分の常識が一切通用しない、誰も知る人の居ない場所に急に放り出された恐怖。
元の世界ではあり得ない、残酷な世界。
人同士や自分自身に対する疑心暗鬼。
そして、リヴァイさんからの信頼を失くしてしまうことが何よりも怖かった。


「…っ、ハンジ、さん…、私…、」
「うん?」
「わ、私、は…、…み、皆さんの、お役に…た、立てているでしょうか…」
「何言ってんの。立ててるに決まって…」
「ごめんなさ…、ちが、違うんです…」
「…?」


泣きながら、顔をどんどんと赤く染めていくNAMEに、ハンジは首を傾げNAMEの言葉に耳を傾けた。


「私…、最初は、ほ、ほんとに、皆さんや、…こ、この世界の役に立ちたいって…思ってて…!…い、今も、その気持ちは…変わらないんですけど…」
「うん、もちろん分かってるよ?」
「でも、…でも違うんです…!…私…、最近の私は…っ、リ、リヴァイさんに…、リヴァイさんのことばかり…、考えちゃうんです、、」
「へ?」
「こ、これをやったらリヴァイさんが喜んでくれるかな、とか…、また、褒めてくれるかな、とか…、…し、仕事なのにっ…、よ、邪なことばかり…考えちゃうんです…」
「…へ、へぇ!…そ、それでそれで?」


思い掛けないNAMEの話に、ハンジはニヤニヤしてしまう顔をうまく隠せずいるが、当のNAMEは若干パニック状態でそれすらも気付かないようだ。


「だ、けど…、その、気持ちに気付いてからっ…よ、余計、迷惑掛けたり、か、空回ったり、するし…、うぅ…、ぺ、ペトラと、リヴァイさんが両想いだって、知って…、」
「んん?」
「大好きな友達、だからっ…、お、お祝い、し、したいのにっ…、目の前、が、真っ暗に、なって…うぅっ、…リヴァイ、さんの、こと、叩いちゃう、し…!
…っ、わ、たし…何が、言いたいんだろう…、うぅ、、ご、ごめんなさぃ…」
「ちょ、ちょっと待ってよ!リヴァイがペトラと両想いだって??なんでそんな話に…」
「…、あ、…そ、それは…、その…」


思わず口走ってしまった言葉を思い出し、NAMEの思考は急にサーっと冷えていく感覚に陥った。


…や、やだ…、私…何言って…!
ペトラのこと、私がたまたま盗み見してしまったことなのに…、人に、知られたくなかったかも、なのに…。
ダメだ…。やっぱり、…私なんか…!


「ごめんなさい…、今のは、わ、忘れてくだ、さい…」
「えー!?なんでなんで?NAMEがそう思ったってことは、そう思うきっかけがあったってことだろう?てゆーかさ!なになに?NAMEってまさか、リヴァイのこと好きなの!?」
「っ、////////////」
「うっひょー!!!マジ!?え?なんで?あの男のどこが…ーバンッ「入るぞ」
「えっ」
「うわっ…!、ちょ、リヴァイ!入る時はノックぐらいしなよー!」
「チッ…てめぇが言うな」


ハンジの言葉を遮るように乱暴に開けられた扉から、いつもより眉間の皺を濃くしたリヴァイがギロリと睨みをきかせ部屋に足を踏み入れた。


「なんだよ、NAMEに謝りに来たの?そんな怖い顔してたらNAMEも文句言いたくても言えな…」
「ハンジ、…悪いが2人にしてくれ」
「っ、…」
「…ふーん?…分かったよ。…その代わり、またNAMEを傷付けるようなこと言ったら、今度は本気で私も怒るよ」
「…ああ。…分かってる」


リヴァイの返事に、ハンジは少し微笑み、NAMEに声を掛ける。


「だってさ。NAME、話、してあげて。NAMEも、言いたいことちゃんと言うんだよ。何かあればまた相談してよ」


そう言い残すと、ハンジはゆっくりと部屋から出ていった。



ーって、いやちょっと待って…!ハンジさん、そんな、急に2人なんて…!
…だ、だってこんないきなり…。私、さっきリヴァイさんのこと引っ叩いて…!ど、どんな顔して話せば…!?
てゆーか、てゆーか!…、私、私、さっきハンジさんと話してたこと…、リヴァイさんに聞こえてたんじゃ…!!///////////


急に居た堪れなくなったNAMEは、唐突に手近にあったひざ掛けを掴むとそれを大きく広げ自分の身体を頭から覆い隠した。


「………」
「………」


ーいやいやいや、私何やってるの?///////
今更隠れたって意味ないし、何より意味不明過ぎて…//////、うぅ、もう、ほんとに自分が嫌…


リヴァイは、さっきまでハンジが居た場所に腰を下ろすと、山になっているひざ掛けに語りかけた。


「…この前は、悪かった」
「…(え…?)」
「…、頭に血が昇ってお前を傷付けた…。すまない」
「あっ、謝らないでください…!リヴァイさんは何も…!!」
「…。フ。…もう隠れなくていいのか?」
「あ…。」


思わずひざ掛けから出てしまったNAMEに、リヴァイは優しく微笑んだ。
NAMEはもう一度捲ったひざ掛けを引き寄せ顔を隠そうとするが、リヴァイの手が自分の手首を掴みそれを阻止する。


「隠すな。お前の顔を見て話がしてえ。…それとも、もう俺の顔は見たくねえか?」
「ちっ、違います!…そうじゃ、なくて…。…す、すみません…、私の考えが至らないばっかりに…リヴァイさんに迷惑を掛けて…。
…リヴァイさんは何も悪くないんです…。だから…、合わせる、顔がなくて…。」


そう言って小さくなっていくNAMEを見ていたリヴァイは、はー、と息を漏らした。


「…ハンジから聞いた。…騙されてただけだろ?お前は何も悪くねぇじゃねえか」
「で、ですが…、騙される私も私ですし…、そもそも、騙されるような原因を作ったのもわた…痛っ、」


自分を責め続けるNAMEに、リヴァイはデコピンをかます。
結構な痛みにNAMEは涙目になりながらオデコを押さえ、リヴァイを見上げた。


「リ、リヴァイさん…?」
「…自分を責めるな。俺を責めろ」
「な、にを…」
「言え。溜め込むんじゃねえ。俺にムカついたこと全部ぶちまけろ」
「そんな、こと…」
「いいからとっとと言え」
「っ…、……。ど、…どうして…、あの日、私と目を合わせてくれなかったんですか…?」
「…いつの話だ」
「あの日です…!…、リヴァイさんが、旧本部へ行かれる前日…、エルヴィン団長の部屋で、朝会ってから…仕事が終わるまで、ずっと…。
目も合わせてくれないし…、素っ気なくて…。怒ってるのかと…。」
「…ああ…、……。他は」
「…、どうして…、私を置いていったんですか…」
「…」
「どうして、ペトラと一緒に行っちゃうんですか…!どうして…っ、私を信じてくれなかったんですか!?」


言いながら、溢れ出した涙に気付いたNAMEは、ハッとして涙を拭い「ごめんなさい…」と謝った。


「…言いたいことはそれだけか?」
「…、あと…、こ、子供、扱いは…し、しないで、ほしぃ…です…。」
「、…それは、…、そうだな、悪かった。もうガキ扱いはしねぇ。…あとは。…もうないのか」
「…、はい…、」


俯きながら小さい声で返事をしたNAMEを見てから、リヴァイは斜め上を見上げフゥ、と息を吐いた。


「…あの朝、エルヴィンの笑い声が廊下まで聞こえてきた」
「…、へ?」
「あいつが声上げて笑うなんざ珍しいと思った」
「…リヴァイさん…?」
「外から覗いてみりゃ、エルヴィンがお前に触れていたとこだった」
「……、、?」
「…それがまず面白くなかった」
「…え?」


触られてなんていたかな?と思い返していた時、リヴァイの言葉に一瞬どきりとする。


「しかもあの時、散らばった紙を拾ってる時お前、あの夜と同じ顔してたじゃねえか」
「…?え?、あ、あの夜…??」


本気で分からないというNAMEに、リヴァイはハァと溜息をつきながら答える。


「俺がお前を抱いた夜だ」
「だっ/////////!!!?リっリヴァイさんっ、こっ、こんなとこでっ!こここ、声が、大きいですっ」
「てめぇがな」


ボンッと真っ赤になり周りを確認しながら慌てふためくNAMEに、リヴァイは構わず続けた。


「あいつに、…エルヴィンの野郎にその顔見せたくねえと思ったんだよ」
「…ふぇ?」
「…、お前から目を逸らせる為にエルヴィンに話を振ってとっとと部屋を出た。…そのあとも、別に、怒ってたわけじゃねえ」
「で、でも…、」
「あの夜の話をするのも、お前の顔を見るのも、全部あの時のエロいお前の姿を思い出しちまうんだよ」
「エっ、エロ…////////!?」
「仕事どころじゃ、なくなんだろうが」
「…っ、/////」
「…書庫でお前に言った言葉は、完全に頭に血が昇っていた」
「…、」
「お前がモブリットとデキてるんだと思った」
「あ、あれは違うんですっ」
「あぁ、分かってる。ただ、あの時はそう思い込んじまったんだ。まあ、仮に本当にそうだったとしても俺にとやかく言う権利はねえんだが…。
お前が、俺以外の男と楽しそうにしてるのが気に食わねえ」
「え…、」
「俺以外の男が、お前に触れてるのを見るのは…我慢ならねえんだよ」
「っ…//////」


NAMEの心臓はきゅう、と締め付けられる。


「だから…、あんな言葉でお前を傷つけた。…話を聞こうともせず…、悪かった」


そう言って謝るリヴァイを見つめつつ、NAMEはトクントクンと鳴り続ける心臓の音を感じながら言葉を紡いだ。


「、リヴァイさん…、そ、それって…その…つまり…、ヤ、ヤキモチ…やいてくれた、ってこと、ですか…?」
「…」


しかし、先程のペトラとの会話を思い出し慌てて訂正する。


「…っ、そ、そんなわけないですよねっ、リ、リヴァイさんは、ペトラと、こ、恋人ですし!」
「…あ?」
「す、すみません、私ってば、自意識過剰…」
「おい、…お前何言って」
「か、隠さなくて大丈夫です!…わ、私…全部、知ってますから」
「全部だと?何を言ってやが…」
「へ、部屋で…、抱き合って…好きだと!」
「………は?」
「…、、だ、大丈夫です。私、だ、誰にも言わないので…(…。あ、でもさっきハンジさんにちょっとだけ言っちゃった…)」
「いや、お前それ…」
「リヴァイさん、私、リヴァイさんに信頼されてるって、分かっただけで十分です」
「あ?」
「わざわざ、私なんかの為に時間を作ってくれて、こうしてお話してくれて、本当に本当に感謝しています。ありがとうございます」
「…おい」
「けど、クロルバ区の花屋のおばさまの所へは行かせてください」
「は?お前まだ」
「お礼を、伝えるだけです。…すぐに、帰ってくるので…。お願い、します」


そう言って深々と頭を下げるNAMEに、リヴァイはまたハァと息を吐いて承諾した。


「明日、俺が連れていってやる。準備しておけ」
「あ、ありがとうございます!で、でも…私一人でも…」
「ダメだ」
「…、」
「…、別にお前をガキ扱いしてるわけじゃねぇ」
「で、では…、、やっぱり、信用してもらえ…」
「信用してねぇわけでもねえよ。…、、俺が連れていって帰ってきた方が早ぇだろうが」
「お、お手数お掛けしてすみません…、」
「いや、いい。…分かったらとっとと飯食って寝ろ。グズが」
「は、はい!、私、夕食の準備手伝ってきます!」


そう言って部屋を飛び出していったNAMEを見送り、リヴァイは人知れず舌打ちを溢していた。

















to be continued...

2025.1.10


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