素敵な夢になりますように…
go on 13
Name change
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ーー2日後。
兵士達がいつも通り訓練に励む中、夜会を明日に控えたNAMEは、エルヴィンに書類を提出しにいく道中で少々不安にかられていた。
…いよいよ明日は夜会…。大丈夫…リヴァイさんもエルヴィン団長もいてくれるんだ…!私はとにかく粗相をしないように…、、、
て、あれ??、そう言えば私って…明日何を着ていけばいいんだろう…。
夜会、ってつまりパーティー、だよね…?オフィス系の服装…な、はずないか…
「やあNAME!何を一人でブツブツ言ってるんだい?」
「わあ!ハっハンジさん!…あ、ナナバさんも。お疲れ様です!」
丁度団長室の前で考え事をしていたNAMEに、同じくエルヴィンに書類を出しに来たハンジとナナバが声を掛けた。
「明日の夜会、NAMEも行くんだろ?…気をつけなよ?NAMEは可愛いから、貴族共にいい様にされないか心配だよ」
「ナナバさん…」
美人なのに、所々男前なナナバにNAMEはいつもドギマギとしてしまう。
「まあエルヴィンやリヴァイもついてるなら少しは安心だね!ところでさ、明日、NAMEは何を着て行くかもう決めたの?」
「あ、それなんですけど…、」
ーガチャ「騒々しいと思えばお前らか」
「ミケ!」
扉の前で話し込みすぎたのかミケが中から扉を開け、NAME達はそのまま団長室へと足を踏み入れる。
「ハンジにナナバにNAMEか。すごいな。丁度君達に用があったところだ」
そう告げるエルヴィンに、NAME達の頭には?が浮かぶ。
「私達に用?ミケはここで何してるの?」
「俺はこれを届けに来ただけだ」
ハンジの質問に答えたミケは、エルヴィンの机の上に乗っているやたらとデカい箱を指差した。
「用というのは、この荷物だ。これはNAME、君宛ての荷物だよ」
「え?私、宛て、ですか??」
心当たりが全く思い浮かばないNAMEは首を傾げる。
「メンフィス侯から、ドレスの贈り物のようだ」
「え」
「へぇ。」
「ひょーー!!?貴族から贈り物!?なんで!?NAMEってばいつの間に貴族と仲良くなったのさ!!」
三者三様に驚く彼女達に、エルヴィンは言葉を続けた。
「明日の午前中にでも君のドレスを調達しに、ナナバやハンジに頼もうと思っていてね。しかし、その心配は無用の様だ。
彼の使いの者から、NAMEにぜひ、とのことらしい。何着かあるようだから、試着がてら明日の予行練習でもしてみたらどうかと、呼びに行くところだった。」
「それを手伝う為に私達も、ってわけか」
「まあ、ナナバだけ呼ぶつもりだったんだが。ハンジ、君も女性だし頼むぞ」
「ちょっとちょっと!聞き捨てならないなぁ!はぁ。。…まっ、でも楽しそうだから別にいいけどさ」
一気に話を飲み込んだハンジとナナバは、戸惑っているNAMEを引き連れ、団長室の隣の空き部屋へと届いた箱ごと持って移動していった。
「…大丈夫か?」
「…ナナバに任せれば問題ないだろう」
ミケの不安そうな問い掛けに、エルヴィンは3人が持ってきた書類に目を遣りながら答えるのだった。
「それで?なんでその、メンフィス候にプレゼントもらえる仲になったのさ」
試着室(ただの空き部屋)では、当然の如くハンジとナナバに問い詰められるNAME。
「えっと…それが…、その…。。」
そう恥ずかしそうに事の説明をしたNAMEとは対照的に、そのいきさつを聞いたハンジとナナバは、それは楽しそうに興奮していた。
「いやー、ソニー達が殺されて気持ちが落ちてたけど、一気にテンション上がったよ!!」
「ハンジさん…、そんな楽しい話じゃないんですよぅ…」
「でもさでもさ!そんな事情で招待されて、よくあのリヴァイが許したね」
「あ、いえ、反対はされました。めちゃめちゃ。」
「だよねぇ。あんなにNAMEのこと過保護なほどに大事にしてるんだから」
「へぇ?あのリヴァイ兵長が?やるなぁ、NAME」
「えっ!や、私は何も!!リヴァイさんがとてもお優しい方なんですっ」
「…ふ。優しい、ねぇ。まあ、なんだかんだ慕われてるしね。あの兵長様は」
そうニヤニヤとした笑みを溢すナナバは、隣で話を聞くことに夢中になっているハンジをほうって手際よくNAMEにドレスを着せていく。
「うーん。これはちょっと子供っぽいね。可愛らしいけど…丈も短いし」
「そ、そうですね。(制服の丈と同じくらいかな…。)」
「うわ!!これやば!ねぇねぇ!!これってさ、かなりおっぱい際どい感じじゃない!?」
1着目を試着したところでハンジが次のドレスに目を付け、キラキラとその目を輝かせながら早く着てみろとせっつく。
「////こ、これはむ、無理です!」
「まぁ着てみるだけ着てみなよ。案外良いかもしれないし」
「で、でも…、しかもこの形って、ぶ、ブラつけられない、ですよね?」
「そうだね。まーいいじゃん。私らしかいないんだし」
「ほら脱いだ脱いだ!」
「ひゃああ///////」
まるで着せ替え人形で遊んでるかのように、ナナバとハンジは意気揚々とNAMEに次のドレスを着せていく。
そして2着目のドレスを着終えたNAMEを見て、ハンジとナナバは思いきり鼻血を飛ばしていた。
「すごいよNAME…!おいしそうだよ…」
「ハ、ハンジさん!目が怖いです…!」
胸の谷間からお臍の上まで大胆に開いたそのドレスは、ちょっとどこかに引っ掛けただけですぐにポロリと出てしまうような危うさを持っている。
「綺麗だよ。さすがにこんな危ないドレスを着せて行かせられないけどね」
「ナナバさん…」
「でも、エルヴィンやリヴァイがこの姿を見たらどんな反応するのか気になるよ…ひひひ」
「みっ見せませんからねっ//////」
ナナバの言葉にほっとするも、ハンジのとんでもない提案にNAMEはすぐにドレスを脱いだ。
「しかし貴族ってのは、こんなドレスを普通に着てるのかと思うとやっぱり価値観が違うね。お。最後のはまともそうだ」
やれやれと溜息をつきながら、ナナバは最後の1着を手にした。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
その頃の団長室では…。
「おいエルヴィン、ここにNAMEは来なかったか?…、ミケじゃねぇか。何かあったのか」
幹部達はこぞって書類整理をしている今日は、リヴァイも例に漏れず追われていた。
一部の書類にエルヴィンから判をもらえたら紅茶でも飲みながら一旦休憩にしようと考えていたリヴァイだったが、その書類を提出しに行ったっきり戻ってこない補佐に痺れを切らしてやってきたのだ。
団長室に入ればミケがエルヴィンと会話をしているところで、リヴァイは怪訝そうに問う。
しかしエルヴィンは、そんなリヴァイと裏腹ににこやかに答えた。
「NAMEなら来ているよ。そろそろ戻ってくる頃だと思うが」
「…おい、それはどういう…」
ーガチャ「エール―ヴィーン!!!見てよ!この素晴らしさ!!」
リ「あ?」
ナ「あら?」
「っ!?リヴァイさんっ////////」
エ「おお」
ミ「ほう…」
まさか居ると思っていなかったリヴァイの存在に気付いたNAMEは、元々恥ずかしがって団長室へ行くのも嫌がっていたのだが、さらに恥ずかしくなってハンジナナバの後ろに思わず身を隠す。
しかし、しっかりと目に映した男達は、それぞれその姿に見惚れていた。
ルビーレッドのオフショルダータイプのそのドレスはNAMEのスラリとした体形にフィットするマーメイドドレスで、左足の腰から足元にかけてゆったりとしたギャザーが施されている。
その部分はスリットにもなっており、歩くたびにNAMEの太ももが露わになるが、ギャザーのおかげでそれは上品に見え隠れするようになっているようだ。
普段、簡単に一つでまとめている髪もサイドにおろし、軽く化粧もナナバにしてもらったNAMEは、その高貴なドレスに負けない美しさを放っていた。
「ほらNAME!隠れてないでみんなに見せてあげてよ!こんな綺麗なんだから自信持ってさ!!」
「で、でも…皆さん兵服なのに私だけこんな…/////」
ううう、と尚も恥ずかしそうにしているNAMEのもとへ近づいたのはこの部屋の主だった。
「NAME、…美しいな。とても似合っている。」
「エ、エルヴィン団長…、あり、がとう、ございます…///////」
「君が調査兵団の優秀な人材であるのは変わりないが、ここまで美しいと我々も鼻が高い。なあ、リヴァイ」
「…チッ」
「そうなんだよ!ナナバの思い付きでさ、簡単に手が出せないほどの美しさがあれば逆に安全なんじゃないかって話になったんだよ!」
「ほら、高嶺の花は手を出しにくいだろ?」
そうニヤリと口角を上げるナナバに、エルヴィンは「なるほど、一理ある」と返した。
「…」
「あ、…わ、私の身長じゃ丈が長かったので…一緒に入っていた10㎝のヒールを履いてます…」
「…何も言ってねえよ」
「すっ、すみません…」
徐に近付いてきたリヴァイは、無言のままNAMEを見つめた。
普段見上げることのないリヴァイの自分を見る視線に、つい身長のことを問われてるのかと思い答えたNAMEはすぐさま謝罪する。
そんな時、ハンジが先程扉を全開にして入ってきた為、団長室の前を通ったエレンとジャンが中のハンジに気が付き声を掛けた。
「あ、ハンジさん!探してたんで…、て、え?NAME、さん?////」
「エ、エレン?ジャンも…!/////」
「NAMEさん、そ、その格好は…////」
ハンジに声を掛けたはずなのだが、隣にいる見目麗しいNAMEに、一瞬でジャンもエレンも目が釘付けになった。
「やあ!これは新兵諸君!!どう!?美しいだろう!?なんたってこのリヴァイもNAMEの美しさに言葉も出ないんだからね!」
「ハンジさん、やめてください////」
「滾るよねぇ!さっき着たドレスなんかもっとエッチなやつでさぁ!おっぱいなんて横乳も下乳も見えちゃって先端を含む中央部分しか隠れてなくてさあああ!!!!」
「ハンジさんっ!?////」
まるで、巨人の生態を語る時の様に鼻息を荒くし饒舌になるハンジに、NAMEは思わず声を大にして止めに入り、ナナバも苦笑いでやれやれと溜息をついた。
しかし話を聞いてしまった男共はそうもいかず。
NAMEの身体をつい想像してしまったジャンとエレンは、見事に鼻血を噴き出した。
「おおっ!?あー、ごめんごめん!新兵達には刺激が強過ぎたかぁ」
「ジャっジャン!エレンっ!だ、だ、大丈夫?」
「フ。そうか…それはぜひ見てみたいな」
「エルヴィン団長…!?/////」
「ハハハ!!そうだろう?エルヴィンも見てみたいよねぇ!!」
「おいエルヴィン…、てめぇはまた何を馬鹿なことをほざいてやがる…。それに新兵、てめぇらも盛ってねぇでその汚ぇ血が床に垂れる前にとっとと顔洗って出直せ」
何かデジャヴの様なものを感じつつ、リヴァイはエルヴィンとジャン、エレンに静かに怒気を込めて言葉を放つ。
笑いが堪えられないのか、身体を震わすエルヴィンをよそに、ジャンとエレンは左手で鼻を押さえながらビシリと敬礼をして走り出していった。
それを見送ったリヴァイはハンジを思いきり蹴り飛ばす。
「ったぁああ!!痛いよリヴァイ!!!」
「うるせぇ変態クソ眼鏡。…あいつらてめぇを探しに来てただろうが。てめぇもとっとと出ていけ」
「そういやそうだったかも」と暢気な返答をしながら、ハンジはまたあとでねー!と手を振りながら廊下を去っていった。
「…お前は早くそれを脱いでこい」
「あっ、はっはいっ!」
一人、また一人とリヴァイによって退場していく様を見て、ナナバは可笑しそうに笑いながらNAMEの後についていった。
「おいエルヴィン…てめぇもいつまで笑ってやがる」
最後は再びエルヴィンを標的にするリヴァイを見て、ついにはミケも静かに笑いを溢す。
リヴァイは舌打ちしながら語気を強めた。
「エルヴィンよ。本当にそのゾウマとやらはまともな奴なんだろうな?…卑猥なドレスを送り付けてくるような奴は頭がイカレてるとしか思えねぇが?」
「ハハ。まぁ貴族の趣味は我々とは違うからな。…それに、お前は夜会に出るのは初めてだから知らないと思うが、そんなドレスを着た連中は向こうではありふれているよ。」
「フン…気色悪ぃ」
「フ…。なんにせよ、あのNAMEなら資金の確保は間違いなさそうだ。…それに、ナナバの言う通り、あれほどまでに高嶺の花なら半端な虫は寄り付かんだろう」
そう答えるエルヴィンに、半端な虫は寄り付かんでも、デケェ豚がまとわりついたらどうするつもりだと頭の中で毒づくリヴァイであった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「ナナバさん…、私、明日ほんとに大丈夫でしょうか…。リヴァイさんも怒ってましたし…」
元の服に着替えながらしょんぼりとするNAMEに、ナナバは優しく諭す。
「リヴァイ兵長が怒ってるのはNAMEの所為じゃないよ。NAMEがあまりにも綺麗で驚いてただけさ」
「そ、そうでしょうか…。」
「大丈夫!でも、貴族の連中は私もあまり好きにはなれない。…良い奴もいるかもしれなけどさ、あまり信用しすぎないようにね」
「はい…。」
「困ったことがあったらすぐ団長や兵長に言うんだよ」
「はい。…ナナバさん、ありがとうございます。」
そう言って柔らかい笑顔を向けるNAMEを見たナナバも、同じように微笑んだ。
「明日はもっと綺麗にしてあげるよ」
「/////…ふふ。ナナバさんって女性なのにほんとにかっこいいですよね。」
「そう?NAMEに言われると嬉しいね」
二人はそう笑い合うと、そのまま試着室(ただの空き部屋)を後にした。
to be continued...
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