素敵な夢になりますように…
go on 10
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一方、広間では…。
「やあペトラ、食後のティータイムかい?」
「ハンジさん!お疲れ様です。ハンジさんも飲みますか?」
読書をしながら紅茶を飲んでいたペトラの元へ、ハンジがにこやかにやってきた。
「うん、と言いたいところなんだけどまたにするよ。それより、NAMEを見なかった?部屋に行ったんだけどいなくってさ」
「ああ、それなら」
「おい、ハンジ。NAMEとエレンは一体どこでお喋りしてやがる」
ペトラが答えようとしていると、今度はリヴァイが広間へとやってきた。
「やあリヴァイ!リヴァイもNAMEを探してるの?」
「あ?てめぇ一緒じゃねぇのか」
「え?なんで?」
「てめぇが、あのクソガキの実験をスムーズにやるためにNAMEを連れて来たんだろうが」
「え、うん、まあそうだけど」
「だったらなんで今一緒にいねぇ。」
「?だって実験は明日だろ?」
「あいつの疲れを取るためにNAMEが話し相手になってやると言ってたんだ。てめぇはそれを監視するんじゃねぇのか」
「えー?しないよそんなこと。…そっか、じゃあ今二人は一緒にいるのか」
「てめ…何を呑気な…」
「NAMEなら、エレンの部屋に行きましたよ?1時間…半くらい前、ですかね。まだ戻ってきてないのでまだ地下に…って兵長!?」
ペトラの言葉を聞くや否や、リヴァイは地下へと足早に向かっていった。ハンジはそれを見て面白そうだとニヤニヤしながら追いかけ、ペトラは訳が分からないといった顔でその場に立ち尽くしていた。
「ちょっとリヴァイ!そんな慌ててどうしたのさ」
「うるせぇ!まだ巨人化の部分が不透明なんだ。なのに二人っきりにさせるのは危険だろ」
ハンジは、ズンズンと先へ進むリヴァイを小走りして追いかけながら話し掛ける。
「大丈夫だって!自傷行為がきっかけなのは分かってるんだし、NAMEと一緒の時にそんなことする子じゃないのはリヴァイだって分かってるだろ?」
「だとしてもだ。万が一、あいつがNAMEに興奮して理性がきかなくなった場合、巨人化しない可能性は0じゃねぇだろうが」
「…うーん。まあ、0ではないかもしれないけど…その可能性は低いと思うけどなぁ。それよりも、エレンがNAMEに興奮して襲っちゃう可能性の方が高いと思うけどね!」
そう答えたハンジに、リヴァイは首だけ振り返ってギロリと睨みつけた。ハンジはその目の鋭さに、どこの殺し屋だ、と思いながらまだ面白そうに顔はにやけていた。
「ふざけんなら黙ってろ」
「ごめんって!ふざけたわけじゃないんだけど、リヴァイにしては珍しく慌ててるからさ。いつも冷静なのにどうしたのかなーと思っただけだよ。はは、そんな怖い顔しないでよ!あ、ほら!二人の笑い声聞こえるじゃん。大丈夫だって」
気付けば階段の下まで来ていた二人は、エレンの部屋の扉から漏れてくる、二人の楽しそうな声に耳を傾けながらゆっくりと近付いていく。
「二人とも友達同士だし、積もる話もあるんだよ。たまには息抜きさせてあげないとさ!」
「…んなことは分かってんだよ」
少しボリュームを下げながら、二人は扉の前までやってきた。リヴァイも、ハンジが言ってることを理解はしていた。しかし、ここへ来る前のNAMEの態度が自分を避けていると感じ取っていたリヴァイは、そこからずっとイライラが募っていたのだ。
なぜNAMEは自分を避けるのか。それに対して何故自分がこんなにもイラつき、乱されているのか分からず、余計機嫌も悪くなっていた。
久しぶりに会えて少しホッとしていたのに、エレンを優先したことにも少々腹が立っていたのだ。そんな状態の中で今に至る。
リヴァイは、ハンジの言葉を反芻しながら自分を落ち着かせるように肯定の言葉を紡ごうとしたその時だった。
中から、予想だにしない声が聞こえてきたのだ。
「っ…NAMEさん、…もうちょっと、優しく…」
「あ、ごめんね、痛い?…エレン、もっと力抜いて?」
「そんなこと言っても…あ、やべ…気持ちよくなってきた」
「ふふ、良かった。…私に任せて、そのまま動かないでね」
「あー…NAMEさん、最高っす…すげぇうまいですね」
「うん、よく言われるの。…ここも気持ちいい?」
「あっ…」
「「・・・・・・・」」
ハンジもリヴァイも絶句し、固まっていた。
彼らの会話から、どうしても想像してしまうその情事が、二人の頭の中に浮かんでいた。
「は、はは。リヴァイ、落ち着いてよ?乗り込んでいくなんてことしないよね?」
「…馬鹿か。そこまで俺は野暮じゃねぇよ。行くぞ」
そう言って扉を背にするリヴァイに、ハンジは拍子抜けしていた。
嫌でも想像できてしまう、エレンの前に跪きその男根を愛でるNAMEの姿にリヴァイが怒り狂うのではないかと思っていたハンジは、心なしか切なく見えるその背中を追いかけようとした。…しかしその時。
「交代しましょうNAMEさん!」
「えっ、ダメだよエレン!今日は私が」
「いや、俺もやられっぱなしじゃ申し訳ないです」
「いいって!また疲れちゃったら意味ないでしょ?」
「何言ってるんですか。これくらいで疲れないですよ。ほら、こっちに寝てください」
「やだ、エレン、ほんとにダメ…」
―ドガァン!!!「「っっ!!!???」」
「あーあ」
立ち去ろうとしていたところにまた会話が耳に入り、ついそのやり取りを聞き入ってしまっていたリヴァイは、ハンジの横をすり抜け勢いよく扉を蹴破った。
あまりの衝撃音にNAMEとエレンは言葉も出ずに固まり、ハンジは後ろで額に手をつき息を吐いた。
「おい、エレン…てめぇ調子乗ってNAMEにナニしようとしてやがった…あ?」
「ぐっ、へ、兵長…く、苦しいです」
ツカツカと扉を蹴破ったあとにエレンの前まで近づいたリヴァイは、そのままエレンの胸倉を掴み、締め上げながら額に青筋を立てて低い声で問う。
「リヴァイさんっ、ど、どうしたんですか…?私は別に、何も…」
「あ?お前、今嫌がってたじゃねぇか」
「え…?あ、嫌がってた、というか、遠慮しただけで!エレンにやってもらうのは気が引けて…」
その言葉に益々リヴァイの眉間の皺は濃くなっていき、リヴァイは掴んでいたエレンを乱暴に床に落とした。
「チッ…。邪魔したな」
「えっ?あの、リヴァイさん!?」
吐き捨てるようにそう言ったリヴァイは、扉の前に立つハンジを押しのけて部屋を出ていった。後に残った咽るエレンとそれを心配そうにしながらリヴァイにも不安そうな顔を向けるNAMEに、ハンジはゆっくりと近付き声を掛けた。
「あのさ、今って二人何してたの?」
「え…マッサージ、ですが…」
「…はは、マッサージね!」
なるほど、納得!と言って笑うハンジに、NAMEは?を浮かべながら、不安そうに訊ねた。
「あの、リヴァイさん、やっぱり私が余計な事して怒っちゃったんでしょうか…」
「あー、違う違う。ただの勘違いだよ」
「勘違い…?」
「まあでも、あのままにしとくとさすがに明日が怖いからさ、誤解解いてあげてきてよ」
「…で、でも、何を誤解されてるのか…」
「いいからいいから!話してくればいいだけだから!よろしくね、NAME!」
はぁ。と答え、NAMEはエレンにまた明日ねと伝えてリヴァイの後を追って走っていった。
「…ケホっ…ハンジさん、俺なんで兵長にキレられたんでしょうか」
「うん、ごめん。私から謝っとくよ」
そんな二人の会話を聞かぬまま、NAMEはカツカツと響くリヴァイの靴音を必死に追いかけた。
「リ、リヴァイさん、待ってください…!」
NAMEの声に反応したリヴァイは、その場で足を止め、階段を上って追いかけてくるNAMEを待った。
「何の用だ」
「ハ、ハンジさんが…、リヴァイさんが、誤解してるからって」
「…誤解、だと?」
「はい…、私も、なんのことか、分からないんですけど…」
「…お前、さっきエレンの部屋で何をしてた」
「…?さ、さっきもハンジさんに言いましたが、マッサージを…」
「・・・・・」
「…?」
しばしの沈黙…。
先に口を開いたのは不機嫌そうに舌打ちをしたリヴァイだった。
「紛らわしい声出しやがって…」
「???なんの話で…-っきゃ!」
NAMEが訝し気に眉を寄せていると、不意にリヴァイがNAMEの腕を掴んで引き寄せる。
「リ、リヴァイ、さん???」
怒られているかのような状況に、NAMEは益々訳が分からないといった表情でリヴァイを見つめ、リヴァイはその鋭い瞳で見据えたまま言葉を続けた。
「…いいか。今後、誰にもマッサージはするな」
「…へ?」
「へ、じゃねぇ。これは命令だ。分かったか」
「あ、あの、それは…」
その言葉に困惑しつつも、上官からの命令とあらば従うしかないNAMEが応えようとしたその時だ。上から螺旋階段を降りてきたペトラが、ひょこ、と顔を出した。
「兵長?今、下ですごい音が…、!あ、れ、NAME?」
ペトラは、普通の会話とは明らかに違う距離の二人を交互に見ながら、状況を把握しようと恐る恐るリヴァイに声を掛ける。
「あ、えと…な、なにかあったんです、か…?」
「ペトラ、あの…」
「いや、なんでもねぇ。騒がせたな」
「あ、いえ…」
リヴァイは返事をしようとしたNAMEの言葉をぶっきらぼうに遮りながら、NAMEの手首を掴み直して歩き出す。
しかし、ペトラの横をすり抜ける瞬間、NAMEの視界に映ってしまったのだ。この状況に戸惑い、そして傷ついた表情を浮かべる彼女の姿が。
「―っ…」
NAMEは脚に力を入れて立ち止まり、掴まれていた手を振りほどいた。リヴァイは怪訝そうに、そして驚きながら振り返る。
「…どうした」
NAMEは自分を見つめてくるリヴァイの目を真っすぐ見ることが出来ずに、斜め下に目線を泳がせる。
「あ、の…、め、命令、には従います…。で、でも、今日は、その…、」
「…なんだ、早く言え」
「…おっ、お腹が!」
「あ?」
「お腹が痛くて!そう、お腹が痛いので、今日は、もう寝ます…!お、おやすみなさい!ペトラも!ま、また明日…!失礼しますっ」
バッと勢いよく頭を下げて、NAMEは脱兎の如く階段を駆け上がっていった。
「…?へ、兵長。NAME、なんか様子、おかしいですが何かあったんですか?」
「…知らねぇな。…こっちが聞きてぇくらいだ」
「…」
夕食時は、久しぶりに機嫌が良さそうだと感じていたのに、今また不機嫌さを露骨に表すリヴァイを見て、ペトラはある懸念を抱くようになっていた。
「はぁぁぁぁ…。どうしよう…あからさまに避けてしまった…」
部屋に戻ってきたNAMEは、扉を閉めるなり、大きく息を吐きながら扉に背を預け腰を下ろしていた。
…でも、ペトラの前で、リヴァイさんに手を引かれたまま部屋に行くなんて出来ないよ…。やだな…。また、モヤモヤする…。
「(どこが機嫌が良いのよ…)ハンジさんもモブリットさんもエレンも…。みんなぬか喜びさせないで…。」
しゅんとする気持ちと同様に、NAMEは自分の膝の上に頭を落とした。
to be continued...
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