darling 4

Name change

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素敵な夢になりますように…


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問題の店に着いたNAMEとルースは、店員の女性に案内され店の奥にある事務所のような場所に通された。
そこには、すでに到着していた憲兵が2人と、店主らしき男、そして椅子に座らされ項垂れているアランがいた。

NAMEがアランに駆け寄り声を掛けると、アランは「分隊長、すみません…」と弱い声で一言発した。
NAMEとルースは、アランのその上げた顔を見て驚愕した。

殴られた痕が無数にあり、所々切れて出血もしている。
NAMEはギリッと奥歯を噛みしめた。



「…随分と若い女性のようだが…アンタがこのクソガキの上官さんかい?」


店主らしき男は、NAMEを下から上へジロジロと目を這わせながら問い掛け、憲兵の男達はそれをニヤニヤと見ている。

ハッキリ言って不快、以外の何物でもない。


「はい。調査兵団、第3分隊長のNAMENAME2です」

「フン。…見ての通りさ。一体どう責任を取るつもりなのかね、分隊長さんとやら」


堂々と名乗るNAMEに、不満そうな顔を向けて店主は吐き捨てる。
NAMEは一度息を吐くと、毅然に店主を見つめて口を開いた。



「…お言葉ですが、見ての通りとはどういう事でしょうか?私には、私の部下が一方的に暴力を受けたようにしか見えないのですが。それとも、これを正当化する理由があるとでも?」

「っ…!?」

「…ハっ!さすが若くても隊長さんなだけあるな。威勢がいいぜ」


NAMEの言葉に言い淀む店主に対し、憲兵の一人が愉しそうに口を挟んだ。
NAMEはその憲兵をギロリと睨む。


「憲兵の方には聞いていません。黙っててもらえますか」


NAMEの言葉に、カチンと癪に障った憲兵が怒りを口にしようとした瞬間、店主が焦るように口を開いた。


「りっ理由ならあるに決まってるだろ!こいつがウチの商品を盗みやがったからだ!これ以上の理由があるか!!」

「っ俺じゃないって言ってんだろ!!」

「!アラン、」

「まだしらばっくれる気かこのクソガキが!」

「分隊長!俺はやってません!!信じてください!」


店主から問いただされ必死に無実を訴えるアランの言葉に答えようとした瞬間、NAMEの目の前でアランが吹っ飛んでいった。
アランは椅子から投げ出され、大きな音と共に床に倒れこむ。


「御託並べてねぇでいい加減白状しろよ調査兵団よぉ!!!」


先ほど口を挟んできた憲兵の男が、アランに殴りかかったのだった。
ルースが起こそうと駆け寄れば、アランはその痛みを必死で堪えるように、呻き声も出さずに歯を食いしばっていた。
それを見て、NAMEは確信した。


NAMEはアランを見つめたまま、横にいる憲兵に向かって静かに口を開いた。



「ああ、…あなた達が、アランの顔をこんなになるまで殴ったのね」

「…フン、だとしたら何だ?こんな薄汚いコソ泥の肩なんて誰が持つんだ」


そう言いながら、ひゃはははっ!と大きく笑い出す憲兵達。
そんな下卑た笑いが耳に入ってきた瞬間だった。




―バキィッ!
「ふぎィッ…ッ!!!?」

「「「!!?」」」



NAMEは、アランを殴った男の鼻に目に見えない程の速さで掌底を打ち込んでいた。
男は鼻血を出しながらヨロリと尻もちをつき、もう一人の憲兵は慌ててその男に駆け寄っている。
アランとルースもその様子に目を見開き、開いた口も塞がらずポカンと見ていた。
鼻を両手で抑えながら、憲兵の男は声を上げる。


「て、て、てべぇ…なっなにしやが…!!」

「あー、ごめんなさい。あまりにも耳障りだからハエかと思ってつい。」


NAMEは、打ち込んだ手をブラブラと振りながら、冷ややかな目で男達を見下ろす。
そのまま、今度は店主の方へクルリと向き直ると、店主はひィッと小さく声を上げて後ずさった。


「私は、子供が盗みを働いているのを注意した際に逃げられ、追いかけようとしたところをあなたに捕まったと、そう聞いています」

「そ、そんな証拠がどこにあるってんだ!う、うまく逃げる為の言い訳に決まってる!!」

「…そうですね。証拠は今はありませんが。…ですが、私の部下が嘘をついているという証拠はあるんですか?」

「なっ!?」

「…今、私の別の部下が真相を知る目撃者を集めています。
その方達が揃って子供がやったと証言した場合、あなた方がやった事こそ、立派な名誉棄損、暴力罪に問われること、十分に理解してくださいね」

「っ…!!」



最後にニコリと微笑むNAMEを見て、店主はゾクと背筋が凍った。
そしてその直後、店員が控えめに事務所の扉をノックして店主を呼ぶ。
扉が開いた際、ベック達新兵の姿が目に映り、NAMEはほっと胸を撫でおろしてさわやかに微笑んだ。



「…どうやら、私の部下の濡れ衣は晴れそうですよ」




一部始終を目撃していた人は7人もいて、アランの疑いは綺麗に晴らされた。
店の前で(わざと見えるようにだが)、店主がアランに頭を下げた。店主はバツが悪そうではあったが、しっかりと「すまなかった」と謝罪していた。
憲兵二人にも土下座させたいくらいの気持ちだったが、その姿は見えず、病院にでも駆け込んだかな、とNAMEは思っていた。



「ベック達もよく7人も見つけてくれたね。よくやった!!」

「いやあ、結構人通りが多い場所だったんで助かりました!だからこそ、その子供は紛れやすかったんだと思いますけどね」



そんな会話をしながら、近くのベンチにアランとNAMEは腰掛け、その他新兵達はベンチを囲む。
NAMEは、傍の水道で濡らしたハンカチをアランの顔の傷に優しくあてた。


「つっ…」

「あ、ごめん、痛かった?」

「い、いえ/////大丈夫、です…」



至近距離のNAMEの顔に、アランは傷の痛みよりも心臓の鼓動の方が痛く感じた。
ハンカチで拭いたあと、新兵の一人が文具屋で借りてきた救急箱を開け、NAMEはテキパキと手当していく。
その様子を見守りながら、ベックは怒りに震え出した。



「クソっ憲兵の奴ら…!分が悪くなったらとっとと逃げ出しやがって…!許せねぇ!」


ベックの言葉に、周りにいた新兵達も同じように憤っているようだ。
そんな中、一人得意気にルースが口を挟んだ。



「確かにあの憲兵達に一言謝罪はさせたかったけどさ。それよりも強烈な一発、分隊長がお見舞いしてくれましたもんね!!」

「ははっ…あれは、ホントに最高でしたよ。」

「ちょっとルース!アランも何笑ってんの!////」

「え?え?なに?分隊長、あいつらになんかしたんですか!?」



NAMEの武勇伝を意気高らかに話すルースとアランに、恥ずかしそうにはにかむNAME。新兵達も、そのシーンをぜひ見たかったと悔しそうに皆で笑った。


そして傷の手当も終わった時、アランは視界に捉えた一人の子供に気が付いた。


「あ”っ!!!!」

「え?なにアラン、どうしたの?」

「あのガキんちょですっ!真犯人っ!!」



皆でアランが指差す先に目を移すと、こちらに気付き、しまった!といった顔をした子供が走っていくのが見えた。
アランは「あっ逃げた!待てこらー!」と走り出し、それに続き新兵達も楽しそうに追いかけていった。

NAMEは、頑張って捕まえてお説教してねーとその姿を見送った。



「うーん!さてとっ帰りますかー!………ん?」



大きく伸びをしながら歩きだしたNAMEの耳に、馬車の音が近くに聞こえた。
最初は気にしていなかったが、だんだんと自分に近付いてくるその音にNAMEはゆっくりと振り返ると、その瞬間に真横で馬の咆哮とともに箱馬車が急停止した。
そして開けた扉の中から伸びてきた腕が、驚き固まったNAMEの身体を強引に引き込む。


「きゃ…っ!!」


NAMEを引き込んだ馬車は、扉を閉め、また走り出していった。









「くそー。逃げ足はほんとに早いなあのガキ…」

「結局捕まえられなかったなー。まあ、あのガキならきっとしぶとく生きていくんだろうな!」

「あれー。分隊長、先帰ったのかな?」



子供を追いかけていったアラン達は、NAMEと別れた場所にゾロゾロと戻ってきていた。見回してもいないNAMEの姿を思い出し、戻ったらちゃんとお礼を伝えよう、とアランは思った。
と、そこへ、アラン達に「おい」と低い声が掛けられる。
声のする方へ目を向けると、外套に兵服、立体起動装置に身を包む、エルヴィンとリヴァイが立っていた。
まさかここにいるとは思ってもみなかった人物を見て、アラン達は目を丸くした。



「エっエルヴィン団長にリヴァイ兵士長っ…!なんでここに…!」

「やあアラン。…随分とやられたようだが大丈夫か?」

「あ、はいっ!」

「それで?その濡れ衣とやらは晴れたのか?」


リヴァイの問いに、アラン達は事のいきさつを丁寧に説明した。
エルヴィンとリヴァイは、憲兵に手を上げたというNAMEに少々驚いていたが、また意気揚々とNAMEの武勇伝を話すルースの言葉に、フッと笑みが零れていた。



「どうやら、君の杞憂だったようだな。NAMEはしっかりやってくれたようだ」

「…フン。ならいい。で?そのNAMEはどうした」

「あ、それが、俺たちが子供を追いかけている間に先に帰られたみたいで、」



と、ルースが言葉を続けた時だった。
控えめに「あの、」と声が聞こえ、その声の主である女性に皆振り返った。
その女性は、小さな子供を連れ買い物の途中なのか買い物かごを手にしていた。


「何か御用ですか?」



ガタイのいい強面達に一斉に視線を向けられ、少々たじろぐ様子を見せた女性に、エルヴィンは優しく声を掛ける。
女性はホッとしたのか、ゆっくりと言葉を紡いだ。



「あなた方、馬車は使われてますか?」

「馬車、ですか。いや、今日は誰も使ってないはずですが…それが何か?」

「あ、そうなんですね…あの、さっきここで一緒にいた女性が、馬車に連れ込まれたように見えたので…」

「「「!?」」」

「それはいつ頃ですか」
「え、あ、ほんとについ今しがた…」
「その馬車はどこへ?」
「こ、この先へ…」

「リヴァイ!」

「ああ分かってる!」


エルヴィンは女性の答えを聞くとすぐさまリヴァイに目をやった。
リヴァイは名を呼ばれた瞬間にアンカーを射出する。
その時、手を繋がれていた小さな子供が口を開いた。


「黒いお馬さんいたの。黒いお馬さんと茶色いお馬さーん!」


それを聞いたリヴァイは、「感謝する」と言い残して空に飛び出していった。
アラン達が「団長、どういうことですか!?分隊長に何かあったんですか!?」と騒ぎ立てる中、エルヴィンは冷静に、「お前達は全員一緒に兵舎へ帰れ」と命令した。















to be continued...






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