素敵な夢になりますように…
darling 2
Name change
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「あ!おっはよーNAME!」
翌朝食堂に行くと、ハンジが「こっちこっち」と手を振りナナバと座っている席へ手招きした。
私は朝食を手に、ハンジの正面に腰掛けた。
「おはよう、ハンジ、ナナバ」
「おはよNAME。なんか会うの久しぶりな気がするね」
「確かに。訓練時間もかぶらないからかな」
いつ見ても綺麗なナナバに、私の顔は自然と綻ぶ。
そんな私に、ハンジが身体を前のめりにして問いかけてきた。
「そんなことよりさ、どう?そっちの合同練習は!」
「うーん…。昨日も結構疲れたけど、大変なのは今日からかなぁ」
「だよねぇ。来月までに連携テクニックを鍛えなきゃいけないし。巨人の研究もしたいんだけど今はこっちから先に形にしないといけないからなー。」
「合同班はやっぱどこも一緒か」
ミケの班に所属しているナナバも話に加わり、合同班の大変さを共感した。
「初日はさすがに喧嘩しなかった?」
「…」
ナナバのその言葉足らずな質問にも、誰とのことを聞かれているのかなんてすぐに分かる。
私は一瞬咀嚼を止めたが、すぐにモグ、再開した。
「えー、まさかまた喧嘩したの?」
「ホント相変わらずだな。部下たちも困るんじゃないの?」
「ぅ…分かってるよ。昨日もエルドに止めてもらっちゃったし…」
それを聞いて笑いだすハンジとナナバ。
…分かってる!私が大人げないのは、それはもう分かってるんだけど…!
リヴァイのことになると、どうしてもうまくいかない。
そんな自分にも相当呆れる。
と多少落ち込みながら、尚も笑っているハンジ達をジト、と恨めしそうに目をやった。
それから他愛も無い会話をし、私達は、そろそろ訓練の準備をするか。と席を立った。
その際、ふと昨日の事を私は思い出した。
「…あっそうだ!
ねぇハンジ、昨日私の部屋に来てくれた?」
「え?NAMEの部屋?行かないよ。なんで?」
「あ、そう…。ううん、別に何でもないの!」
…おかしいな。絶対ハンジだと思ったんだけど…。
じゃあ誰だろ…ナナバは久しぶりの会話したから絶対違うし…
エルヴィン…、あ、ミケかな。
うーん。と頭を悩ませながら食器を片付け食堂を出た時、見知った顔が現れた。
「おっNAMEちゃん、おはよう!」
「おばちゃん!おはようございますっ!」
いつからか仲良くなった食堂のおばちゃんだった。
おばちゃんは故郷が同じということもあり、いつも何かと気にかけてくれる。
「昨日夕食食べに来なかっただろー?しっかり食べないと巨人なんて倒せないよ!」
「ごめんなさい~!つい寝落ちしちゃって。」
「ちゃんとパンは受け取ったかい?まったく!寝るのも大事だけど…」
「え、えっ、おばちゃんがパンを誰かに渡してくれたの?」
「なんだ、受け取ってないのかい?」
「ううんっそうじゃなくて…起きたらテーブルの上にあったから」
「ああ。なら、NAMEちゃんを起こさないように置いていったのかね。優しいところもあるじゃないか」
「だ、誰に渡してくれたの?」
「兵士長さんだよ」
にっこりと笑いながら発せられた名前に、私の胸はドクンっと大きく脈打った。
「今日はちゃんと食べにくるんだよー」と去っていくおばちゃんに、なんて返したかは覚えていない。
気付いた時、私は自分の部屋にいた。
私は、昨日まとめた書類にチラと視線を移した。
なんとなく、昨日ここに来たのはリヴァイなのではないか、というのも頭に過った。
絶対そんなわけないと思って除外してはいたが、そう思う理由もいくつかあった。
バラバラだったはずの書類がぴっちりと几帳面に整頓されていたこと。
開いていたはずの窓が閉められ、微かにリヴァイの匂いがしたような気がしたこと。
そして、…
リヴァイが私に囁きかけ、キスをする…という夢を見たこと。
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いやいやいや!これは夢でなんの裏付けにもならないし!
…それでも、なんとなく耳にはリヴァイのあの低い声が残っていたような気がした。
………
うん、でも、昨日リヴァイが来たことは多分間違いない、よね?
てことはよ。
きっと書類を散らかして爆睡してる私を見て、何かしらの悪態をついたんだと容易に想像できる。
「……あー。。。嫌なところ見られちゃったなぁぁ」
おととい、リヴァイとペトラのことを考えてあまり眠れてなかったのもあり(昼間の訓練の疲れも相まって)、つい落ちてしまったその間に、まさかあのリヴァイがパンを運びに来るとは…。
なんとタイミングの悪い
せっかく、昨日は色んなことを吹っ切ってよく眠れたというのに。
結局、昨日と同じく気が重くなる自分の頭を、NAMEはゴンと小突いた。
でもお礼は言わないと…!
そう考え準備を始めた。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
「始めっ!!!」
NAMEの合図と共に、皆一斉に馬に乗って駆けだした。
今日は馬上訓練だ。
壁外では、馬に乗ったままひたすら駆け抜けたり、馬の上から指示したり指示を仰いだりと、馬に乗り続ける体力と動きながらの状況判断が必須だ。
その為、今日はNAMEも馬に一日中乗り続けながら指示を出す。
「ん”ん”っ…」
訓練も午後に入る頃、NAMEは自分の声の掠れに気が付いた。
「あ”ーー、(…やっぱりずっと大声張り上げてると喉潰れるな…)」
「分隊長っ!指示された荷物の受け渡し訓練、完了しました!」
「!アラン、お疲れ様!大分スムーズに出来るようになったね」
「はいっ!分隊長の指導のおかげです!!」
「はは、大袈裟だな。アランの努力の成果だよ。
そしたら、アラン達は一旦休憩しよう。ペアのオルオにも伝えて」
「はいっ!!」
表面には出していないが、内心、アランと昨日の告白後初めて会うことにNAMEは少し動揺はしていたが、努めて変わらず振る舞うアランに胸を撫でおろしていた。
「アランの奴、今日すごい張り切ってますね。なんかあったんでしょうか?」
そう聞いてきたルースの言葉に心臓はドキっと跳ねたが、NAMEは素知らぬふりを決め込み、「いいから休憩にいったいった」と命令した。
前半の訓練が予定よりスムーズに終わり、全員でゆっくり昼食を取ることにしたNAME達。
ここまでリヴァイと中々二人にはなれず、昨日の事も聞くに聞けない状態だったが、NAMEは終わってからでもいいか、とひとまずそれは置き、班員達とのお喋りに加わった。
…本当に、いい子だよなぁ。
ペトラをぼんやりと眺めながらNAMEは心の中で呟く。
今まで、あまり関わらないように避けてたから全然よく知らなかったけど…
ホントに素直でいい子。
おまけに可愛い。
…勝ち目なんて無いよなぁ
そうぼんやりしていた時だった。
「じゃあ、NAMEさんは今までどんな人と付き合ってきたんですか?」
「っブクッ」
ぼんやりしていてあまり会話を聞いていなかったNAMEだが、オルオからの急な質問にコップの中で思わず吹いた。
と、それと同時に、バッとNAMEに顔を向けるアランと、
僅かに、ピクリと動くリヴァイがいた。
「わ!私も知りたいです、NAMEさん!」
無邪気に笑いかけるペトラを見て、NAMEの身体は見えないところで冷や汗がだらだらと流れた。
「けほっ…わ、私の話はいいよ!別に面白くもないし!」
「えー、そんなこと言わずに!…あ、じゃあっ、NAMEさんはどんな人がタイプですか?」
女子特有の恋愛トークに火が付いてしまったようだ。
NAMEだって、そういった話はもちろん嫌いじゃない。
でもそれは、人の話を聞くのが、である。
自分の話をするのは苦手だし、ましてやペトラになど絶対に話せない。
なんとか誤魔化す方法は…と考えても頭が回らない。
しかも女子特有だと思っていたのに、浮いた話を全く聞かないNAMEの恋愛話が珍しいのか、男達も少なからず興味がありそうだった。
アランに関しては若干前のめりでもある。
「NAMEさんモテそうだから、きっと理想は高いと思うな」
「はい?ちょ、ちょっとオルオ、何言ってんの。私がモテるわけないでしょう」
「えーっNAMEさんこそ何を言ってるんですか!NAMEさんは私達兵士の憧れなんですよ?」
「あ、憧れ?」
オルオの言葉に否定を返すも、さらに打ち消すようにペトラが語りだした。
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