素敵な夢になりますように…
darling 9
Name change
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リヴァイは、角度を変えながらNAMEの唇を堪能していく。
時折漏れるリヴァイの余裕のなさそうな息づかいに、NAMEはゾクゾクと身体中が反応した。
ずっと求めていたものが、ずっと伝えたかった想いが、今ようやく通じた。
本当に夢じゃない。現実なのだと実感し、驚いて止まっていた涙がまた溢れた。
愛する人とのキスが、こんなにも幸せなものなんだと、NAMEは初めて知った。
…だがしかし。
こんな急展開に頭が全く追いつかない。
そして心臓と呼吸がもたない。
キャパオーバーの脳と息もできない苦しさから、NAMEはリヴァイの胸をトンと叩いた。
それに気付いたリヴァイは、ゆっくりと唇を離す。
濡れた唇から目線を上げれば、そこには、涙は落ち着いてはいるものの、目も顔も耳までも真っ赤にし、荒い息を必死に整えるNAMEの姿があった。
リヴァイは自嘲気味に言葉を漏らす。
「悪い…。我慢出来ずにがっついた」
NAMEは、その言葉でさらに赤くなる顔を、隠すように背けて首を横に振った。
「違うの、…や、止めてほしかったんじゃ、な、くて////その、……まだ…、ゆ、夢みたい、で…い、いっぱいいっぱいっていうか…っわぷ!」
いつもの威勢はどこへやら。
モジモジと必死に言葉を並べるNAMEに、リヴァイはどうしようもない愛しさを感じ、後頭部に置いていた手をもう一度引き寄せてそのまま片手で抱きしめ息を吐いた。
「あんまり、そういう事言うんじゃねぇよ。
…また我慢出来なくなるだろうが」
「う、/////で、…でも、ほんとに…嬉しくて。夢だったらどうしようって…」
「夢じゃねぇ。
…俺だって、信じられねぇんだ。お前が、俺の腕の中にいることが。…だから、夢にすんじゃねぇよ」
―ああ。幸せだ。
よかった、この気持ちを諦めなくて。
想い続けて本当によかった。
NAMEはその言葉に応えるように、リヴァイの背中に回した手に力を込めた。
互いに抱きしめ合い、何も言葉を交わさない沈黙が続くが気まずさはなかった。
むしろ、この時間が一生続けばいいのにとさえNAMEは思う。
それくらい、この瞬間がとてつもなく幸せだった。
しかし、しばらくしてリヴァイが大きく溜め息を吐いたかと思えば、徐にNAMEの身体を自分から引き離した。
NAMEはキョトンとしながらリヴァイを見つめる。
「リヴァイ…?」
「…お前、そろそろ離れろ」
「え…あ、ごめん、重かったよね」
「そういう意味じゃねぇよ。
…これ以上くっつかれると俺がもたねぇ」
「え…、も、もたないって?」
本当に分からない、といった顔をするNAMEに、リヴァイはもう一つ息を吐いた。
こいつは本当に歳の割にウブだ。
だが、そんなNAMEに酔わされるのも悪くねぇ。
むしろ、穢れを知らないこいつの身体も、心も、俺の手で全て埋め尽くしてやりたい。
そんなことを考えながら、リヴァイはNAMEの手を掴んで自分の股間へと導いた。
すでに硬さと熱を帯びるそこに手が触れ、NAMEはビクリと身体を震わせて視線を落とした。
「これ以上くっついてると、こいつが起きちまう」
NAMEの顔は再び赤く染まっていく。
いくらウブだと言っても、そこは成人した大人だ。ここまで言えばNAMEにも意味は分かるようだ。
その様子を愉しそうに見ていたリヴァイは、手はそこに置いたまま、ゆっくりとNAMEの耳に口元を寄せて囁いた。
「続きは今夜だな」
「っっ/////////////////」
ボンッと音が出そうなほど赤くなるNAMEをよそに、リヴァイはニヤリと笑みを浮かべながら立ち上がった。
「書類整理、夜までに終わらせておけよ」
そう言ってリヴァイは資料室を後にし、残されたNAMEは、しばらく腰が抜けて立てなかった。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
「ハンジぃっ!!!!!」
「っわあ、びっくりした。…NAME、どうしたの?そんな慌てて」
ノックもなく勢いよく開いた扉から、血相を変えたNAMEが現れハンジは座っていた椅子からずり落ちた。
NAMEは松葉杖を扉の横に立て掛け、ひょこひょことハンジに近付く。
「ハンジ…助けてぇ」
要は、いつの間にかNAMEとリヴァイが恋仲になっていて、今夜が処女喪失になるかもしれないから助けてくれ、とそんな話だった。
私はその話を聞いた瞬間から、緩む顔が止められない。
だってそうだろう?
こんな興味深い話が聞けるなんてさ。
思わずナナバまで呼んで、急遽女子会を始めちゃったよ。
「とりあえずさ、NAMEはいつからリヴァイの事好きだったの?あんなに喧嘩ばっかりだったくせに」
ナナバの質問には私も気になった。
NAMEは目線を斜め上に泳がせながら、え、っと。と歯切れ悪く口を開く。
「じ、実は…その…昔、付き合ってたことが、あって…」
「「っええええ!!?」」
びっくりだよ。
そんなサプライズは求めてないよNAME。
「な、なんだよ!教えてくれたってよかったのに!水くさいなー!!まあ、そんな気がしてた時もあったけどね!!
あ。そういえばこの前も夜遅く二人で手繋いでたよね!?それで?なんで別れたの?別れてもずっと好きだったってこと?どっちが振ったの?てかどっちから付き合おうって言ったの?リヴァイって付き合ってるときは一体どんな…」
「ハンジ。鼻息荒いよ。気になるのは分かるけど少し落ち着きなって」
「あ。…ははは。ご、ごめんごめん。つい興奮しちゃって」
気付いたら暴走してたみたいだ。
ナナバに止められてNAMEを見れば、オロオロと困惑している。
こんなNAMEは初めて見た。
いつも凛としてしっかりとしていて、たまにおっちょこちょいな所もあるけどそれもまた愛嬌があって可愛いNAME。
見た目も愛らしいのに何故か自分に全く自信がない。
もしかしたら、リヴァイと付き合っていたことで自信を無くすようなことがあったのかもしれないな。
「NAME、話せるとこだけでいいから話してよ。今までずっと一人で抱えてたんだろ?頼りないかもしれないけどさ、私らだって一応色々経験してきてるし。
アドバイスも出来るかもしれないだろ?」
「そうそう!私達は友達じゃないか!」
ナナバと私がそう言えば、NAMEは目を潤ませて「ありがとう」と笑った。
っっとに可愛いんだよ、NAMEは。
これがリヴァイの良い様にされるのかと思うとちょっとだけ悔しくもあるけど。
まあ、NAMEが幸せならそれでいいんだけどね。
NAMEは、ポツリポツリと順を追って話し始めた。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
「なるほどね、そんな経緯があったわけか」
「へー。ほー。」
私は、二人に今までのことを大まかに話した。
みんなで行った飲み会後の話とか、馬車で攫われた時の話とか、この前のワインを二人で飲んだ時の話とかは恥ずかしくて省いちゃったけど。
それでも、自分の気持ちとかモヤモヤしていたことを話せてかなりスッキリした。
共感してくれたり、同意してくれたりする二人にすごく感謝だ。
もっと早く相談すればよかったな。
そんなことを思っていると、ナナバが少し複雑そうな顔をして口を開いた。
「うーん…二人が両想いになって、NAMEの気持ちがようやく成就したのは嬉しいんだけど…。
でもさ。その付き合ってた時の浮気の件は解決してないんだよね?」
「ぅ…」
「確かに。そこはハッキリさせないとだね。じゃないとまた同じことになるかもしれないし」
確かにその通りだ。
私は結局、そこからまだ逃げている。
浮気癖は治らない、というのもどこかで聞いたこともある。
「その浮気相手の女って今どうしてんの?」
ナナバからの質問に、私は答えた。
「…退団、したみたい。
そのあと見かけないから気になって、エルヴィンになんとなく聞いてみたんだ。
そしたら、家の仕事の跡を継ぐ、とかで」
「ふぅん」
「分からないけど、多分リヴァイと何かあったのかな、って。
もしかしたら、私の方が浮気相手でその子が本命だったのに、私とのことがバレちゃって別れたりしちゃったんじゃないか、とか…」
「あー、ダメダメ。ネガティブ思考禁止!」
話しながらどんどん落ち込む私に、ハンジがそう遮った。
ナナバも微笑みながら同調する。
「そうそう、考え過ぎだよ。
…それにさ、私は、あの男が二股だとか浮気だとかそんな器用なこと出来るような男に見えないんだけど」
「え…そ、そうかな。」
「分かる!私もそう思うよ!なんかリヴァイってさ、女に執着しない感じするよね!」
「うんうん」
「……?え、だ、だから浮気、とかするんじゃ…」
ナナバとハンジの言葉に私の頭は混乱した。
言ってる意味が分からない。
なのに二人は「分かるー」と共感し合っている。
え?分かんない。
「ど、どういう意味??わかんないよ…」
不安過ぎてそう問えば、二人はクスっと笑った。
「だから、NAMEと付き合ったってことは、リヴァイは相当NAMEが好きだってことだよ!」
「??????」
「ダメだ、ハンジ。NAME全然分かってないよ」
「わ、笑ってないで教えてよ…!混乱しちゃって」
「ははは!NAMEってホントにこーゆーことはてんでダメなんだね。いいかい?私達が思うにリヴァイって奴は、女に執着しない男なわけよ。だから、二股だとか浮気だとか、そもそも特定の誰かと付き合うなんて、そんな面倒なことしないと思うんだよね。
ヤりたいだけなら適当に娼館に行ったりだとかすればいいし、特に彼は意外とモテるから、それこそ誘えば誰かしら捕まるはずさ。」
「……」
「でも、そんな噂聞いたことないだろ?まあ娼館に行ってるなら分かんないけどさ。
こんな人員不足の兵団で女をとっかえひっかえしてたらすぐ噂になるはずだよ」
「…う、うん…」
「でも、リヴァイはNAMEと付き合うことを決めたんでしょ?
それってさ、もうNAMEのこと大好きってことじゃん?」
ハンジの言葉に私は何も答えられない。
胸が、トクトクと穏やかに鳴る感覚に、なんだか気持ちが軽くなっていく気がした。
二人はまた微笑み、ナナバが私の肩を引き寄せた。
「…そんな愛しい彼女を裏切ってまで、リヴァイは浮気なんかするかな。下手したらNAMEが離れていくことなんて予想出来るはずだろ?現に別れちゃってるし。
だからさ、ちゃんと聞いてみたら?もしかしたら、何かの間違いかもしれないよ」
…そうだよ。
リヴァイは、分かりづらいけどいつだって優しかった。
私が信じないでどうするんだ。
「…ありがとう。
二人のお陰で、すっごく気持ちが軽くなった。やっぱり、持つべきものは友達だね」
「はは。だろ?」
「元気になってよかったよ」
そう笑い合い、二人の存在がとても頼もしく感じていた時だった。
ハンジが「ああっ!」と大きな声を出して飲んでいたコーヒーのカップをガンっと音を立ててテーブルに置いた。
私とナナバは、その音にビクッと肩を震わせる。
「そうだった!なんか一安心、みたいな流れになっちゃったけど全然解決してないよ!」
「え?」
「今夜!!NAME、処女喪失だろ!?」
また鼻息を荒くしたハンジが正面から私を見据える。
鼻息のせいで眼鏡も曇っちゃってるし…
それに…
処女喪失て…///////
「な、なんかやだ、その言い方…//////////」
「ほんと。どこの親父だよハンジ…
せっかくの大事な日なんだから初体験、だとか言い方あるだろ」
「あー初体験ね!!いいねぇ。なんかその響きが初々しくてさぁ」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って二人とも///////////」
ああ、もう。本当に恥ずかしくて死ぬ。
いい大人が今更初体験というのもだけど!
それをこう、声を大にして語られるのは、もう、居たたまれない気持ちになるというか…!//////////
「ま、まだ、その、すっするか分かんないし!」
「何言ってんの。しないわけないじゃん」
「そうだよNAME!!付き合ってた時はキスもしなかったんだろ?
それがようやくここへきて叶ったんだ!このチャンスをリヴァイが逃すわけないね!」
私の言葉はあっさりと否定され、私はぐうの音も出ない。
だがしかし、今はもう17時だ。
結局、書類整理は明日に回した。今やっても手につかないと思ったから。
部屋に戻って一人で考えてもみたが、何を考えればいいのかも分からない。私の乏しい知識では、夜の事情について何も予習が出来なかった。
結果、ハンジに泣きつくということになったわけで。
もう恥ずかしがってる場合ではない。
私は意を決し、二人の話を真剣に聞くことにした。
to be continued...
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