素敵な夢になりますように…
darling 6
Name change
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壁外調査まであと2日となった今日。
合同訓練は佳境に入っていた。
「アラン!てめぇ目ついてんのか!
しっかり見やがれ、巨人のうなじはココだぞ!!」
「はいっっ!!」
「ペトラ!ベックの動きを見て!!もっと視野を広く!
オルオはちゃんと実力があるから迷わないで!もっと集中!!!」
「「はいっっ!!」」
リヴァイやNAMEの声にも力が入り、班員達の動きの精度も日に日に上がっていった。
コンビネーションなども格段に良くなり、NAMEはこの順調な訓練に少なからず満ち足りた気持ちでいた。
しかし、壁外では何が起こるか分からない。
これまでも、どんなに訓練をしても、どんなに優秀な兵士だったとしても、予想外の襲撃に遭い命を落としてきた者達が何人もいるのだ。
それを思い出し、NAMEはもう一度気を引き締めなおした。
いくらやっても、これで十分だ、ということは決してないのだ。
・-・-・-・-・-・-・-・-・
「分隊長、今日もありがとうございました」
「アラン、お疲れ様。今日もよくやったね。」
NAMEが厩舎で愛馬を労っていると、片付けを終えたアランがやってきて声を掛けた。
アランにも労いの言葉を掛けたNAMEは、ハタと、以前のシチュエーションを思い出してしまう。
…まずい、この状況はあの時と同じだ…
いやいやいや、急に帰るのもおかしいし、そもそもずっと避けるわけにはいかないんだから…
そう身構えて色々と考えていると、ギィと厩舎の扉が閉まる音がする。
ハッと顔を上げれば、アランが扉を閉めてこちらに歩み寄ってきていた。
「分隊長、」
「な、なに?」
NAMEは愛馬の後ろへと下がり、少しでも距離を取ろうとしている。それを見て、アランは眉を下げながら笑みを零した。
「何もしませんよ。そんなに怖がらないでください」
「っ//////こ、怖がってるわけじゃ…」
アランの言葉に、思わず反論しようとするが、NAMEの顔は真っ赤に染まっている。
その様子に、アランはクスクスと笑い出した。
「分隊長って、可愛いですよね」
「な!?/////な、何言って…!アラン!からかわないで!」
「からかってないですよ。…分隊長、俺、本気であなたが好きなんです」
「アラン…」
笑顔から一変、真剣な眼差しでアランはNAMEを見つめた。
NAMEは速くなる鼓動を落ち着かせるように、ゆっくりと息を吐き、同じく真剣にアランを見つめた。
「…アラン、私ね、男の人にこうやってちゃんと想いを告げられたの初めてなの。」
「え…そうなんですか?」
「うん。…だからね、アランが私を好きだって言ってくれたことは、本当に嬉しいんだ。
ありがとう。…でもね、アランと付き合うことはできない」
「…俺が、まだ未熟で、分隊長に見合わないから、ですよね…」
「違うよ!そうじゃない。アランはすごく成長してるし、未熟なんかじゃない。
寧ろ、私がアランと釣り合わないと思う」
「そんなこと…!それに、俺はそういうの気にしません!!」
「ごめんね、違うの。…アランの方が若いけどきっと大人だと思う。この歳でろくに男の人と付き合ったことも無い私なんかよりね。でも、そうじゃないの。
…私、好きな人が、…い、い、いる、から…/////その…」
自分で言葉にしたことで、急に恥ずかしさが込み上げてきたNAMEは、最後の方はごにょごにょと声を小さくしながら説明した。
アランは目をキョトンとさせ、その恥ずかしがるNAMEをまた可愛いな、と思いつつ笑った。
「あは。ほんっとに分隊長は可愛いです」
「ちょ////だ、だからそーゆーこと言わないで!」
「すみません。…でも、ちゃんと、言ってくれてありがとうございます…。俺、やっぱ分隊長のこと好きです」
「!…もう…。」
「へへ。……分隊長、…その人とは付き合わないんですか?」
「え!?////や、やだな!誰があんな奴と!」
「え?」
アランの質問に慌ててそう答えたNAMEだったが、それにより、アランはしたり顔でニヤニヤと笑い出した。
「…な、なによその顔は。」
「い~え?…そっかそっか。分隊長は兵長が好きな」
「わ!!!!/////////////」
核心をつこうとするアランの言葉を遮るように、NAMEはアランの口を両手で塞いだ。
「だいよーうでうよ、だえお聞いてあえん(大丈夫ですよ、誰も聞いてません)」
「~~/////からかうなって、言ったでしょ。生意気」
NAMEがアランをひと睨みし、口元を解放されたアランは「すみません」とまた笑った。
そんな時だ。二人の耳に、微かに話し声が入ってきた。
NAMEとアランは、厩舎の入り口とは反対側の、通気に使われる窓から外をこっそりと覗いた。
そこには、リヴァイとペトラが立っていた。
「…あれ、兵長とペトラさん、ですよね?」
「う、うん。そうみたいね」
NAMEとアランは、小声で会話しながら窺っていたが、リヴァイとペトラが何を話しているのかまでは聞こえてこない。
しかし、傍から見るにとても仲良さげな雰囲気は窺えた。
そしてNAMEは思い出す。
…そうだ、…私、何を勘違いしてたんだろう。
リヴァイは、ペトラのものなのに…
ここ最近のリヴァイの言葉や態度に、NAMEはもしかしたら、リヴァイも自分の事を特別な存在だと思ってくれているんじゃないか、とそう感じていた。
しかし、久しぶりに見たペトラとの仲睦まじい姿に、それはただの仲間に対する言動なんだ、と思い知らされた気がした。
自分がリヴァイに対して特別な感情を抱いているが故に、リヴァイの言動全てを自分の都合の良いように解釈しているだけなのだと。
「-っ…!」
「?分隊長?」
そう思った瞬間、NAMEは途端に恥ずかしさが込み上げてきた。
徐に立ち上がると、アランの呼び掛けにも答えずスタスタと厩舎から出ていく。
様子のおかしいNAMEを、アランはすぐに追いかけた。
「分隊長!…分隊長待ってくださいっ」
「っ…」
「!…え、ぶ、分隊長…な、泣いてるんですか…?」
「なっ泣いてない!」
「あ、まさか、二人を見てヤキモチとかですか??」
「そんなんじゃないから!!ほ、ほっといて!…おねがい…」
アランが呼んでも止まらないNAMEの腕を掴んで振り向かせると、その瞳には零れてはいないものの涙が溜まっていた。
今度は本当にからかい目的でそう問えば、NAMEの涙からは大粒の涙が零れた。
そして、消え入りそうな声で呟き、NAMEは反対の手で涙を拭い顔を逸らす。
アランは、初めて胸が締め付けられるくらいの切ない気持ちに駆られた。
「…すみません分隊長…その命令だけは、聞けそうにありません」
「な、に…―っ!」
アランは掴んでいた腕を力強く引き寄せると、そのままNAMEの背中に腕を回し、その肩を両手で包み込んで抱きしめた。
NAMEは慌てて離れようとアランの胸を押すが、アランの腕ががっちりと肩を掴んでそれを許そうとしない。
「っアラン!離してっ!」
「俺なら!!」
「っ!?」
「…俺なら絶対、分隊長のこと…悲しませるようなこと、しないですよ」
「-っ…、アラン、や、やだ。ホントに離し…」
「おい、何の騒ぎだ」
「「!!」」
アランの言葉を聞いた後、再びNAMEが離れようと力を入れたその時。
厩舎の裏から声を聞きつけ、リヴァイとペトラが一緒に現れた。
リヴァイの声を聞いた二人が同時にそちらに目を遣った瞬間、NAMEとリヴァイの視線が重なった。
NAMEは、アランの肩に回した力が緩んだその隙に、思い切りアランを押し返してその場を走り去っていった。
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