合間見えた貴方の心
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小1時間前にいたであろうキングの部屋に帰ってきた私達
キングは自分のベッドに腰掛けるとその上に自分を立たせる
「‥サヨ」
[ん?]
「すまなかった」
[それはどっちの意味でかな?]
「両方だ、俺の配慮不足が原因だからな」
[前者は気にしちゃいないが後者の方は戸惑ったよ]
アンタにしちゃ珍しい対応だったからね?
と柔らかく問いかけてみるとキングは「はぁ‥」と溜息をつきながら自分の両手で顔を覆った
[だけどもう大丈夫だね?]
「少なくともあの時よりは落ち着いている」
[ならいい、カイドウから許可も下りたし久々にゆっくりお話でもしよう…]
お話でもしようか
そう言いかけた自分の言葉はキングが常につけている仮面を取り、素顔を見せたことで途切れた
[‥面と向かって、って事かな?]
「ああ、だからサヨも通常に戻ってくれ」
[通常って失礼だな、間もなくやってくる年波に応じることができるように先取りして話していただけだというのに]
でも、確かにお互い素でないとこれからの会話は成り立たないよね?
とキングに応じて私も本来の口調に戻す
[で、カイドウから何を言われて貴方はどう思ったの?]
「‥何を言われたかは悪いが話せない。だが、俺の心境の変化に対してのヒントのようなものを貰ったとでも言おう」
[心境の変化?]
「ああ、ここ最近で起きていたが全く自覚をしていなくてなカイドウさんのお蔭で少しだけ確信に近づくことができた」
いつもは鋭く光る赤い瞳も今こうして話しているときはどこか穏やかな輝きになっている
キングの素顔を見るのもいつぶりだろうか・・?
「クィーンの馬鹿やページワン達がお前を慕って懐いて、お前が任されている参謀任務を問題なくこなせられている事。それには俺も不満はないしカイドウさんの役にも立てられてるいい事だと思う」
[うん]
「俺が引っかかってんのはここからだ」
キングは軽く目を閉じ、一息ついた後ゆっくり目を開けて言葉を発した
「俺はお前が‥サヨが俺以外の奴と必要以上に親しそうにしているのを見ると正直胸騒ぎがして落ち着かなくなる」
[・・・え?]
私は開いた口が閉まらなかった・・・
「カイドウさんと一緒にいるときはまだ平気なんだ。なんとも思わねェ、けどそれ以外の奴はだめだイライラして仕方ねェ」
[・・・・]
「こんな感情が何なのかわからねェが、いつかサヨがほかの奴の傍にいるだけでも腹が立ってくる時が来るかもしれねェ
そうなっちまったらお前は自分の役目を果たせねェしカイドウさんにも十分な情報が行き渡らなくなる
ここで不利な状況を作り出すわけにもいかない・・」
俺は、どうすればいいんだろうな・・・
と頭を抱え悩みだすキングに私はソッと手を伸ばし彼の手に優しく触れる
[傍にいるよ?]
「っ、でもそうしたらお前が‥!」
[勿論、任された仕事もあるからずっとは無理だけどそれ以外の時間は貴方の傍にいる
そうすれば、イライラすることもないでしょ?]
首をかしげながら問いかけると少し動揺した顔を見せたキングだけど首を縦に振ろうとしない
だから私は言葉を続ける
[私は嫌じゃないよ?貴方と沢山の時を一緒に過ごすのは‥]
「Σっ」
[傍にいられる時間が増えることでイライラも治まるならこれほどお互いにとって一石二鳥なことはないと思うな]
・・・だから
[貴方の答えを聞かせて?"アルベル"]
「っ、俺は‥」
ガバッ!!
と大きな身体に抱きしめられる
力強くて‥それでいて私への加減もしている優しさで
「俺もあんたと、サヨと一緒にいたい!」
[うん]
「お前の敵は全部俺がブッ潰す!」
[うん]
「・・だから」
抱きしめられていた腕が解かれ、今にも泣きそうな彼の瞳が私を見つめる
「だからどうか、俺の傍にいてくれないか…?」
[‥うん、いいよ?]
私はゆっくりと頷き、彼の頭をそっと撫でる
[私もアルベルといたい。ずっと傍に置いてね?]
「ああ、ああ!絶対に手ばさないからな!」
そうお互いに誓い、笑い合った後
私達は再び抱きしめあった・・・
「まぁ、お互い年齢に似合わず甘酸っぱい青春ですこと♪」
「ウォロロロ‥まァいいじゃねェか!これでアイツのイライラも暫くは治まらァ!」
一方カイドウの部屋ではバオファンによって一部始終を酒の肴にしっかりと楽しんで見ていた2人の姿があった
「キングの奴、自分が発した言葉が"答え"そのものだって気付かないところが青いもんだねえ」
「それも酒のつまみにゃ丁度いいから俺は一向に構わんな!」
「それもそうだねェ、ほらカイドウ様どんどん飲んでおくんなまし♪」
「ウォロロロ‥!そうだな!ようし!どんどん飲むぞォ!!」
「・・・・・」
「私の青春はバレないようにしないと~~~~」
と盛り上がりを見せる2人を見てソッと呟くバオファンだった
END