合間見えた貴方の心
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[キング‥?]
「なんか息を切らしているでありんすね」
「言っておくがお前1人の意見じゃどうにもならねェよ!俺達が賛成してんだからな!」
分かったか馬~鹿!
と下品に中指を立てた手をキングに向けるクイーンだが・・
「いつもお荷物なお前の意見も当てにならないな、そもそも聞いちゃいないが」
「ンだとこの変態野郎!」
サラリと返したキングに眉間にしわを寄せて怒鳴る中それを放置して自分の腕を引く
「おいキング、どこに連れて行こうとしてんのか知らねェがそっちの手の扱いには気をつけろよ?」
「そうでありんす!誰かによってやられた跡が残ってんだからな!」
そんな姉弟の言葉を聞いてキングは掴んでいた手を軽く緩め、自分の手首をそっと見たあとこっちへ視線を移したので意味を込めて小さく頷く
「・・・・」
「‥‥え、何だ今の流れは…?」
「!まさか跡をつけたのはテメェかキング!?」
「何だと!?なら話が変わってくるぜェ?オラ表出ろや!!」
[自分は気にしていないといったでしょ?無闇に喧嘩を吹っ掛けるでないよ]
言い寄る3人を宥めて少し冷静になりかけたところを好機と見たのかキングはグイッ!とまた腕を引きこの場を早足で去っていく
「あ!逃げたでありんす!」
「おいコラ逃げんじゃねー!!」
「説明しろキングー!」
そんな彼らの呼び留める声にキングは足を止めることはなく、姿が見なくなっていった
[キング、自分の話は聞いてくれるかい?]
とんでもない身長差もあり今やぶら下がっている状態でキングに話しかける
[自分が得た情報をまとめた書類をカイドウに持っていったんだろ?それからこっちに来るまでの間に何があったってんだい?]
「・・なにも」
[何もない訳がないだろう?現にあの子達はキングの様子に驚いていたんだよ?]
そう聞くも答えようとしないキング
一体どうしちまったんだろうねぇ
と思っていた時だった
ピトッと自分の背中に何かが付いた感覚があったかと思えば今度はそっちに引っ張られる
自分とは正反対に引く力にキングも違和感を感じて後ろを振り返る
そこにいたのは
「キング、私達のサヨさんをそんなに引っ張ってどこへ連れていこうってんだい?」
[マリアちゃんかい?相変わらず大きくて綺麗だねぇ]
「そんなサヨさんもお綺麗だよ?」
アイツが掴んでいる腕に赤い跡が残っていなけりゃ特にね
とキングへ視線を変えながら問いかけるように言うブラックマリア
おやおや、これはもしかしなくてもマリアちゃんもお怒りモードかな?
ホントに皆自分を大切にし過ぎじゃないかい?
気持ちはとても嬉しいけどね?
「‥その糸を解け、ブラックマリア」
「嫌だね。うるティ達から蜘蛛伝手に聞いたのさ、サヨさんを傷つけたキングがどこかへ連れて行こうとしてるって」
[蜘蛛の力も便利だねぇ、自分は何かしらなものに指示するっていう性格は持ち合わせてはいないからねぇ]
「いやだね、サヨさんはそのままでいいのさ。偉そうに命令するお前さんは少なくとも私は見たくないよ」
自分の言葉に答えるときのマリアちゃんは笑みを浮かべるけど
それが終わるやキングへ顔を向けるや無表情に近い表情に変わるもんだから
感情が豊かだねぇ
なんて場に似合わない感想が浮かんでくる
「さァ、さっさと私の質問に答えな!そうじゃないとこの糸は解かないよ」
「・・・・」
強めに問い詰めるマリアちゃんの言葉にも動じない‥
まさか・・・
[マリアちゃん、ありがとう
でも済まないけどこの糸を解いてくれないかい?]
「サヨさん・・」
じっと見つめて言うとマリアちゃんは渋々といった感じで糸を解いてくれた
引く力がなくなったのを感じてキングの方も少し抵抗がなくなったすきを狙って・・
[今だ!]
「「!?」」
自分の力を使い掴まれている方の手の関節を緩ませて大きなキングの手からすり抜けると一目散に駆け出す!
「Σなっ!待て!」
「待てはこっちの台詞だよ?」
すぐ止めようとするキングの声に立ちふさがるマリアちゃんの声が聞こえる
どうやら落ち着いてこの場からは出ることができそうだ
(なら自分は"アイツ"に問いたださなくちゃねぇ)
自分は廊下の突き当りに差し掛かったところで壁を伝い通気口へ入るとヌルヌルと身体をうねらせながら上の階へと向かった
スパーーン!!!
[カイドウ!!]
「おォサヨじゃねーか。お前も一緒に酒を飲むか?」
襖を勢いよく開くとお酒を楽しんでる最中のカイドウが機嫌よさそうにこっちへ手をひらひらとさせながら言ってくるので
自分はズンズンと彼に歩み寄るや‥
ニュルル…!!
[カイドウ、あの子に悩みの種をまいたのはお前だな?いったいどんなホラを吹いた?]
奴の身体を滑り上り首を自分の身体で巻き付けながら問いかけた
「お?前よりも俺を上る速さが上がったんじゃねェか?」
[はぐらかさないで答えろ!]
「ウォロロロ‥何をそうムキになる必要がある?いつもの口調まで解いてよォ」
俺はお前を思って言ってやっただけだぜ?
と笑みを消さずに言ってきた言葉にピクリと反応をした
[‥何の話だ]
「おいおい、しらばっくれてくれるなよ?俺が気付いてないとでも思ったのかァ?」
[…だとしてもだ、本人を悩ませてまですることじゃない]
「それはお前じゃなくアイツが決める事じゃねェか?」
そして、アイツは己の意思で俺の言葉を受け入れた
「そうだろ?キング」
「その通りだ‥」
[Σ!?]
後ろから聞こえてきた声にハッとして振り向くと自分の能力で飛んできたキングの姿があった
「なら俺に出番はねェ、あとはお前らがスッキリするまで話すんだな」
「・・・・」
「‥もう手荒には連れて行くなよ」
「はい」
人の姿に戻り、自分に近づくとカイドウに巻き付いている身体に触れる
それに応じて自分の身体を元の状態に戻せばキングは肩に乗せると部屋を去っていった