合間見えた貴方の心
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シャアア‥‥
とシャワーの音が浴室にて響く中、サヨは何かをすることなく無言でうたれていた・・
"「お前は人間か?」"
"[そうだけどそうじゃない。この身体見たら分かるでしょ]"
"「なら決まりだ!お前も来い!」"
"[えっ、どこに!?]"
"「どこってお前、こんな辺鄙な場所で最期を迎える気かァ?」"
"[だって、自分は‥「化け物だから、ってか?」Σっ!?]"
"「化け物、大いに結構じゃねェか!!化け物ならそれらしくあがいて生きてやろうぜ!!」"
"[‥!]"
その後キングを見つけて3人で脱獄して今に至ると・・・
懐かしいことを思い出す…これも幾年食った証拠だな
そう感傷に浸っているとバァン‼︎と勢いよくすぐ後ろの扉が開けられたかと思えば青色の綺麗な髪の子が眉間に皺を寄せて詰め寄ってくる
「てンめェ!!シャワーずっと出てるだろ!?水道代かかるじゃねェか!!…って姐さん!?」
・・かと思えば自分と気付くやハッとした表情に変わって背中を反って驚く
[久しぶりだねぇうるティ]
「す、すすすまねェでありんす!アタシはてっきりそこらへんの手下共かと思って…!」
[大丈夫、自分は怒っちゃぁいないよ]
元気そうで何よりじゃないか♪
と慌てる彼女の頭を撫でながら言ってやれば最初は驚くもすぐに笑みに変えて大人しく撫でられるうるティ
[あんたがいるってことは弟くんも入浴中かね?]
「そうでやんす!ぺーたんも姐さんに逢いたがってたから一緒にいて欲しいでありんす!」
[そうかい、じゃあそうしようかね?]
自分がそう答えるとうるティは嬉しそうに微笑む
彼女に尻尾があるならブンブン振ってそうな気がしてフッと口元が緩んだ
「Σサヨの姉貴っ!?」
[ページワンも久しぶりだね♪」
「やったー!作戦大成功でありんす〜♪」
風呂から上がって彼女の弟と再会してみると同じような動きをして驚く
そういうところはちゃんと兄弟なんだねぇ
「なっ!?姉貴!隠してたのか!?」
「隠してねェよ!アタシもお風呂で再会したんだ!・・にしても姉貴を疑う弟の口はこの口かァ〜〜!?」
「ひでででっ!?ひだいってはでき(いでででっ!?痛いって姉貴)」
反抗されたうるティは自分より背の高いページワンに飛び掛かり、両頬をグイグイ引っ張りながら怒鳴る
[これこれ、ページワンも自分に逢えたことを喜んでるだけなんだからそのくらいで許しておやり?]
「…姐さんがそう言うなら」
[大丈夫かい?]
自分の言葉に渋々納得したようで解放されたページワンに声をかける
「すまねェ、いつも助けられて…」
[なぁに、あんた達と同行させてもらう時はこっちが助けてもらってんだ。このくらい大した事ないさね]
「こっちこそそれは気にしなくていいでありんす!!」
「だな、こっちは姉貴の分まで戦れるんで逆にありがてェくらいだ」
「だとしても大抵は大した事なくて物足りなくなっちまうけどな!」
「違いねェ!」
と言って笑い合う
こういった光景を見るととても微笑ましくなる
「それはそうとその腕はどうしたんだ?」
[あーこれかい?]
ページワンが指差した先を見てその腕をあげる
そこにはハッキリと掴まれた跡が残っていた
[とある人に掴まれただけさね、別に気にしちゃいないよ?]
「でも結構な跡でありんす。一体誰に…」
[誰でもいいじゃないか、これくらいの跡なら夜まで待てば剥けるようになるから]
「姐さんがそういう体質してるのは知ってるけど納得できないでありんす!」
珍しく引っ張るうるティに同意するように頷くページワン
気持ちは嬉しいけど、自分としては仲間なので争ってほしくないのだが・・
[自分が気にならない相手からのなんだ。悪いけどここは折れてくれるかい?]
「うぅ、納得いかないけど」
「姉貴がそういうなら…」
[ありがとね、2人共♪]
と言って2人の頭を撫でていると不意に自分の姿に大きな影が覆ったんで後ろを振り返って見上げてみると
彼らほどじゃないけどそれなりに久しい顔が自分を覗き込んでいた
[おや、アンタも久しぶりだねぇ]
「おう、サヨ!カイドウさんから聞いたぜ?ジャックのヤツが下手こいたんだって?」
挨拶をそれなりに、自分からの報告をキング伝手に聞いたのか見下ろしている顔には笑みが浮かんでいた
[そうだねぇ、なんならもう一回同じくらい…あるいはそれ以上のミスをしでかしそうだよ?]
「ムハハハ!!そんなことがあっちゃ大看板の名が廃れちまうぜ!」
「あ!ならサヨがあいつの代わりに背負えばいいでありんす!」
とカイドウと同じくらい独特な笑い声をあげて笑う彼、クイーンの言葉にいいことを思い出したのか人差し指を立てながら言ったうるティ
[え、自分が?]
「そりゃいい!他の奴も姉貴なら納得してくれるだろうな!」
「皆姐さんの事大好きだから今までの同行任務だって拒むどころか進んでやってきたでありんす!」
「おいおいどうした?オメェらが俺の意見に同意してくれるたァ明日は槍が降るか?」
ま、俺もお前らの意見にゃ異論はねェがな!
と言ってまた声をあげて笑うクイーンはよほどご機嫌のようだ
[う〜ん、自分は今の立場で充分だと思うんだがアンタらにそこまで言われちゃあ揺らいじまうねぇ…]
「!ならそこで折れるでありんす!」
「そうそう!ポキッと折れてくれ!他の奴らには俺達が伝えておくから」
「そうなったらアタシの分まで伝えておくでありんすよ?」
「・・いうと思った。まァ別にいいけどよ」
「ほらほら、コイツらはもうさせる気満々だぜぇ?どうすんだ?」
[う〜〜ん・・]
自分で言うのもなんだがここまで悩むのも初めてなことだったが、さっきの話に折れてもらったし、3人に勧められて断るのも申し訳ないから受けてしまおうか
重傷だけど一応ジャックはまだ捕まってないからもし捕まっていなくなってしまった時は、って事で
そう決めた自分が3人へ向き直り、言葉を発しようとした時だった
「その必要はない」
と低い声が自分の言葉を止める
聞こえた方へ振り返ってみるとそこには珍しく息を切らしているキングがいた