合間見えた貴方の心
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「カイドウ様~!ジャックの部隊が帰ってきました!!」
ドタバタと慌ただしく広く長い廊下を走りながら彼らは仕える船長の元へ報告する
それを聞いたカイドウは「そうか」と短く答えた後視線を彼らへ向け
「…"アイツ"は無事か?」
「はいっ!到着すると同時に船から飛び出していったのでいつもの場所へと向かったかと」
「ならいい、積み荷の運搬やっとけよ?」
「「りょ、了解です!」」
場所変わって質素な一室
桁違いな大きさのベッドへ横たわる人物へ音もなく近寄る一つの影・・・
[・・・・]
ベッドのすぐ傍にまで来たその人物はゆっくりと手を伸ばし・・・
カァンカンッ!
と眠っている人物がかぶっているものを叩いた
[起きな、キング。今日もいい朝だよ]
「‥人の仮面を目覚ましベル代わりにする奴があるか」
音が直に届き、心底嫌そうに頭を抱えながら上半身を起こして横に立つ人物へ呟く
[いつもよりはマシではないかい?]
「‥自覚があるならそれもやめろ」
[よしな?人の楽しみを取るのは悪いことだよ?]
座った状態になっただけでもお互いの身長差で見上げるような状態になってもどこか余裕そうな態度をやめない女性に一つ大きな溜息をついた後
「今日はどこへ行ってきたんだ?」
[ゾウに行ってきた
随分と口の堅いミンク族の集まりだったよ]
お蔭で自分は隙を見つけてやりたい放題だったけどね
と聞いてきた彼に笑って答えながら彼女は背中から丸めた書類を取り出して渡した
その内容を見て仮面の中で僅かに目を見開く
[これは余談だけど、ジャックがミンク族に少しばかり手間取ったことに怒りを感じたらしくてまたゾウに戻るらしいんだよ]
「‥それにお前は?」
[行かないさ、一度きりで得るものは得られたしあっちは復讐心で燃えてるだろうしね」
余計な戦にゃ手は出さない主義でね。知ってるだろ?キング?
カラカラと笑いながら彼へ向けた片手をヒラヒラさせて言う女性にキングと呼ばれた彼は面の裏でフッと笑い
「そんなズル賢い所はお前らしいと思うがな?サヨ」
[やだね、お利口と言っておくれよ
自分に戦力がないのは重々承知してんだから]
「・・・・」
[…そして]
彼女がキングの手に触れると同時にウネウネと異様な動きで彼の肩の上へと昇っていき
[戦仕事はアンタやカイドウ達のお仕事。昔からそう決めてただろ?]
肩に座った彼女はキングの頬を撫でながら問いかける
すると
ガシッ
「その約束は忘れたつもりはないが俺を子や格下扱いするのはやめろ」
と彼女の腕を掴んで睨む
普通の人なら気絶するのではないかと思うその威圧にも彼女は
[最初からそんな扱いはしてないよ、もし自分がその扱いをしていたらもっと対応は違うだろうしね]
と気にする様子もなくもう片方の手で掴んでいる彼の手を取り解く
[さて、これから久しい人達に会えるだろうから自分はちょいとその支度に行ってくるよ?]
「‥これ、お前が渡さないのか?」
[私が帰ってきたことは知らされてるだろうしキングが行っても別に構わんよ?]
女は、支度に時間がかかる生き物だからねぇ
そういいながら肩から降り立つと、またもや手をヒラヒラさせキングの部屋を後にした
「ほォ!こりゃいい収穫じゃねーか!」
その後、身支度を済ませたキングはサヨが手渡してきた書類を持ってカイドウの元へやってきた
その内容を確認するやご機嫌になる船長にキングは落ち着いた様子で「そうですね」と答える
「んん?どうした?今日はやけにしおらしいな」
「いえ、そんな事は」
「ま、どうせサヨの事なんだろ?」
「っ‥」
自分ではそんなつもりはなかったのか
言葉を詰まらせてしまったことに動揺しているキングにカイドウは面白い物を見ているような目で見やり
「アイツがなんかしたのかァ?」
「‥どちらかといえば何もしてないかと」
「んォ?」
キングがさっきあったことを説明するとカイドウは「ウォロロロ!」と愉快気に笑う
「そりゃお前ェ、いつもやられてる流れが来なくて落ち込んでるだけだ!!」
「それは「あり得る話だから動揺してて、俺にバレねェように隠そうとしてんだよな?バレバレだけどな!!」
そこまで言われると何も言い返せなくなったのか口を閉じてしまった
「そうなっちまったらもう気付いたんじゃねェのか?」
「?何にです?」
「・・・冗談だろ?」
頭上に"?"が浮いていそうな返答に笑みが消え真顔へと変わったカイドウ
「俺は冗談など言ってませんが」
「‥成る程なァ、アイツもじらすわけだ‥」
「はい?」
「こっちの話だ。きっとサヨはそのいつもの流れを崩されて動揺してるお前を何とかして欲しくてそれを持ってこさせたんだろうな」
アイツ、立場とかはキッチリ把握してるからな
お前を通常に戻すのは俺しかいねェと読んでんだろうよ
「‥カイドウさん」
「おう、何だ?」
「俺が気付けていない事って何ですか?
サヨでさえ気遣うほどのモンって何なんですか・・?」