第5話
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「今日は、感情に任せるようなことはしない
・・だから俺に身を預けてくれないか?」
[おはよう皆♪]
翌朝、船が進んでいる様子を眺めている仲間達に声をかける
「お!今日は普通に歩いてるな」
「昨日もあったんだろ?
大丈夫だったのか?」
[心配してくれてありがと♪
今日は大丈夫だよ]
シャン君も私を気遣ってくれてたし
と昨晩の事を思い出しながら笑って答える
「ならよかった♪」
「さて、まずは双子岬だったか?」
[うん"東の海"に行く前に逢っておきたいからね]
そんな会話を交わしている内に船は順調に進んでいき、1ヶ月もたたない内に"偉大なる航路“前半の始まりにある双子岬に辿り着いた
[クロッカス!]
「おお!お前らか、久しいな」
花のような髪型をした老人に笑顔で駆け寄る私を見て嬉しそうな顔を浮かべて迎えてくれた
そんな私の元へ遅れてシャン君もやってくる
[クロッカス、聞いて?
シャン君ってばあれだけ私の傍にいたのに能力者だって事気付いてなかったんだよ]
「・・という事はお前さんは海にでも落とされたか?」
[正解!夏島に近かったから涼むために海へ落された]
久しぶりに力が抜ける感覚になったよ
と笑いながら答えると「はっはっは!」と愉快そうに笑うクロッカス
「だからあの時は悪かったって…」
「で、今日はどうしてここに?」
[東の海を冒険したいから戻る前に少し会っとこうと思ってね♪]
「ほう、それは嬉しいな」
お前さんが東の海にいってくれるなら"アイツ"も喜ぶだろう
と誰かを思いながらいうクロッカスの笑顔はフッと柔らかく優しい笑みへと変わった
[ローグタウンしか行ってなかったから観光ついでに楽しんでくる]
「それぞれの方角にある海の中で一番平穏な海だが何も起きない訳じゃないから退屈はしないだろう」
[退屈なんてあの人の船に乗った時から感じてないよ♪]
「ははは!アイツが聞けば喜びそうだな」
「で、クロッカスさん。東の海の土産はいるかい?」
ニコニコと笑みを浮かべながら話している私達に割り込んで入って来たシャン君
彼も昔の事を思い出しているのかどこか嬉しそうな顔をしている
「大丈夫だ、彼女を困らせんようにな?」
「もうそんな事はしねェよww」
[じゃ、早速行こっか♪]
「だな」
クロッカスに背を向けほぼ同時に甲板に降り立ち降ろしていた錨をあげる
「"偉大なる航路"程ではないが何が起こるかわからん、用心だけは怠るなよ?」
[うん、わかった!]
波に乗って船が進みだす
船の後ろへ移動してクロッカスと私達が話をしている間少しだけ顔を覗かせて聞いていた大きなクジラに手を振った
[行ってきま~す!]
そういって別れた後
あっという間に私達は東の海へやって来た
"偉大なる航路"と比べて少し穏やかな波と風が私達を出迎える
[来たね、東の海♪]
「さて、まずはどこから・・って決まってるか?」
[うん]
ロジャーの故郷、ローグタウンへ!
言わなくても決まっている一番最初に上陸する島の名前を口にするとシャン君だけじゃなく皆が頷いてくれた
~~~~~~~~~~
[・・・・・]
ローグタウンについてベン達を調達に頼んだ後私はシャン君とあの処刑台の目の前へやって来た
「・・どうだ?」
[・・うん、聴こえる]
あの人の声が・・・
と呟きながら目を閉じた私の手をシャン君がそっと握る
何を思っているのかある程度把握してるから私も何も言わず目を閉じたままで普通の人には聞こえない"声"をきく
「俺達がいくら願ってもくことが出来ねェ船長の声をお前だけ聞けるって羨ましいなァ」
[こればかりはどうしようもないよ
私もこの声が聞こえるだけで会話は出来ないからもどかしいし]
「聞けんのと聞けないってだけでも結構違うもんだぞ?」
[まぁそうだけどね?]
私がゆっくり目を開けたのを見てシャン君が手を放してくれた後その場で背伸びをする
[ロジャーの声が聞こえている間、ここがあの時に戻った気持ちになるよ]
「‥だが現実は"存在していない"が"生きている"んだよな‥」
[うん、私達がそれを分かっていれば十分だと思う]
「あァ、その通りだ」
私が処刑台に背を向けて歩き出したのを見てシャン君も歩き出し、私の横に並ぶ
「で、これからどうするんだ?
早速出航するか?」
[その前に一軒寄りたい店があるの
いっていい?]
「もちろん構わない」
店を知っている私に引かれ、やって来た店の名前にシャン君が目を僅かに見開く
私も初めて聞いた時に驚いた記憶があるから小さく笑って扉を開き店内へ入る
[こんにちは]
「・・おや?」
入った先にいた老人は私の後ろから遅れて入って来たシャン君を見て声を漏らす
「こりゃ驚いた、お前さんのようなもんがここに来てくれるとは!」
「この店を知っていたのはラティスの方
俺は案内されてきたんだ」
「・・と言う事はお嬢さんの方も"あの船"の?」
[うん♪この店の事は"その船の船長"に聞いたの]
若い子だと思われていたのか、そう答えた私に驚いた顔をしながら「なんと!?それは失礼した!」と謝ったおじさん
「ラティス。あの船と言うのは"オーロ・ジャクソン号"の事だよな?
船長とこの店とで何か繋がりがあるのか?」
[ロジャーね"偉大なる航路"に行く前にここで酒を浴びるように飲んだって
ガブガブ飲み干す自分を嫌がることなく酒を提供してくれたいいマスターがいるって話してくれたよ]
「!ほう、それは初耳だな」
「あの人はこの店を覚えてくれていただけなく、そう思ってくれてたのか‥?」
おじさんの声が震えていることに気付いた私が視線をおじさんへ向けると
目元に涙が今にも溢れ出しそうな状態で私を見ていた
[うん♪おじさんはロジャーに気に入られていたし、おじさんも気に入ってくれてたんだね?]
「そうだとも!あれほど立派な最期を迎えた男は見たことがない!」
ワシは奴が店に来た日と、あの公開処刑の光景を一秒たりとも忘れた事はないよ
腕で涙を拭った後並べられているグラスなどをカチャカチャと触りながら話し始める
「当然お前さんらも見たんだろ?」
「ああ」
[レイリーは行かなかったけどね]
「"冥王"か・・副船長ともなれば別の所で別れをしてけじめをつけたか?」
[正解、2人で何か話してたよ]
「その話はすぐに終わったがな」
質問に答えた私達に「やはりな、あれほどの男の相棒ならば言葉を発さずとも伝わるもんだ」と納得したように頷き
コトッ、と私達の前のテーブルに置いたグラスに赤紫色のワインボトルから琥珀色の酒を注ぐ
「コイツはお礼だ
この店に来ただけでなく話も聞かせてくれた・・な」
「そいつは嬉しいなァ♪」
[ありがと♪お言葉に甘えて頂くね?]
ああ、気が向いたらまた来てくれ
と口元を上げていったおじさんに応えるようにグラスを持った手を小さく上下した後私達はお酒に口付けた
・・だから俺に身を預けてくれないか?」
[おはよう皆♪]
翌朝、船が進んでいる様子を眺めている仲間達に声をかける
「お!今日は普通に歩いてるな」
「昨日もあったんだろ?
大丈夫だったのか?」
[心配してくれてありがと♪
今日は大丈夫だよ]
シャン君も私を気遣ってくれてたし
と昨晩の事を思い出しながら笑って答える
「ならよかった♪」
「さて、まずは双子岬だったか?」
[うん"東の海"に行く前に逢っておきたいからね]
そんな会話を交わしている内に船は順調に進んでいき、1ヶ月もたたない内に"偉大なる航路“前半の始まりにある双子岬に辿り着いた
[クロッカス!]
「おお!お前らか、久しいな」
花のような髪型をした老人に笑顔で駆け寄る私を見て嬉しそうな顔を浮かべて迎えてくれた
そんな私の元へ遅れてシャン君もやってくる
[クロッカス、聞いて?
シャン君ってばあれだけ私の傍にいたのに能力者だって事気付いてなかったんだよ]
「・・という事はお前さんは海にでも落とされたか?」
[正解!夏島に近かったから涼むために海へ落された]
久しぶりに力が抜ける感覚になったよ
と笑いながら答えると「はっはっは!」と愉快そうに笑うクロッカス
「だからあの時は悪かったって…」
「で、今日はどうしてここに?」
[東の海を冒険したいから戻る前に少し会っとこうと思ってね♪]
「ほう、それは嬉しいな」
お前さんが東の海にいってくれるなら"アイツ"も喜ぶだろう
と誰かを思いながらいうクロッカスの笑顔はフッと柔らかく優しい笑みへと変わった
[ローグタウンしか行ってなかったから観光ついでに楽しんでくる]
「それぞれの方角にある海の中で一番平穏な海だが何も起きない訳じゃないから退屈はしないだろう」
[退屈なんてあの人の船に乗った時から感じてないよ♪]
「ははは!アイツが聞けば喜びそうだな」
「で、クロッカスさん。東の海の土産はいるかい?」
ニコニコと笑みを浮かべながら話している私達に割り込んで入って来たシャン君
彼も昔の事を思い出しているのかどこか嬉しそうな顔をしている
「大丈夫だ、彼女を困らせんようにな?」
「もうそんな事はしねェよww」
[じゃ、早速行こっか♪]
「だな」
クロッカスに背を向けほぼ同時に甲板に降り立ち降ろしていた錨をあげる
「"偉大なる航路"程ではないが何が起こるかわからん、用心だけは怠るなよ?」
[うん、わかった!]
波に乗って船が進みだす
船の後ろへ移動してクロッカスと私達が話をしている間少しだけ顔を覗かせて聞いていた大きなクジラに手を振った
[行ってきま~す!]
そういって別れた後
あっという間に私達は東の海へやって来た
"偉大なる航路"と比べて少し穏やかな波と風が私達を出迎える
[来たね、東の海♪]
「さて、まずはどこから・・って決まってるか?」
[うん]
ロジャーの故郷、ローグタウンへ!
言わなくても決まっている一番最初に上陸する島の名前を口にするとシャン君だけじゃなく皆が頷いてくれた
~~~~~~~~~~
[・・・・・]
ローグタウンについてベン達を調達に頼んだ後私はシャン君とあの処刑台の目の前へやって来た
「・・どうだ?」
[・・うん、聴こえる]
あの人の声が・・・
と呟きながら目を閉じた私の手をシャン君がそっと握る
何を思っているのかある程度把握してるから私も何も言わず目を閉じたままで普通の人には聞こえない"声"をきく
「俺達がいくら願ってもくことが出来ねェ船長の声をお前だけ聞けるって羨ましいなァ」
[こればかりはどうしようもないよ
私もこの声が聞こえるだけで会話は出来ないからもどかしいし]
「聞けんのと聞けないってだけでも結構違うもんだぞ?」
[まぁそうだけどね?]
私がゆっくり目を開けたのを見てシャン君が手を放してくれた後その場で背伸びをする
[ロジャーの声が聞こえている間、ここがあの時に戻った気持ちになるよ]
「‥だが現実は"存在していない"が"生きている"んだよな‥」
[うん、私達がそれを分かっていれば十分だと思う]
「あァ、その通りだ」
私が処刑台に背を向けて歩き出したのを見てシャン君も歩き出し、私の横に並ぶ
「で、これからどうするんだ?
早速出航するか?」
[その前に一軒寄りたい店があるの
いっていい?]
「もちろん構わない」
店を知っている私に引かれ、やって来た店の名前にシャン君が目を僅かに見開く
私も初めて聞いた時に驚いた記憶があるから小さく笑って扉を開き店内へ入る
[こんにちは]
「・・おや?」
入った先にいた老人は私の後ろから遅れて入って来たシャン君を見て声を漏らす
「こりゃ驚いた、お前さんのようなもんがここに来てくれるとは!」
「この店を知っていたのはラティスの方
俺は案内されてきたんだ」
「・・と言う事はお嬢さんの方も"あの船"の?」
[うん♪この店の事は"その船の船長"に聞いたの]
若い子だと思われていたのか、そう答えた私に驚いた顔をしながら「なんと!?それは失礼した!」と謝ったおじさん
「ラティス。あの船と言うのは"オーロ・ジャクソン号"の事だよな?
船長とこの店とで何か繋がりがあるのか?」
[ロジャーね"偉大なる航路"に行く前にここで酒を浴びるように飲んだって
ガブガブ飲み干す自分を嫌がることなく酒を提供してくれたいいマスターがいるって話してくれたよ]
「!ほう、それは初耳だな」
「あの人はこの店を覚えてくれていただけなく、そう思ってくれてたのか‥?」
おじさんの声が震えていることに気付いた私が視線をおじさんへ向けると
目元に涙が今にも溢れ出しそうな状態で私を見ていた
[うん♪おじさんはロジャーに気に入られていたし、おじさんも気に入ってくれてたんだね?]
「そうだとも!あれほど立派な最期を迎えた男は見たことがない!」
ワシは奴が店に来た日と、あの公開処刑の光景を一秒たりとも忘れた事はないよ
腕で涙を拭った後並べられているグラスなどをカチャカチャと触りながら話し始める
「当然お前さんらも見たんだろ?」
「ああ」
[レイリーは行かなかったけどね]
「"冥王"か・・副船長ともなれば別の所で別れをしてけじめをつけたか?」
[正解、2人で何か話してたよ]
「その話はすぐに終わったがな」
質問に答えた私達に「やはりな、あれほどの男の相棒ならば言葉を発さずとも伝わるもんだ」と納得したように頷き
コトッ、と私達の前のテーブルに置いたグラスに赤紫色のワインボトルから琥珀色の酒を注ぐ
「コイツはお礼だ
この店に来ただけでなく話も聞かせてくれた・・な」
「そいつは嬉しいなァ♪」
[ありがと♪お言葉に甘えて頂くね?]
ああ、気が向いたらまた来てくれ
と口元を上げていったおじさんに応えるようにグラスを持った手を小さく上下した後私達はお酒に口付けた