18日目

名前変換

おれの名前は~‥
気ままに放浪する"おれ"系女性

[ここは10%ほど劣化による建物の損傷があった。近い内に壁を塗り替えておいた方がいいと思う]


「そうか、では近い内に担当の者に頼もう」




今日は誰もいない玉座で父さんと国の政治や町の状況などを話している

おれが真面目にやる事をやってるからか父さんも暴力を振るわないしどこかご機嫌な様子だ




「そうだアマネ


[なに?]


「お前の戴冠式、1週間後に執り行うぞ」



[・・へ?]




父さんの口から出た言葉におれは開いた口が閉まらなかった

戴冠式?来週に・・?
あまりにも話が早くないか?




[準備は出来てるのか?]


「もちろん抜かりはないぞ?
お前の人生で最大のイベントだろうからな!」




わっはっは!
と本当にご機嫌な父さんの笑い声





[・・あのさ、父さん]


「なんだ?・・もしや今になって拒むと言う事はなかろう?」




おれが声をかけた事に笑みを消し、ギロッと睨みを聞かせてみて来た父さん




[そんな怖い顔しないでくれよ
ただその式を1週間引き延ばして欲しいだけなんだ]


「・・理由は?」


[即位する前にもっと父さんがやってた貿易の事とか実際にやってみたいから]




困ったように笑いながら答えると、父さんから警戒心が消えてさっきの笑みに戻り・・




「そういう事なら許可するぞ?
ああ、親想いの子を持って私は幸せだ!」


[助かるよ♪]





笑って答える父さんがポンと魔法で何もない所から出したいかにも重要そうな紙を取り出すとおれに差し出してきた

内容を読んでみると"国産品を輸出している港の視察"といった感じだった




[場所はここから少し離れた所にある島なんだな]


「島で直接貿易を行えばいいのだろうが、海賊時代が始まってからはそうもいかないのだ」





力があるない問わず民に被害が向かってはいかぬからな

と島の事を考え真剣な表情で答える父さんに(おれ達にもそういう思いを持って欲しいよ‥)なんて内心思いながらも




[分かった。善は急げともいうし明日には出るよ
チェッソに乗っていくから]


「よかろう、お前からの報告を待っておるぞ」


[ああ]




























~~~~~~~~~~~~


翌日、チェッソに乗っておれは紙に書かれていた場所へやって来た

そこら辺のガレオン船よりも大きな船が並べられていてコンベアーのようなもので着々と荷物が積まれていく様子を一緒に見上げる




「凄くデカい船だな~
姉さんが乗ってた船もこんなに大きかった?」


[いや、あいつらの船はもう少し小さいぞ?
でも、特徴的な船だった]


「僕はお留守番する様に言われてたから見に行けなかったんだ‥」




一回だけでいいから見てみたいなぁ

そう呟きながら目の前にある船を見上げているチェッソの目はとても輝いててロー達の船に興味津々なのがよくわかる




[いつか見れればいいな]


「うん♪」



[・・!チェッソ、潜れ!]


「え? グンッ! Σわっ!?」




こっちへ勢いよく向かって来てる気配を感じたおれはチェッソの頭を思い切り押し、地面へ潜らせるための手助けをしながらその場で姿を消す

次の瞬間には覇気を使っているのか手を黒くさせた布ローブを深くかぶっている人がその場に現れおれがいた場所へ拳を振りかぶる





「消えた!?能力者!?」


[悪い事を何もしてないおれ達に何か用か?]


「声が聞こえる・・どこにいるの?」


[お前の目の前にいるぞ?]




手が黒いままだからまだこのままで居させてもらうけどな?
とローブから動揺している(声からして)女の声の質問に答える




「・・気配だけじゃなく攻撃も当たらないように消えてるのね」


[そうしないとまた襲い掛かってくるだろ?]




お前の連れらしき人もな?

と目の前の人から少し視線をずらし、少し離れたコンテナの物陰からちらっと見えた人影を見る




「何もかもお見通し、ってわけね」


[というよりおれがお前らに攻撃される理由が知りたいんだが‥]




そう聞くと・・・




「理由なんて、あなた達がレヴェンダ国の特産品を狙う窃盗団の一員だからに決まってるじゃない!」





なんて、その国の人間であるおれにとって本当に疑問にしか思わない答えが返って来た






[え?]


「・・なによ、何か文句でも?」


[文句もなにも・・おれ達はそのレヴェンダの人間で、ここへはその貿易の視察に来ただけだぞ]



「へ?」





おれの言葉に今度はローブの人が呆気にとられたような声を漏らした





[とりあえず誤解を解いて貰う為に姿を現すな?チェッソも出ておいで]


「うん・・」



「・・・なら、その証明になるものとかないかしら?」


[証明か…おれは"カメレオンの透過"でチェッソが"イルカの遊泳"の力の持ち主で‥これ見せたら解る?]




自己紹介のように言いながらあのペンダントを取り出すとまたもや動揺したように大きく反応を見せた後




「レヴェンダ国の王族が持つ首飾り!
じゃああなた達は・・」


「正真正銘レヴェンダ王の子供です」


[付け加えるとおれは戴冠式を控えてる半分王様の立場だな]


「あ・・じ、じゃ・・・」




自分がしてしまった事を恐ろしくなったのかガタガタと震えだした目の前のローブの人

と、そこへ






「とりあえずフードをとってやれ」


「Σ!」



「さっきまでの行動を許してほしい
コイツが言ってたように俺達はお前らのトコの特産品を守る為に行動してたんだ」




見慣れねェ服で早とちりしちまった
本当にすまない

とおれの目の前にいた人のフードを取ったあと自分のフードもめくりウェーブのかかった綺麗な金髪をした青年が答えながら頭を下げる





[敵じゃないって判ってくれたならいいよ
こっちも無傷で済んでるし♪]


「そう言ってくれると助かる」



[自己紹介しとくよ
おれはアマネ。んで、こっちが弟のチェッソだ]



アマネさんね?攻撃を仕掛けてしまってごめんなさい・・私はコアラ」


「俺はサボ。よかったらもう少しここへいてもいいだろうか?」



「そう姉さんにいうって事は…?」





許可証が必要なこの港に入っているおれ達に今や警戒心のかけらもないような顔でお願いしてくるこのサボの言葉にある事に勘付いたチェッソが呟く

その予感を確信に変える為におれはサボに近寄り貴族が着てそうな綺麗な青い服を2,3回嗅ぎ、理解した






[やっぱりお前ら革命軍か~
その顔どこかで見たことあると思ったんだ]


「さ、サボ君の匂いを嗅いで何を[そしてサボの言う言葉に嘘はなく、本当におれの国の特産品を守ろうとしている]!!」


[そんな立場なら証明証を持ってないのも納得だ!いいぞ?おれ達と一緒に行動することが条件な?]


「お前面白い上にいい奴だな!助かるよ♪」





おれの言葉にニカッと笑いながら頷き、握手を交わした
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