17日目

名前変換

おれの名前は~‥
気ままに放浪する"おれ"系女性

ブチブヂィ‥!!



[~~~っ!!?]





何かが千切れる音とアマネが目を見開き苦痛にもがく
そんな彼女に覆いかぶさってるのはウィリムで彼の口元から血肉が付いている




「はっ、相変わらず肉の味だけは上質だな」


[っ・・それを食っている間、だけでも、話を聞いてくれ]


「なんでお前なんかの言葉を[頼む、お前に聞き、たい事なんだ]…ちっ」




舌打ちしながらもアマネから身体を離し、腕を組んで近くの床にドカッとあぐらをかいた




[ありがとな、ウィリム]


「礼はいいからさっさと言いたい事を話せ!」


[ああ]




アマネもゆっくりと身体を起こす
その際にギヂギヂと鈍い肉の音がなり、彼女は短く呻き声をあげる




[・・・おれは今、ある考えを浮かんでいる
それを成功させる為には少なくとも7年は必要だと思うほど大きな事だ]


「何だよ、俺は手を貸さねェぞ?」


[お前に言いたい事はここからだ]




その7年を使って起こす物事にはウィリム、お前も関わってくる




「はァ!?何で[だがっ!]Σっ!?」


[お前にとっていい方向へ向く物だと確信してる!だから、この言葉だけ信じて7年待って欲しい!]




抉られた身体を庇いながらも自分を見つめる威圧にも似た視線を受け一瞬たじろいだウィリム




「っ!」


[・・・・]




その間にもじっと見つめ続けるアマネの眼差しに折れたのか…




「・・わかったよ」


[ありがとう!]




渋々と言った様子で頷いたウィリムにぎこちない笑みを浮かべて喜んだアマネ

と、その時!





アマネはいるか?」


「・・父上」




彼女達の父親の声が遠くから聞こえてきてウィリムは顔を聴こえてきた方へ向けたあとすぐにアマネの方へ向き直り




「・・・・」


[!]




無言で手をかざし、自分が傷付けた傷を癒した彼に驚く




[ウィリム?]


「・・早く父上の元へ行け」


[ああ、ありがと!]




礼を言ってアマネは衣服を整えると牢屋から出ていった















~~~~~~~~~~~~




[舞踏会?]


「ああ」





父さんに案内されやって来た玉座で聞かされたのは名が知れ渡っている王族が集まる舞踏会に参加しろという話だった




「お前もこの国の代表として出席するべきだ」


[いいぞ]


「もちろん嫌とは・・へ?」




いつものようにおれが断ると思ってたのか珍しくポカンとした表情でおれを見た




[いいと言ったんだ
それともなんだ?いつものように断って欲しかったのか?]


「!それは断じてないぞ!
そうか!参加してくれるか!」





やっと私の気持ちが分かってくれたか!
と機嫌良さそうに笑いながら言う父さん




(今はそう思って貰ってくれていい‥)




おれの脳内ではその通りに未来は動き続ける事はないからな




「では早速衣装の確認と行くか!」


[ああ、服装くらいはおれの好きにさせてくれるだろ?]


「もちろんだとも!
異論など唱えさせんよ!」


[そりゃ助かる♪]




笑みを浮かべ続ける父さんと一緒に玉座を離れ衣装ルームへやってきたおれは・・





[この服とこの花飾りがいい]


「お似合いですわ♪
早速試着してみましょう」




メイドに手伝ってもらい、おれが選んだ服を着て鏡に映る




[どうだ?]


「イメージ通りでございます
流石アマネ様、ファッションセンスも見事なものですね♪」


[そう言ってくれると嬉しい、ありがとな♪]




目を輝かせながらおれを上から下まで見ながら話すメイドに笑って答えた




[そういや、今回の舞踏会はどの島でやるんだ?]


「カシス島と呼ばれる様々な果実が豊富な事で有名な島ですわ」


[そりゃゆったりできそうだな♪
そこへはいつものやり方で行くんだろ?]


「はい♪」





いつものように空間転移魔法に長けた者により、送り迎えを致します

試着した衣装の細かいサイズ確認をして貰いながらおれは舞踏会についての会話を続ける




[全く、いつも魔法でなんてさせる方も可哀想だよな
結構魔力使うだろ?]


「ですが、貴女様方に使われるとなれば名誉ですから」



[そんなものなのか?]




「はい?」


[いや、こっちの話だ
所でここの部分なんだが‥]




ボソッと言ってしまった事を悟られないよう話を交わしながら、おれは目をゆっくりと伏せる






(ここの人達が使ってる力を他の島の誰にも使えない時点ですごい事なのに"おれ達に使って初めて名誉"となること自体間違ってる)




この国も、外の国も人は皆自由であるべきだっておれは実際に外に出てそれを改めて思ったんだ





(絶対変えてやる!今のこの島の考えを!)
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