9日目
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「あ、アマネさん!船長!戻られましたか!」
「アマネ‥?」
国王に別れを告げ、街の中へやってくるとキャベンの仲間が誰かと親しげに会話をしていておれ達の姿を見つけると手を振りながら声をかける
「待たせてしまったかと思えばそうでもなかったようで良かったよ
そちらの女性は?」
「商店街に並べられたこの国特有の品を見ていたら声をかけられてからずっと自分達の話を楽しそうに聞いてくれるんスよ」
「オレ達は海賊だと言っても怖がりもしないし、本当に不思議な子ですよ」
本当に不思議そうな表情を浮かべて女性を見るキャベンの仲間達
だが、おれはその理由がわかってるから驚くこともせず、ただ彼女に一言
[彼らはこの国を救ってくれた海賊と同じような人達だったかな?王女様♪]
「ええ!とても面白い話を沢山してくれていい人だわ♪」
「え・・」
「「「王女様ァ!!?」」」
「お前達、一国の王女くらい姿を記憶しておくものだよ」
「アマネさん、お久しぶりです!」
[お前の父さんもそうだが、あまり会っていないのによく覚えてるもんだなぁ]
「だって貴女のいる島は他の島では見られない事だらけだったんですもの
幼かった私には強く印象に残ってますわ」
仲間達の横を過ぎておれの前へと駆けて来た王女様、ネフェルタリ・ビビはずっと浮かべ続けている笑顔を浮かべながら話している
[あの島でお前が見たものは普通の海賊や商人は目にかかる事のない事が殆どだからな
出来るだけ口外はしないでくれな?]
「そうだったの!?気を付けるわ
それとさっき仰ってましたけどお父様に会われたのですね?」
[国に来たからには挨拶は必要だろ?
あの人に墓にある"アレ"も見せて貰えたし満足だ♪]
"アレ"という言葉を聞いてビビはハッと何かを思い出したような顔をして
「あそこ、一度崩れたお話を聞きましたか?」
[聞いたぞ?なのにああやって完璧に直ってるのに驚いた!]
「実はあのお墓と遺跡・・」
"アマネさんのお父様"に直して頂いたのです♪
[Σっ!!?]
ニコッと普通に答えたビビの言葉に俺の身体をビクンと反応し、思わず硬直してしまった
それに一早く気付いたキャベンが「アマネ?」と声をかけてきたけどそれに答える余裕は今のおれには持っていなかった
[父さんが・・来たのか?]
「はい!」
[いつ来たんだ?]
「いつって、つい"数日前"ですよ?」
アマネさんもお父様と一緒にいらしてくださったのでしょ?
とおれを纏う気配が変わった事に気付かず話し続けるビビ。その様子が彼女らしいことは確かだから俺もそれに触れる事はしないが・・・
早くこの国から出たい・・!
[ビビ、もう少し話してやりたいけどおれこれからちょっと用事があるんだ]
「あ!そうとは知らずにペラペラとお話してしまって・・」
[いや、いいんだ。おれもビビと話したかったからな。ごめんな?]
「大丈夫です!また逢える機会があればお話ししましょ♪」
[ああ、色々話そうな]
そう言い残し、おれはぎこちない動きでその場から離れアラバスタを後にした
~~~~~~~~~
「アマネ・・」
そのぎこちない動きでアラバスタを出てからもずっとその歩幅でナノハナへ向かっているおれにキャベンが声をかけた
[・・なんだ?]
「君は、あの方から逃げているのかい?」
[・・・]
おれはその質問にすぐ返答する事は出来なかった
逃げて来たといえばそうとも言えるし、そうとも言えず・・だけど、今父さんに会いたくないという確かな想いだけがあるから
[・・・もしかしたら、逃げてるかもしれない]
「あの島で何かあったのかい?」
[おれは説明するのが上手くないから一言でまとめると自分の素直じゃない気持ちと反抗したい気持ちが合わさって島を出た。って感じだな]
「・・・・」
[少なくともまだ父さんに会いたくない…こうやって自由な旅をしたい
だから"たった数日前"にいたと聞いたアラバスタを出たかったんだ]
「そうか・・」
砂漠を歩き進めながら淡々と答えた言葉を聞いたキャベンがそう短く言った直後、ポンッと彼の手がおれの頭に置かれ、その手に優しく撫でられる
[キャベン?]
「本当ならぼくは君の父上に応じ、彼の元へ届けるべきなのだろうけど‥そうすれば君に嫌われてしまうだろうね」
[だろうな・・]
「ならばぼくが取るべき行動は1つ」
アマネの父上に見つかる事の無いよう全力を尽くす
さっきまでの柔らかい口調とは違い、ハッキリとした言葉を発したキャベンに思わず足を止めて振り返り予想通りに真剣な表情をしていた彼を見る
少し距離を置いてついて来ていた彼の仲間達も(どうしたのか?)と状況が読めずともおれ達の声が聞こえないよう一定の距離を保ったまま立ち止まる
[いいのかキャベン?
自分で言ってたようにおれを父さんの所へ送り届けた方がお前は喜ばれるんだぞ?]
「ぼくがその行動をとればあの人から褒められることは間違いないだろう。けど‥」
[けど?]
ぼくにとって一番優先すべき事は"君の気持ち"だ
「だから、その君が父上に逢いたくないと願うならぼくはその道を選ぶ
そうすれば、ぼくを嫌わないでいてくれるだろう?アマネ☆」
[・・・ああ、そうだな。その通りだ♪]
最後の言葉にはいつもの口調に戻しながらおれに微笑みかけたキャベンに頷き返すとおれは再びナノハナへ足を進める
けどその足はアラバスタを出た時とは違って砂漠の地面をしっかり踏みしめていた
「アマネ‥?」
国王に別れを告げ、街の中へやってくるとキャベンの仲間が誰かと親しげに会話をしていておれ達の姿を見つけると手を振りながら声をかける
「待たせてしまったかと思えばそうでもなかったようで良かったよ
そちらの女性は?」
「商店街に並べられたこの国特有の品を見ていたら声をかけられてからずっと自分達の話を楽しそうに聞いてくれるんスよ」
「オレ達は海賊だと言っても怖がりもしないし、本当に不思議な子ですよ」
本当に不思議そうな表情を浮かべて女性を見るキャベンの仲間達
だが、おれはその理由がわかってるから驚くこともせず、ただ彼女に一言
[彼らはこの国を救ってくれた海賊と同じような人達だったかな?王女様♪]
「ええ!とても面白い話を沢山してくれていい人だわ♪」
「え・・」
「「「王女様ァ!!?」」」
「お前達、一国の王女くらい姿を記憶しておくものだよ」
「アマネさん、お久しぶりです!」
[お前の父さんもそうだが、あまり会っていないのによく覚えてるもんだなぁ]
「だって貴女のいる島は他の島では見られない事だらけだったんですもの
幼かった私には強く印象に残ってますわ」
仲間達の横を過ぎておれの前へと駆けて来た王女様、ネフェルタリ・ビビはずっと浮かべ続けている笑顔を浮かべながら話している
[あの島でお前が見たものは普通の海賊や商人は目にかかる事のない事が殆どだからな
出来るだけ口外はしないでくれな?]
「そうだったの!?気を付けるわ
それとさっき仰ってましたけどお父様に会われたのですね?」
[国に来たからには挨拶は必要だろ?
あの人に墓にある"アレ"も見せて貰えたし満足だ♪]
"アレ"という言葉を聞いてビビはハッと何かを思い出したような顔をして
「あそこ、一度崩れたお話を聞きましたか?」
[聞いたぞ?なのにああやって完璧に直ってるのに驚いた!]
「実はあのお墓と遺跡・・」
"アマネさんのお父様"に直して頂いたのです♪
[Σっ!!?]
ニコッと普通に答えたビビの言葉に俺の身体をビクンと反応し、思わず硬直してしまった
それに一早く気付いたキャベンが「アマネ?」と声をかけてきたけどそれに答える余裕は今のおれには持っていなかった
[父さんが・・来たのか?]
「はい!」
[いつ来たんだ?]
「いつって、つい"数日前"ですよ?」
アマネさんもお父様と一緒にいらしてくださったのでしょ?
とおれを纏う気配が変わった事に気付かず話し続けるビビ。その様子が彼女らしいことは確かだから俺もそれに触れる事はしないが・・・
早くこの国から出たい・・!
[ビビ、もう少し話してやりたいけどおれこれからちょっと用事があるんだ]
「あ!そうとは知らずにペラペラとお話してしまって・・」
[いや、いいんだ。おれもビビと話したかったからな。ごめんな?]
「大丈夫です!また逢える機会があればお話ししましょ♪」
[ああ、色々話そうな]
そう言い残し、おれはぎこちない動きでその場から離れアラバスタを後にした
~~~~~~~~~
「アマネ・・」
そのぎこちない動きでアラバスタを出てからもずっとその歩幅でナノハナへ向かっているおれにキャベンが声をかけた
[・・なんだ?]
「君は、あの方から逃げているのかい?」
[・・・]
おれはその質問にすぐ返答する事は出来なかった
逃げて来たといえばそうとも言えるし、そうとも言えず・・だけど、今父さんに会いたくないという確かな想いだけがあるから
[・・・もしかしたら、逃げてるかもしれない]
「あの島で何かあったのかい?」
[おれは説明するのが上手くないから一言でまとめると自分の素直じゃない気持ちと反抗したい気持ちが合わさって島を出た。って感じだな]
「・・・・」
[少なくともまだ父さんに会いたくない…こうやって自由な旅をしたい
だから"たった数日前"にいたと聞いたアラバスタを出たかったんだ]
「そうか・・」
砂漠を歩き進めながら淡々と答えた言葉を聞いたキャベンがそう短く言った直後、ポンッと彼の手がおれの頭に置かれ、その手に優しく撫でられる
[キャベン?]
「本当ならぼくは君の父上に応じ、彼の元へ届けるべきなのだろうけど‥そうすれば君に嫌われてしまうだろうね」
[だろうな・・]
「ならばぼくが取るべき行動は1つ」
アマネの父上に見つかる事の無いよう全力を尽くす
さっきまでの柔らかい口調とは違い、ハッキリとした言葉を発したキャベンに思わず足を止めて振り返り予想通りに真剣な表情をしていた彼を見る
少し距離を置いてついて来ていた彼の仲間達も(どうしたのか?)と状況が読めずともおれ達の声が聞こえないよう一定の距離を保ったまま立ち止まる
[いいのかキャベン?
自分で言ってたようにおれを父さんの所へ送り届けた方がお前は喜ばれるんだぞ?]
「ぼくがその行動をとればあの人から褒められることは間違いないだろう。けど‥」
[けど?]
ぼくにとって一番優先すべき事は"君の気持ち"だ
「だから、その君が父上に逢いたくないと願うならぼくはその道を選ぶ
そうすれば、ぼくを嫌わないでいてくれるだろう?アマネ☆」
[・・・ああ、そうだな。その通りだ♪]
最後の言葉にはいつもの口調に戻しながらおれに微笑みかけたキャベンに頷き返すとおれは再びナノハナへ足を進める
けどその足はアラバスタを出た時とは違って砂漠の地面をしっかり踏みしめていた