5日目

名前変換

おれの名前は~‥
気ままに放浪する"おれ"系女性

「船長、島に着きました」


「ああ」




無事に島へ着いたロー達
比較的景気のいい島な為、港を避け人気のない場所に錨を降ろして梯子を降ろす




[お~!結構いい感じの気候でおれが選んだ服装に似合う島だな!]


「そうだな、よく似合ってる」




動きやすいような淡い青色のストレートジーンズに落ち葉色のポンチョを着て、どこぞやの民族のような髪飾りを自分の短髪の髪につけたアマネを見て素直に褒めるロー





「行く場所はお前が決めて構わねェ
お前が好きそうな目の前の森を歩くか?」


[確かに惹かれるけどまずは町だ
港がある場所じゃなくていいから商店を見て回ってみたい!]


「ならそうするか」


[イッカク~!行ってくるな?]


「お土産話出来たら聞かせてね~!」






陸に足をつけ、いざ島の中へと歩き始めながら甲板にいるイッカクへ振り返り手を振りながら言うと彼女も元気よく振り返しながら2人を見送った




















~~~~~~~~~~~~~~





[思ったより買っちまった]


「それだけお前好みの物が多かったって事だろ?」




いい事じゃねェか
町に着き、店に並ぶ商品を見て回っているうちに気が付けば色々なものを購入していたアマネがその事に気が付いて声を漏らすが
ローはそれを責める事もなく優しく接する





[まぁな、偶然にもペンギン達にあって持って帰って貰うよう頼んだし]


「そろそろお前が荷物いっぱいにすることを予想したんじゃねェか?」


[ははっ、否定できない!]




そこでアマネはいくつかの方向からの視線を感じて辺りを見渡す




「どうした?」


[いや、大したことじゃないぞ?
ただ"相変わらずだなぁ"と思ってさ]


「・・ああ」




声をかけられて答えた彼女の言葉に疑問が浮かびかかったローだが意味を理解でき、小さな動作で周囲を確認する

その中で見つけた光景はうっとりとした表情で物陰などから自分を見つめる女性達の姿





[まぁローは容姿も性格もいいからな!
女の人達が見るのも無理ない]


「!ほう、お前が認めてくれるのか?」


[・・?ローの事認めなかった時はないぞ?]




ローはいい奴だって同じ船で生活してれば嫌でもわかるさ♪

と笑みを浮かべて言うアマネに「ありがとな」と笑みを返しながら言い、ふとすれ違った男性を横目で見る




その男性は足は進んでる方向へ向いているが、視線はアマネへ真っ直ぐ伸びていた










(お前も、人の事言えないんだがな…)




[ロー、そろそろ森に行ってみたい!]


「なら行くか?」


[ああ!]


「・・・・」





ズイズイと森の方向へ進んでいこうとするアマネのスピードを遅くさせるかのようにローは無言で彼女の手を取り、横に並ぶように歩幅を合わせて歩きだす




[・・・ロー?]


「・・虫除けだ」


[あーなるほどな!
じゃあこうするか?]


「っ!////」





彼女がスルリと握り方を変え、俗にいう恋人繋ぎとなった自分の手を見てローは目を見開き僅かに戸惑うが





[虫除けなんだろ?]


「・・・あァ、そうだな」


[よし、じゃあいくぞ!]





アマネは自分と同じような気持ちで接していないことを不意に再認識したローは表情を元に戻して少し歩くスピードを上げた彼女にまた歩幅を合わせた
















~~~~~~~~~



[う~ん!森は空気がおいしいから好きだ!]


「人気の多い場所じゃ味わえねェしな」




森の奥へ歩き進めながら心地よさそうに声を漏らすアマネとその意見に同意するロー

なお、恋人繋ぎは未だに継続中の様子・・・




[ローはおれがいた島知ってるから判ると思うけど、自然豊かな感じがやっぱり一番大事だと思う]


「確かにあの島は海も山もそれぞれしっかりと色がついてて鮮やかだったな
店の品が豊富だったのもその証拠だろ?」


[まぁな!別の島から来てくれる人を歓迎するには大事にしなきゃいけない所だと思ってる]


「違いな・・どうした?」




何かを感じたのか、急に立ち止まったアマネに数歩遅れて足を止めたローが問いかけると[あそこ・・]と苔むしたとても大きな岩を指さす





(岩・・?)


[なぁロー、あの岩どかせれるか?]


「任せろ」





彼女の願いに短く答え自分の能力を発動させその岩を少し離れた場所へ移動させた

今いる位置から見た所なにも可笑しなところは見当たらない、が・・・





[やっぱり…]


「Σ!?」




近づいてみると岩があった場所には大きな穴が空いていて、そこから顔を覗かせると意外と広い空間のなか、藍色に近い色をした正方形の石がポツンとありながらも存在感をずっしりと漂わせていた




「あれは、まさか・・」


[ローは見たの初めてか?]


「Σアマネは見たことあるのか?」


[書物とかでな?でもああいう状態で見るのは初めてだ]





と答えるアマネの顔は珍しいほど興奮染みた顔をしていて今すぐにでも降りていきそうな勢いだった




「見に行くか?」


[・・いや、もうすぐ日が暮れるから今日はいったん戻るよ]







明日、ローには悪いけどじっくり見たいから1人でここに来るな?

と石を見つめたまま言う彼女にローは頷いた

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