死を記憶する女司書
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マフィアに荒らされてしまった事務所のお片付けを手伝おうとした矢先、江戸川さんから依頼へのお供を仰せつかった。今回は国木田さんの指名によって中島さんが同行するようで、3人で現場へ向かう。
「凛子さんは何時も一緒に行ってるんですか?」
「そうですね、基本は私と探偵社のどなたかが」
あっちへふらふら、こっちへふらふら。気まぐれな猫のように、隙あらば寄り道をしようとする江戸川さんを引き止めながら電車に乗って現場を目指す。着いた頃には中島さんは江戸川さんの奔放さにげんなりしていた。
「中島さん、大丈夫ですか?」
「ええと、はい……凛子さんは毎度此れに付き合ってるんですよね」
「慣れですから」
遠い目をする中島さんに苦笑を漏らすと高圧的な声が掛かった。
「おい探偵社! 遅れてノコノコと三人もやって来て如何する心算だ。おまけに女まで連れて……」
私に胡乱な視線を向ける箕浦さん――安井さんの後任である男性――に、乱歩さんは意地悪な考えが浮かんだように笑う。
「嗚呼、彼女、僕の片腕兼妻 だから」
「はぁ?」
「なっ……乱歩さん!?」
突然の言葉に、箕浦さんだけでなく中島さんまで声を上げた。私も予想しなかったそれに多少は驚いたけれど、江戸川さんの冗談には慣れている。彼のいたずら好きに困りつつ箕浦さんに頭を下げた。
「遅れてしまい申し訳ありません。探偵社社員の江戸川と中島、事務員の金沢です。江戸川さん、おふざけが過ぎますよ」
「なっ……探偵がくだらない嘘を吐くんじゃないぞ!」
「五月蝿いなあ。嘘だとしてもこのくらいの嘘を見抜けないんじゃ、三流もいいところじゃないか」
私の言葉で箕浦さんはでたらめに気づいて怒りを滲ませる。その様子を見て愉快そうに笑っていたと思った江戸川さんは、私に対して面白くないように口を尖らせた。
「にしても詰まんないの。凛子も何で云っちゃうかなあ」
「あまり他人 様をからかってはいけませんよ。もちろん私のことも」
「お前たちは一体此処に何をしに来たんだ! おちょくるのも大概にしろ!」
箕浦さんの怒声もどこ吹く風の江戸川さんは中島さんを引き連れて被害者を見に行く。ヨコハマに飛ばされて以来、そういった類のものを見ることができなくなった私は、少し離れたところで2人を待った。
すると現在の捜査状況を聞いた江戸川さんの挑発とも取れる言葉に、箕浦さんは疎んじるように見下す。しかしそんな苛立った鋭い言葉を遮るように、川に張った網に人が掛かったと声が上がった。その言葉に周囲の雰囲気は緊迫する。
中島さんたちが第二の被害者ではないかと慌てる中、引き揚げられて逆さ吊りにされていたのは見慣れた男性だった。
「凛子さんは何時も一緒に行ってるんですか?」
「そうですね、基本は私と探偵社のどなたかが」
あっちへふらふら、こっちへふらふら。気まぐれな猫のように、隙あらば寄り道をしようとする江戸川さんを引き止めながら電車に乗って現場を目指す。着いた頃には中島さんは江戸川さんの奔放さにげんなりしていた。
「中島さん、大丈夫ですか?」
「ええと、はい……凛子さんは毎度此れに付き合ってるんですよね」
「慣れですから」
遠い目をする中島さんに苦笑を漏らすと高圧的な声が掛かった。
「おい探偵社! 遅れてノコノコと三人もやって来て如何する心算だ。おまけに女まで連れて……」
私に胡乱な視線を向ける箕浦さん――安井さんの後任である男性――に、乱歩さんは意地悪な考えが浮かんだように笑う。
「嗚呼、彼女、僕の片腕兼
「はぁ?」
「なっ……乱歩さん!?」
突然の言葉に、箕浦さんだけでなく中島さんまで声を上げた。私も予想しなかったそれに多少は驚いたけれど、江戸川さんの冗談には慣れている。彼のいたずら好きに困りつつ箕浦さんに頭を下げた。
「遅れてしまい申し訳ありません。探偵社社員の江戸川と中島、事務員の金沢です。江戸川さん、おふざけが過ぎますよ」
「なっ……探偵がくだらない嘘を吐くんじゃないぞ!」
「五月蝿いなあ。嘘だとしてもこのくらいの嘘を見抜けないんじゃ、三流もいいところじゃないか」
私の言葉で箕浦さんはでたらめに気づいて怒りを滲ませる。その様子を見て愉快そうに笑っていたと思った江戸川さんは、私に対して面白くないように口を尖らせた。
「にしても詰まんないの。凛子も何で云っちゃうかなあ」
「あまり
「お前たちは一体此処に何をしに来たんだ! おちょくるのも大概にしろ!」
箕浦さんの怒声もどこ吹く風の江戸川さんは中島さんを引き連れて被害者を見に行く。ヨコハマに飛ばされて以来、そういった類のものを見ることができなくなった私は、少し離れたところで2人を待った。
すると現在の捜査状況を聞いた江戸川さんの挑発とも取れる言葉に、箕浦さんは疎んじるように見下す。しかしそんな苛立った鋭い言葉を遮るように、川に張った網に人が掛かったと声が上がった。その言葉に周囲の雰囲気は緊迫する。
中島さんたちが第二の被害者ではないかと慌てる中、引き揚げられて逆さ吊りにされていたのは見慣れた男性だった。