ひととき
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ひととき
放課後。
教室のある棟の隅の数学準備室で、諸葛亮 は今日も書類やらなんやらを整理していた。
そろそろテストが近いこともあって、その準備で忙しい。
今度のテストは範囲が広く、どの辺りに重点を置こうかなど、試行錯誤を繰り返していた。
と、その時、廊下の方でパタパタと走る音がする。
「また、ですか・・。」
どうやらこちらに向かってくるらしい足音は、準備室の前まで来ると音を止めた。
次の瞬間勢いよく開いたドアの音と共に、 芙蓉の声が室内に響く。
「孔明 せんせー!!!!!!!!」
「・・・・・。」
ついため息を付きたくなったが、そこは沈黙で抑える。
「せんせー・・・・数学教えてください・・・・・・・。」
今にも泣きそうな声を出しながらそう言う 芙蓉に、“やっぱり・・・”という言葉はとりあえず言わないでおく。
「・・・どこがわからないんです?」
「えっと・・・・・・・・・お・・・。」
「お?」
俯いて語尾を濁してしまった芙蓉に、諸葛亮は鸚鵡返しに聞く。
「・・・・・怒らないで下さい。」
「内容によりますね。」
「う・・。」
芙蓉が何を言わんとしているかわかってはいたが、あえて聞く。
「・・・・・。えっと・・・・・・・・・全てにおいて・・・・・・・・。全く持ってわかりません。」
「・・・・・。」
予想通りの答えに、またもやため息を付きたくなる。
この時期――テストの時期になると、芙蓉は必ずこちらへ来る。
芙蓉ははっきり言って数学が壊滅的なほど苦手なのである。
見ている限りでは、授業中も真面目に頑張っているし、努力はしているようなのだが、なかなか結果に出てこない。
「あちらに座って待っていてください。この書類を片付けたら教えますから。」
諸葛亮は、奥にある机と椅子を示した。
「はーい。お願いします。」
芙蓉は諸葛亮が怒らなかったことに少し安堵しながら、示された場所へ向かう。
椅子と机のある場所から、諸葛亮が書類をまとめている姿が見えた。
いつ見ても端正な顔だなと思う。
(黙ってると少し怖いけどね・・・・何考えてるのかわからないとこあるし・・。)
そんなことを思ってみる。
芙蓉は、さらにいろいろと思いを巡らせた。
(いつも思うんだけど、孔明先生ってなんで学校の先生になんてなったんだろう。先生くらいの美形なら、モデルとかの仕事もあったと思うんだけどな。身長も高いし。)
と、ここまで考えてふと思う。
(彼女とかいるのかな?うーん・・・・・いなさそう・・・・。というか、そういうこと自体に興味なさそうだしなぁ。でも、こんな人彼氏にいたらいいだろうなあ・・・。はあ。)
「何を見ているんですか?ため息までついて。私の顔に、何かついていますか?」
「え?」
気が付くと、諸葛亮は芙蓉の座っている席の真向かいに座っていた。
「ぼーっとして、ずっと私の顔を見ていたでしょう?」
・・・ずっと諸葛亮の顔を見ていたらしい。
しかも、こっちに向かってくる間も、ずっと見ていたらしい。
「な、な、なんでもありません!」
思わず力強く否定する芙蓉の顔は、何故だか耳まで赤い。
「そうですか?」
「そ、そうです!それより、数学教えてください!」
芙蓉は勢いよくそう言うと、そそくさと教科書とノートを取り出す。
なんでもないと言ったわりにはそう見えない芙蓉だったが、言っていても仕方がないのでとりあえず本題に戻すことにする。
「確か、全てわからないと言っていましたね。その中で特にわからないところはありますか?」
「えっと・・・・・。」
芙蓉はざっと教科書やノートに目を通す。が、
「・・・・・わかりません・・・・・。」
「仕方がないですね。」
またもやため息をつきたくなるのを抑えて、諸葛亮は教科書を手に取ってしばらくページをめくっていたが、あるページで手を止めた。
「このページの・・・そうですね、問題全て解いてください。」
このページと示された場所は章末問題のページで、全てというと・・・・・
(いつも思うけど・・・・・鬼だ。絶対鬼だ・・・・・。全てって、こんな難しいの20問も・・・・無理だよぅ。)
「どうかしましたか?」
教科書を見つめた後自分の顔を涙目で見ている芙蓉に、諸葛亮はしれっと言う。
「・・・なんでもありません。」
芙蓉は、何を言っても仕方が無いことに気づいて、ノートを開いた。
(はぁ・・・。こうなることわかってて、孔明先生のとこに習いに来る私も私だけどさ。うっ・・・しょっぱなから難しい問題が出てる・・・・・。)
芙蓉は泣きそうになるのをこらえて、渡された問題を解き始めた。
* *
「お・・・・・終わった・・・・・。」
「お疲れ様です。では、解答しましょうか。」
やっとのことで終わった20問。
多分2時間以上はかかっている。
「・・・すぐ、ですか」
芙蓉は少し上目遣いに諸葛亮の顔を覗き込んだ。
正直なところ、少し休みたい。
「・・・・・。」
芙蓉の気持ちに気づいたのか気づいていないのか、諸葛亮はおもむろに席を立ち、
奥のほうへ向かって行ってしまった。
(・・・お・・・怒った?いや・・・・まさかね・・。ど、どうしよう。無言で行くなんて怖いよぅ・・・・・。)
芙蓉が一人で焦っていると、しばらく経って諸葛亮が奥から出てきた。
その手にはマグカップが二つ。
マグカップからは、ふわふわと白い湯気が立っている。
「ハーブティーでよかったですか?」
「え・・・。あ。はい・・・・・。あ、ありがとうございます。」
「少し休みましょう。」
諸葛亮はそう言って椅子に座ると、ティーを飲んだ。
芙蓉も一口飲む。
温かいハーブティーは、ほんのり甘くて疲れを癒してくれる。
芙蓉が一番好きなティーだった。
(はぁ。なんか生き返る~。孔明先生の淹れてくれるハーブティーっておいしいんだよね。・・・・・何でかな?あ、そうだ。他にも色々気になることあるし、聞いてみよ。)
ほくほくと幸せそうにティーを飲んでいた芙蓉は、この際だからと諸葛亮にいろいろ聞いてみることにした。
「先生。」
「なんです?」
「先生って、何で学校の先生になろうと思ったんですか?」
「突然何かと思えば。・・・・・そうですね・・・。特に理由はありませんが・・・“なりたかったから”ですか。子供をからかうのは楽しいですし。」
「え・・・。」
さらりとそう言った諸葛亮に、芙蓉は一瞬固まる。
(からかうって・・・楽しいって・・・・・。)
諸葛亮の言った言葉を頭の中でぐるぐると繰り返している芙蓉を見ながら、諸葛亮は声をおしころしてくっくっと笑っている。
(からかうって・・・楽しいって・・・からかうって・・・・・・・。ってっっ孔明先生が笑ってる・・・・・。はっ。もしかして私からかわれてるんじゃ・・・・・?)
「くっくっ・・・。芙蓉は本当に面白いですね。一番からかいがいがありますよ。」
(や・・・やっぱり・・・・・。)
がくっと肩を落とした芙蓉に、諸葛亮は気を取り直して言った。
「正直なところ、ただ単に教えることに興味があったというのが本当ですね。」
「・・・教えること・・・・ですか。」
「その点において、芙蓉は教えがいがありますよ。解る生徒より、解らない生徒を教えている方が楽しいですから。」
「いいのか悪いのか・・・・。」
芙蓉はぼそっとつぶやいた。
「ついでに言うと、芙蓉は見ていて飽きません。さっきも問題を解きながら百面相していましたし。」
「・・・・・。」
(私が問題解いてる時に、その場から動かないのはそのせいか・・・・・。)
ため息を付きたくなる。
「さて、そろそろ解答しましょうか。」
そんな芙蓉に気づいていないのか、諸葛亮は言う。
「・・・・・はーい・・・・。」
休憩したはずなのに、先より疲れているのは、きっと気のせいだろう・・・。
諸葛亮は最後の一口を飲み干して、芙蓉の教科書を手に取った。
「先生?」
問題を解いたノートを見ようとはせず、いきなり教科書をペラペラとめくり始めた諸葛亮に、芙蓉は不思議に思って聞く。
「あの・・・・解答・・・。」
「ん?・・・ああ。全て間違っていますよ。」
「・・・・。」
(そんなあっさりと・・・・っていうか、いつ見たんだろう?・・・解いてた時に・・とか?って、その時気づいてるなら言ってくれればいいのに・・・・・・・。)
芙蓉がうなだれていると、諸葛亮はあるページで手を止めた。
「この問題を解いてください。さっきの問題よりは10倍も簡単ですから。」
「は・・・・・はい・・・。」
(やっぱり鬼だよぅ・・・・。)
芙蓉は、またもや泣きそうになるのを抑え、問題を解き始めた。
その後も、問題を解いたかと思うと新しい問題を渡され、また解いたと思うと渡され・・・。
簡単な問題じゃなかったら、地獄に行った方がまだましかもしれないと思うほど、何問も何問も渡された。
その間に、日はどんどん暮れていて、冬も間近の空には、もう星が輝きだし、部活生たちが帰る頃になっていた。
「この問題で最後です。」
「ホ・・・ホントですか・・・?」
もう疲れてボロボロになっている芙蓉は、最後の力を振り絞って問題を解いた。
「お・・・・おわったぁ――――――。」
「お疲れ様です。全て正解していますよ。」
「よ・・・よかった・・・・・・。」
(も・・・もうこれ以上は解けないや・・。はぁー疲れた。)
芙蓉は正解していたことに満足そうに笑う。
「さて、もう下校時刻ですから帰りましょう。送りますよ。」
諸葛亮は席を立ち、机を片付け始めた。
「ホントですか!?やった。」
(いつも遅くなると、そう言って送ってくれるんだよね~。)
毎日歩いて通っている芙蓉にとっては、この言葉はいつも嬉しい。
芙蓉は言葉に甘えて送ってもらうことになった。
帰りの車の中、芙蓉はさっき聞きそびれたことを聞いてみることにした。
「先生。」
「また聞きたいことですか?」
「はい。」
「なんです?」
「先生の淹れるハーブティーって、何で美味しいんですか?」
芙蓉は隣で運転をしている諸葛亮の顔を覗き込んで言う。
「何でと言われてもですね・・・。どうしてそんなことを聞くんです?」
諸葛亮は前を見たままそれに答えた。
「う~ん・・・・。なんとなく・・・です。」
「・・・。そんなに美味しいなら、いつでも準備室に来なさい。淹れてあげますから。」
「ほ、ほんとですか!!?ほんとにいいんですか!?」
芙蓉は突然の嬉しい申し出に、思わず身を乗り出して諸葛亮の顔を覗き込む。
「嘘は言いませんよ。ただし、数学の勉強を兼ねてです。」
「う・・・・・・。わ、わかりました!行きます!!」
芙蓉が意気込んで答えた時、一軒の家の前で車が止まった。
「着きましたよ。」
「あ。はい。ありがとうございました。」
芙蓉はお礼を言って車を降りる。
そして家の門を開けようとした時、後ろから声がかかった。
「芙蓉。」
声に振り向くと、車の窓が開いていて、諸葛亮が顔を覗かせている。
「はい?なんですか?」
「言い忘れていましたが、今日最初に解いた章末問題の20問、もう一度解いていて下さい。明日答え合わせをしますから。」
「・・・・・・・・・・。は・・・・はい・・・・・・。」
「では。明日。」
「あ。はい。気をつけて・・。」
(・・・。はあ・・・。今日は眠れないかも・・・・。)
芙蓉は深くため息を付いた。
* *
次の日の放課後。
芙蓉は約束通り、準備室へ向かった。
「せんせー。芙蓉です。」
昨日とは違って、入る前に来たことを報告する。
すると、中から許可の返事が返ってきた。
「問題解いてきました・・・・・・・・・。」
そう言った言葉には、昨日のような覇気は見られない。
「・・・・・。疲れていますね。」
「・・・・・。」
よほど疲れているのか、返事がない。
「やれやれ。・・・そこに座って待っていてください。」
諸葛亮は昨日と同じ場所を示して、奥の方へ行った。
しばらくして、手にマグカップを二つ持って出てきた。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
芙蓉はマグカップを手に取ると一口飲んだ。
(あ・・。やっぱり孔明先生のハーブティーは美味しいや・・。)
なんだかそれだけで幸せになってしまう。
疲れもどこかへ吹き飛んでしまいそうだ。
「昨日解いた問題を見せてください。」
芙蓉の幸せな顔を見て、諸葛亮は本題に移る。
芙蓉は言われるままノートを見せた。
(・・・。間違ってたらどうしよ・・・。って、当たってる方が恐ろしいか・・・。)
そんなことを考えながら、芙蓉は諸葛亮の顔を見ていた。
しばらく経って、諸葛亮がノートから視線を上げる。
「凄いですね。一日でこれだけできればいいですよ。満点です。」
「え・・・・・。」
(えっと・・・・・・・?満点って・・・?)
芙蓉は耳を疑う。
「全て当たっていると言ったんですよ。」
(え・・だって、昨日あんなに間違って・・・いや、全部間違ってたのに・・・?嘘・・・。)
「これでテストは大丈夫ですね。」
諸葛亮は、いまだ信じられないという顔をしている芙蓉に満足そうな笑みを向けた。
その笑顔を見ていると、どうやら本当らしい。
「・・・・よ・・よかったぁ・・・・。」
芙蓉はやっと実感したらしく、ほっと胸をなでおろした。
「さて。今日はそれを飲んだら帰ったほうがいいでしょう。」
「あ・・は、はい。そうします・・。」
芙蓉は素直に返事をして、わずかに残っていたハーブティーを一気に飲み干した。
「じゃあ、私帰ります。ありがとうございました。」
「ああ。待ってください。送って行きますから。」
芙蓉がカップを片付けてそう告げると、諸葛亮は机の上を片付け始めた。
(・・・珍しいな・・・。こんな明るい時間に送ってもらったことなんて無いのに・・・・。あ・・。そういえば・・。昨日聞いてないことがもう一つあったや・・。)
「先生。」
「・・・・・。またですか?なんです?」
だいたい“先生”の一言から始まると、芙蓉の場合は何か聞きたいことがあるときと決まっている。
「えっと・・・・・・・・・・。先生って・・・彼女とかいないんですか・・・・・?」
「・・・・・・・。」
聞いた後、明らかに諸葛亮が固まったのが目に入った。
「い、いえ。ご、ごめんなさい。あの、その、なんとなく気になったので・・・その・・・・。えっと・・・・・。」
芙蓉はなんとなく聞いてはいけなかったような気がして、慌てて謝る。
「別に、謝らなくてもいいですよ。」
そう言った諸葛亮の顔は、さっきとは違ってなにやら笑っている。
(な・・・なんか怖い・・・。やっぱりきかなきゃよかったかも・・・・。)
今更ながら、少し後悔してしまう。
「彼女はいないですね。」
「そ、そうですか。」
「恋愛自体はしていますけれどね。」
「え・・。」
普通に聞いていたらなんとなく通り過ぎそうなくらいあっさりと言った言葉は、聞き捨てならない。
「好いている方くらいはいますよ。それとも、そういう風には見えませんか?」
「・・・いえ・・・そういうわけではありませんけど・・・・・・・・。」
(・・・。好きな人、いたんだ・・・・・・。・・・・・。どんな人だろう・・・・・・・。)
芙蓉は少し胸が苦しくなるのを感じた。
しばらくの間、沈黙が辺りを支配する。
(どうしよう・・・なんか空気が妙に重たい・・・・。何か言ったほうがいいかな・・・・。)
芙蓉はしばらく考えた後、思い切って好きな人について聞いてみることにした。
「先生・・・。あの・・・。」
「なんですか?」
「えっと・・・・・・。その・・・・。」
しかし、いざ口を開いたのはいいが、聞いていいのかどうか悩んでしまってなかなか言葉に出てこない。
「あの・・・えっと・・・・・・・。その・・。」
「・・・。」
諸葛亮は無言のまま芙蓉を見ている。
「あの・・・・・。先生の好きな方って、どんな方なのかな・・。って思って・・・・その・・・・・・・・。」
あまりにも諸葛亮が無言のままなせいで、しなくてもいい緊張をしてしまう。
すると、しばらくして諸葛亮が口を開いた。
「数学が苦手で頑張り屋で、からかいがいのある見ていて飽きないハーブティーの好きな女の子ですよ。」
そう言った諸葛亮の顔は優しくて、芙蓉は言葉に詰まってしまった。
「そ、そうですか・・・。」
芙蓉は俯いてやっとのことでそう言った。
しかし、そう言ったあと、また黙り込んでしまった空気に耐えられなくなった芙蓉は、慌てて再び口を開いた。
「な、なんか少し私と似てますね。数学が苦手なところとか、ハーブティーが好きなところとか。その・・・・」
「それはそうでしょうね。芙蓉のことですから。」
芙蓉の最後の言葉にかぶせるように、諸葛亮はさらっと言った。
「え・・・。」
(今なんて・・・・・。)
「芙蓉のことですよ。」
「え・・・・ぇえっと・・・・・・。」
諸葛亮の言葉を理解した芙蓉は、みるみる自分の顔が赤くなるのを感じる。
「さっき言ったのは芙蓉のことですから。」
諸葛亮は、芙蓉の顔を見てもう一度言う。
「は、はい・・。」
諸葛亮の真剣な顔に、芙蓉は思わず俯いてしまった。
「・・・・・。」
(ど、どうしよう・・。なんて言ったらいいんだろう・・・・。先生のこと・・・私・・・・・・・。うう・・・どうしよう・・・。)
しばらくの間、教室は再び沈黙に包まれる。
それを先に破ったのは諸葛亮だった。
「・・・すみません。困らせてしまうつもりはなかったのですが・・・・。」
「・・・・。い、いいえ・・・・・・。その・・・・・・あの・・・・・。ごめんなさい・・・。」
芙蓉は下を向いたまま言った。
(・・・。わかりにくい言い方をしますね、この子は。アレでは何に謝っているのかわかりにくいですよ・・・・・。ここは一つ、探りを入れてみますか・・・。)
諸葛亮はいつまで経っても俯いたまま悩んでいる芙蓉に、賭けにでた。
「かまいませんよ。芙蓉にとって、私は“先生”なのでしょう・・。本当にすみません。忘れてください。」
明らかに悲しそうに笑って見せる。
「え・・・。」
芙蓉は諸葛亮の言葉にぱっと顔を上げた。 「先生・・・。あの・・・・・・。」 (もしかして、断ったと思われた・・?ど、どうしよう。違うのに・・。) 「いいんです。気にしないでください。わかっていますから。」 芙蓉はその言葉に涙目になる。そして慌てて言った。 「・・・ち・・・違います。私、先生のこと好きです・・・・。だから・・・。」 最後の方は、もう涙がこぼれてきて止まらない。 (・・・。やりすぎてしまいましたか・・・。) 諸葛亮は、思わず泣いてしまった芙蓉の肩を優しく抱いた。 「せ・・・先生っ。あの・・。」 「すみません。泣かせるつもりはなかったのですが・・・。」 諸葛亮は芙蓉を抱く手に少し力を込める。 「芙蓉・・。私の側にいてくれますか?」 「はい・・・・。」 はてさて、この後どうなったのやら・・・?
END.
この話にはおまけがあります。
見てやろうという心優しい方は、そちらの方もどうぞ。
→おまけ
芙蓉は諸葛亮の言葉にぱっと顔を上げた。 「先生・・・。あの・・・・・・。」 (もしかして、断ったと思われた・・?ど、どうしよう。違うのに・・。) 「いいんです。気にしないでください。わかっていますから。」 芙蓉はその言葉に涙目になる。そして慌てて言った。 「・・・ち・・・違います。私、先生のこと好きです・・・・。だから・・・。」 最後の方は、もう涙がこぼれてきて止まらない。 (・・・。やりすぎてしまいましたか・・・。) 諸葛亮は、思わず泣いてしまった芙蓉の肩を優しく抱いた。 「せ・・・先生っ。あの・・。」 「すみません。泣かせるつもりはなかったのですが・・・。」 諸葛亮は芙蓉を抱く手に少し力を込める。 「芙蓉・・。私の側にいてくれますか?」 「はい・・・・。」 はてさて、この後どうなったのやら・・・?
END.
この話にはおまけがあります。
見てやろうという心優しい方は、そちらの方もどうぞ。
→おまけ
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