悪役令嬢は恋を知らない
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「なー、椎名。そろそろ血気術は解けたかー?」
「冬吾お兄様、私は血気術にかかっておりません」
もう何度目のやりとりだろうか。二番目の兄の台詞に私は同じ台詞を返した。血気術に何ヶ月もかかり続ける訳が無いのに尋ねるのをやめないと言うことは最早挨拶の一つになってる?
「そろそろその問いかけは止めて頂けません?」
「いや、お前の様子を見るに余程質の悪い血気術にかかったとしか思えないし」
……普通に血気術を疑われていた。確かに前世を思い出してからは性格変わったかも知れないけど、今更前のように振る舞うなんて絶対無理!どうか慣れて下さい。
「前よりずっと改善されたと思いませんこと?お兄様だって嫁の貰い手がなくなると良く仰られていたでしょ?」
「いやそれはただの軽口であって……だいたいお前には杏寿郎がいるんだから嫁入りなんて心配する必要無いだろ」
「どうしてそこに煉獄さんが?煉獄さんはただの幼馴染ですわ。あっ、まさかお兄様!煉獄さんに何かおかしな事を言ったの!?」
だから煉獄さんがやたらと私を心配してあれこれ世話を焼いてくるのね!
「お兄様!煉獄さんに余計な事を言わないで下さる?煉獄さんは優しいし生真面目だからそう言うの真に受けてしまうのよ!お手を煩わせてしまうじゃ無いの!」
「…………は?え?お前真面目に言ってる?」
「当たり前じゃ無い!」
今に煉獄さんには可愛くて強くて癒し系の傍にいるだけで活力が湧いてくるような素敵なヒロインちゃんが現れるのだから私なんかはお呼びじゃ無いのだ!
「本気で?本当に?え?だってお前ついこないだまで杏寿郎の身の回りに女がいるのは気に入らないって感じだっただろ?それが年増でも猫でも女は駄目みたいな」
「ちょっと!見境なく人を攻撃するような犯罪者みたいに言うの止めてくださる?それに前にも言ったけれど心を入れ替えたの!」
もうあのストーカー日記を書いていた私はいないのよ!私の台詞にお兄様は神妙な顔になった。
「いや、だってお前……ほら!約束してたろ?」
約束?あぁ!あの子供の頃の他愛も無い口約束ね!『お嫁さんになってね』『うん、いいよ』ってやつ。あんなの大人になってまで有効な訳ないでしょ!
「あのねぇお兄様。いつまでもそんな事に縛られている訳が無いでしょ?もう!とにかく煉獄さんにこれ以上変な事は絶対に言わないでね!!」
フイとそっぽを向くと私はお兄様に背を向けて歩き出した。
「やべぇ……血気術じゃなくて病気を心配するべきか?」
後日、病院を三件梯子させられてブチ切れた私は冬吾お兄様と一週間口を聞かないことにした。
「冬吾お兄様、私は血気術にかかっておりません」
もう何度目のやりとりだろうか。二番目の兄の台詞に私は同じ台詞を返した。血気術に何ヶ月もかかり続ける訳が無いのに尋ねるのをやめないと言うことは最早挨拶の一つになってる?
「そろそろその問いかけは止めて頂けません?」
「いや、お前の様子を見るに余程質の悪い血気術にかかったとしか思えないし」
……普通に血気術を疑われていた。確かに前世を思い出してからは性格変わったかも知れないけど、今更前のように振る舞うなんて絶対無理!どうか慣れて下さい。
「前よりずっと改善されたと思いませんこと?お兄様だって嫁の貰い手がなくなると良く仰られていたでしょ?」
「いやそれはただの軽口であって……だいたいお前には杏寿郎がいるんだから嫁入りなんて心配する必要無いだろ」
「どうしてそこに煉獄さんが?煉獄さんはただの幼馴染ですわ。あっ、まさかお兄様!煉獄さんに何かおかしな事を言ったの!?」
だから煉獄さんがやたらと私を心配してあれこれ世話を焼いてくるのね!
「お兄様!煉獄さんに余計な事を言わないで下さる?煉獄さんは優しいし生真面目だからそう言うの真に受けてしまうのよ!お手を煩わせてしまうじゃ無いの!」
「…………は?え?お前真面目に言ってる?」
「当たり前じゃ無い!」
今に煉獄さんには可愛くて強くて癒し系の傍にいるだけで活力が湧いてくるような素敵なヒロインちゃんが現れるのだから私なんかはお呼びじゃ無いのだ!
「本気で?本当に?え?だってお前ついこないだまで杏寿郎の身の回りに女がいるのは気に入らないって感じだっただろ?それが年増でも猫でも女は駄目みたいな」
「ちょっと!見境なく人を攻撃するような犯罪者みたいに言うの止めてくださる?それに前にも言ったけれど心を入れ替えたの!」
もうあのストーカー日記を書いていた私はいないのよ!私の台詞にお兄様は神妙な顔になった。
「いや、だってお前……ほら!約束してたろ?」
約束?あぁ!あの子供の頃の他愛も無い口約束ね!『お嫁さんになってね』『うん、いいよ』ってやつ。あんなの大人になってまで有効な訳ないでしょ!
「あのねぇお兄様。いつまでもそんな事に縛られている訳が無いでしょ?もう!とにかく煉獄さんにこれ以上変な事は絶対に言わないでね!!」
フイとそっぽを向くと私はお兄様に背を向けて歩き出した。
「やべぇ……血気術じゃなくて病気を心配するべきか?」
後日、病院を三件梯子させられてブチ切れた私は冬吾お兄様と一週間口を聞かないことにした。