悪役令嬢は恋を知らない
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「鬼狩りぃ!女の分際でぇぇっ!!」
「っ!」
素早い鬼の爪から逃れて私は距離を取った。血気術を使う鬼では無いけれどすばしっこくて中々捉えられない。
(それにしても女の分際でって失礼ね!)
じゃあ女の鬼にも同じことを言えるのかしら!自分達のことは棚上げだわ!
「死ねぇぇっ!」
「!」
大きく振りかぶった鬼が襲いかかってくる。嫌だわ、隙だらけじゃない。
ーー雪の呼吸 肆ノ型 細雪(ささめゆき)ーー
ーー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ーー
私の日輪刀が鬼の首に届く一瞬前、目にも鮮やかな炎が翻り鬼の首が弾け飛んだ。暗さに慣れていた目がチカチカする!もう!何なの!?
「危ない所だったな!椎名!」
「え……煉獄さん?」
体の崩れていく鬼の側に立っていたのは煉獄さんだった。どうしてここに?え?だって煉獄さんは愼寿郎さんが放り出したままの炎柱の巡回範囲内の任務を受けているでしょう?
(まさか……)
私は何故か背中がざわりとした。蜜璃さんから私の任務のことを聞いて追ってきた?どうして?私はそんなに頼りない?
(蜜璃さんには一緒に頑張ろうって背中を預ける癖に)
「椎名?どこか怪我でも……」
煉獄さんの差し出した手を私は打ち払った。違う。私にそんな事をして欲しいわけじゃない。
「これは私の任務です。危なかったですって?つまり貴方は私の力がその程度だと言いたいの?」
怒りに口調が記憶を取り戻す前に戻ってしまう。ヒヤリとした冷たい声に煉獄さんが固まったのが分かった。
「そうね、その通りね。貴方に比べれば私の力なんて微々たるものでしょう。けれどだからと言ってこんな風に侮られたくなんてないの」
「侮ってなど!」
「では憐れんでいるのかしら?どちらも結構よ」
「椎名!」
煉獄さんの嗜めるような声に私はその顔を睨みつけた。どうせヒロインちゃんが現れれば彼女に夢中になるくせに、私にこんなふうに気を回さないで。貴方に幸せになって欲しいけど、私が同情されるのは話が別だわ。
「私は強くなりたいの。その為にもっと実戦を積んでいくつもりよ。もし貴方がその度に今回のような邪魔をする気なら軽蔑するわ」
無限列車で煉獄さんを守れるぐらいに……は難しくとも貴方の横で猗窩座と対峙出来るぐらいにはならなくちゃ。煉獄さんは少し肩を落とすと頭を下げた。
「すまん!君が任務に向かったと甘露寺から聞いて様子を見にきただけだったのだがつい手が出てしまった!君を傷付ける気は毛頭無かった!!」
「……私も言い過ぎました。ごめんなさい」
煉獄さんに頭を下げられて思考が冷えた。推しに謝らせてどうするのよ!私の馬鹿!!
「私はこれで失礼します」
私が勝手にやっている事で煉獄さんを謝らせるなんて罪悪感が凄い。私は逃げるようにその場を後にするのだった。
「っ!」
素早い鬼の爪から逃れて私は距離を取った。血気術を使う鬼では無いけれどすばしっこくて中々捉えられない。
(それにしても女の分際でって失礼ね!)
じゃあ女の鬼にも同じことを言えるのかしら!自分達のことは棚上げだわ!
「死ねぇぇっ!」
「!」
大きく振りかぶった鬼が襲いかかってくる。嫌だわ、隙だらけじゃない。
ーー雪の呼吸 肆ノ型 細雪(ささめゆき)ーー
ーー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ーー
私の日輪刀が鬼の首に届く一瞬前、目にも鮮やかな炎が翻り鬼の首が弾け飛んだ。暗さに慣れていた目がチカチカする!もう!何なの!?
「危ない所だったな!椎名!」
「え……煉獄さん?」
体の崩れていく鬼の側に立っていたのは煉獄さんだった。どうしてここに?え?だって煉獄さんは愼寿郎さんが放り出したままの炎柱の巡回範囲内の任務を受けているでしょう?
(まさか……)
私は何故か背中がざわりとした。蜜璃さんから私の任務のことを聞いて追ってきた?どうして?私はそんなに頼りない?
(蜜璃さんには一緒に頑張ろうって背中を預ける癖に)
「椎名?どこか怪我でも……」
煉獄さんの差し出した手を私は打ち払った。違う。私にそんな事をして欲しいわけじゃない。
「これは私の任務です。危なかったですって?つまり貴方は私の力がその程度だと言いたいの?」
怒りに口調が記憶を取り戻す前に戻ってしまう。ヒヤリとした冷たい声に煉獄さんが固まったのが分かった。
「そうね、その通りね。貴方に比べれば私の力なんて微々たるものでしょう。けれどだからと言ってこんな風に侮られたくなんてないの」
「侮ってなど!」
「では憐れんでいるのかしら?どちらも結構よ」
「椎名!」
煉獄さんの嗜めるような声に私はその顔を睨みつけた。どうせヒロインちゃんが現れれば彼女に夢中になるくせに、私にこんなふうに気を回さないで。貴方に幸せになって欲しいけど、私が同情されるのは話が別だわ。
「私は強くなりたいの。その為にもっと実戦を積んでいくつもりよ。もし貴方がその度に今回のような邪魔をする気なら軽蔑するわ」
無限列車で煉獄さんを守れるぐらいに……は難しくとも貴方の横で猗窩座と対峙出来るぐらいにはならなくちゃ。煉獄さんは少し肩を落とすと頭を下げた。
「すまん!君が任務に向かったと甘露寺から聞いて様子を見にきただけだったのだがつい手が出てしまった!君を傷付ける気は毛頭無かった!!」
「……私も言い過ぎました。ごめんなさい」
煉獄さんに頭を下げられて思考が冷えた。推しに謝らせてどうするのよ!私の馬鹿!!
「私はこれで失礼します」
私が勝手にやっている事で煉獄さんを謝らせるなんて罪悪感が凄い。私は逃げるようにその場を後にするのだった。