悪役令嬢は恋を知らない
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「良い情報が得られた!ありがとう椎名!」
「それは宜しゅうございました」
藤の家に戻り着替えた煉獄さんにお礼を言われたが、私は無愛想な返事しか出来なかった。だって!あん、あんな恥ずかしい事……っ!どんな顔したら良いのよ!!それに……。
「どうした?椎名!」
顔を覗き込んでくる煉獄さんにキッとした表情を返す。
「私と煉獄さんはただの幼馴染です!いくら任務とは言えあんな……あんな返し方しなくても良かったでしょう!?誰かに変な誤解をされて困るのは煉獄さんなんですのよ!」
もしそんな事になってその変な噂がヒロインちゃんの耳に入りでもして、それでヒロインちゃんとの仲が拗れたら!!そんな恐ろしい事にはなって欲しくない!煉獄さんとヒロインちゃんには是非ともあの燃えるような恋をしていただいて、その上で無限列車を生き残りこの世界で幸せになってもらいたい!!
その為に頑張ってるのにぃぃぃっ!
「椎名」
キィィ!となっている私の手を煉獄さんが突然掴んだ。低い声で名を呼ばれ思考が停止する。
「何故そんな呼び方をする」
「は?え……なに」
な、なんで煉獄さんがそんな怒った顔をしてるんですか!怒ってるのはこっちですよ!?幼馴染相手にあの軽口はアウトでしょ!
「君はいつから俺を煉獄などと他人行儀な呼び方をするようになった」
「そ、れは……」
前世を思い出したからとか言えないから!返事に詰まった私の手を引くとズイと距離を詰めてくる。近い近い!!
「れ、煉獄さ……」
「杏寿郎だろう?」
ヒィィッ!頬に手を添えないで!囁かないで!何ですか!?この色気の塊は!?!?アワアワする私に構わず煉獄さんは更に言い募る。
「それにどうして敬語なんだ。これまで一度もそんな口の聞き方をした事はないだろう」
「こ、こ、こ……これはっ!もうお互い良い年なので線引きは大事ですわ!!」
煉獄さんの色気に当てられてキャパを超えた私は、頬に添えられた手をはたき落とすと鼻先に指をビシッと突きつけた。
「良いですか!煉獄さんは煉獄家の立派な跡取りなのですよ!?そんな立派な煉獄さんには今に芯が強くて、優しくて、そこに居るだけで気持ちが温かくなるような凄く素敵な女性が現れるのですから私の事なんてどうぞお構いなく!!」
「……ほう?」
「先ほども言申し上げましたが私はただの幼馴染!煉獄さんの未来の奥様との恋路を邪魔する気はこれっぽっちもありませんからご安心下さい!私は私で適当な相手を見つけてどこか遠くにでも嫁ぎますから、煉獄さんは今は任務に!将来は奥様にお心を砕いてくださいまし!」
すくっと立ち上がると部屋を出る為障子を開ける。何故か呆然としている煉獄さんを振り返った。
「情報収集はこれでお終いですよね!?お疲れ様でございました!討伐の任務にお声がかりありましたら、その時はまた宜しくお願いいたしますわ!!」
煉獄さんの返事を待たずにそのまま藤の家を後にする。今日の煉獄さんは心臓に悪い!私の事なんか放っておけば良いのに優しすぎ!!
「そうだわ!」
私がぼっちだから煉獄さんが心配して構ってくるのかもしれない。ここは一つ他の隊士との関係を本格的に改善して、私はもう大丈夫だと思ってもらえるようにしよう!
(強くなるの次は友達を増やすよ!)
新たに増えたミッションに私は強く拳を天に掲げた。
「それは宜しゅうございました」
藤の家に戻り着替えた煉獄さんにお礼を言われたが、私は無愛想な返事しか出来なかった。だって!あん、あんな恥ずかしい事……っ!どんな顔したら良いのよ!!それに……。
「どうした?椎名!」
顔を覗き込んでくる煉獄さんにキッとした表情を返す。
「私と煉獄さんはただの幼馴染です!いくら任務とは言えあんな……あんな返し方しなくても良かったでしょう!?誰かに変な誤解をされて困るのは煉獄さんなんですのよ!」
もしそんな事になってその変な噂がヒロインちゃんの耳に入りでもして、それでヒロインちゃんとの仲が拗れたら!!そんな恐ろしい事にはなって欲しくない!煉獄さんとヒロインちゃんには是非ともあの燃えるような恋をしていただいて、その上で無限列車を生き残りこの世界で幸せになってもらいたい!!
その為に頑張ってるのにぃぃぃっ!
「椎名」
キィィ!となっている私の手を煉獄さんが突然掴んだ。低い声で名を呼ばれ思考が停止する。
「何故そんな呼び方をする」
「は?え……なに」
な、なんで煉獄さんがそんな怒った顔をしてるんですか!怒ってるのはこっちですよ!?幼馴染相手にあの軽口はアウトでしょ!
「君はいつから俺を煉獄などと他人行儀な呼び方をするようになった」
「そ、れは……」
前世を思い出したからとか言えないから!返事に詰まった私の手を引くとズイと距離を詰めてくる。近い近い!!
「れ、煉獄さ……」
「杏寿郎だろう?」
ヒィィッ!頬に手を添えないで!囁かないで!何ですか!?この色気の塊は!?!?アワアワする私に構わず煉獄さんは更に言い募る。
「それにどうして敬語なんだ。これまで一度もそんな口の聞き方をした事はないだろう」
「こ、こ、こ……これはっ!もうお互い良い年なので線引きは大事ですわ!!」
煉獄さんの色気に当てられてキャパを超えた私は、頬に添えられた手をはたき落とすと鼻先に指をビシッと突きつけた。
「良いですか!煉獄さんは煉獄家の立派な跡取りなのですよ!?そんな立派な煉獄さんには今に芯が強くて、優しくて、そこに居るだけで気持ちが温かくなるような凄く素敵な女性が現れるのですから私の事なんてどうぞお構いなく!!」
「……ほう?」
「先ほども言申し上げましたが私はただの幼馴染!煉獄さんの未来の奥様との恋路を邪魔する気はこれっぽっちもありませんからご安心下さい!私は私で適当な相手を見つけてどこか遠くにでも嫁ぎますから、煉獄さんは今は任務に!将来は奥様にお心を砕いてくださいまし!」
すくっと立ち上がると部屋を出る為障子を開ける。何故か呆然としている煉獄さんを振り返った。
「情報収集はこれでお終いですよね!?お疲れ様でございました!討伐の任務にお声がかりありましたら、その時はまた宜しくお願いいたしますわ!!」
煉獄さんの返事を待たずにそのまま藤の家を後にする。今日の煉獄さんは心臓に悪い!私の事なんか放っておけば良いのに優しすぎ!!
「そうだわ!」
私がぼっちだから煉獄さんが心配して構ってくるのかもしれない。ここは一つ他の隊士との関係を本格的に改善して、私はもう大丈夫だと思ってもらえるようにしよう!
(強くなるの次は友達を増やすよ!)
新たに増えたミッションに私は強く拳を天に掲げた。