悪役令嬢は恋を知らない
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「命令違反をした隊士もいたそうだな。その馬鹿な隊士を育てた育手はどいつだ!」
知りませんよ、そんな事。
「ひぃぃっ!すいませんっ!!」
村田さんが育てたんじゃないのに謝ってどうするんですか。
「ったく!最近の隊士は質が落ちた!!十二鬼月でさえ無い鬼にどれだけやられてんだよ!」
那田蜘蛛山の任務の後、私は村田さんと共に柱合会議に呼び出されていた。仔細報告だけのはずなのに八つ当たりの的にされている気分だ。実際そうなのかも。
「それで、繭玉で溶けて死んだのは十四人で間違いないか!」
淡々と事実確認をしてくる煉獄さんに頷いて見せる。
「糸に操られて同仕打ちをしたのが九人です」
「そ、それから蜘蛛にされた者が十人」
「何人かは復帰できるだろうが三十人ほどの死者が出たのだな」
岩柱様が数珠を持った手を合わせる。本当に酷い任務だった。浮かれて行った自分が恥ずかしいわ。でもお陰で炭治郎君達と知り合いになれた。この後、蝶屋敷にお見舞いにも行こうと思う。でもその前に。
「っ!何だ!?」
音柱様が障子戸を勢いよく開け放った。次の瞬間、暗い庭が明るい光で照らされ上空から人が落ちてくる。
(来た……ヒロインちゃん!)
本の通り肩までの茶髪に学生服を着てカバンにローファー……って待って待って!結構な勢いで落ちてきてない!?
「お、落ちるっ!?」
村田さんの引き攣った声に動いたのは……えっ!?風柱様!?ひとっ飛びに跳躍するとヒロインちゃんを受け止め危なげなく着地する。
(どうして……)
ここでヒロインちゃんを受け止めるのは煉獄さんの役割の筈。チラリと煉獄さんを盗み見ると警戒はしているものの膝立ちのまま動く気配は微塵もなかった。
「おい、紗雪」
「は、はいっ!」
風柱様に呼ばれて慌てて立ち上がるとそばに行く。ヒロインちゃんは気を失っていてグッタリとしていた。そうよね、あんな高いところから落ちてきたんだもの。大丈夫かしら?
「奥座敷に布団を敷いて目を覚ますまで面倒見てやれぇ」
「承知致しました」
ヒロインちゃんを受け取ろうと手を伸ばすけれど風柱様は離そうとしない。あれあれ?何でこうなってるのかな?
「風柱様?」
「椎名一人で運ぶのは大変だろう!俺が手伝おう!!」
そう!そうそう!!そこは煉獄さんが出てきてくれなくちゃ!お話通りに進みそうな展開に私は目を輝かせた。が……。
「いや、ついでだぁ。このまま俺が運ぶ」
言うなりさっさと奥座敷に向かってしまう風柱様。あぁ、待って!布団敷かなくちゃ!!
布団を敷いて行灯を少し離した場所に用意するとヒロインちゃんを寝かせるのを手伝う。少しでも寝苦しくないようブレザーを脱がせて衣服を少しだけ緩めると鞄や身に付けていたものはすぐ目の届く所に置いておく。
目を覚ました時に少しでも不安のないようにしてあげたい。
「……目を覚ましたら知らせろぉ」
風柱様はしばらく様子を見ていたけれど、ヒロインちゃんが目を覚ます様子が無かったので柱合会議に戻って行った。
「…………」
とうとう始まったキミコイ。出だしは躓いた感じだけどこれからよね!私は枕元に座りながらグッと拳を握りしめた。
知りませんよ、そんな事。
「ひぃぃっ!すいませんっ!!」
村田さんが育てたんじゃないのに謝ってどうするんですか。
「ったく!最近の隊士は質が落ちた!!十二鬼月でさえ無い鬼にどれだけやられてんだよ!」
那田蜘蛛山の任務の後、私は村田さんと共に柱合会議に呼び出されていた。仔細報告だけのはずなのに八つ当たりの的にされている気分だ。実際そうなのかも。
「それで、繭玉で溶けて死んだのは十四人で間違いないか!」
淡々と事実確認をしてくる煉獄さんに頷いて見せる。
「糸に操られて同仕打ちをしたのが九人です」
「そ、それから蜘蛛にされた者が十人」
「何人かは復帰できるだろうが三十人ほどの死者が出たのだな」
岩柱様が数珠を持った手を合わせる。本当に酷い任務だった。浮かれて行った自分が恥ずかしいわ。でもお陰で炭治郎君達と知り合いになれた。この後、蝶屋敷にお見舞いにも行こうと思う。でもその前に。
「っ!何だ!?」
音柱様が障子戸を勢いよく開け放った。次の瞬間、暗い庭が明るい光で照らされ上空から人が落ちてくる。
(来た……ヒロインちゃん!)
本の通り肩までの茶髪に学生服を着てカバンにローファー……って待って待って!結構な勢いで落ちてきてない!?
「お、落ちるっ!?」
村田さんの引き攣った声に動いたのは……えっ!?風柱様!?ひとっ飛びに跳躍するとヒロインちゃんを受け止め危なげなく着地する。
(どうして……)
ここでヒロインちゃんを受け止めるのは煉獄さんの役割の筈。チラリと煉獄さんを盗み見ると警戒はしているものの膝立ちのまま動く気配は微塵もなかった。
「おい、紗雪」
「は、はいっ!」
風柱様に呼ばれて慌てて立ち上がるとそばに行く。ヒロインちゃんは気を失っていてグッタリとしていた。そうよね、あんな高いところから落ちてきたんだもの。大丈夫かしら?
「奥座敷に布団を敷いて目を覚ますまで面倒見てやれぇ」
「承知致しました」
ヒロインちゃんを受け取ろうと手を伸ばすけれど風柱様は離そうとしない。あれあれ?何でこうなってるのかな?
「風柱様?」
「椎名一人で運ぶのは大変だろう!俺が手伝おう!!」
そう!そうそう!!そこは煉獄さんが出てきてくれなくちゃ!お話通りに進みそうな展開に私は目を輝かせた。が……。
「いや、ついでだぁ。このまま俺が運ぶ」
言うなりさっさと奥座敷に向かってしまう風柱様。あぁ、待って!布団敷かなくちゃ!!
布団を敷いて行灯を少し離した場所に用意するとヒロインちゃんを寝かせるのを手伝う。少しでも寝苦しくないようブレザーを脱がせて衣服を少しだけ緩めると鞄や身に付けていたものはすぐ目の届く所に置いておく。
目を覚ました時に少しでも不安のないようにしてあげたい。
「……目を覚ましたら知らせろぉ」
風柱様はしばらく様子を見ていたけれど、ヒロインちゃんが目を覚ます様子が無かったので柱合会議に戻って行った。
「…………」
とうとう始まったキミコイ。出だしは躓いた感じだけどこれからよね!私は枕元に座りながらグッと拳を握りしめた。