悪役令嬢は恋を知らない
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「椎名、君は……何を言って回ってるんだ!?」
蜜璃さんや他の隊士に会う度に煉獄さんとの結婚の話を否定して周り、ばったり会った村田さんにも私と煉獄さんはただの幼馴染と言う話をしていたら腕をがっちりと掴まれた。
振り返れば煉獄さんが慌てた顔で尋ねてくる。何って……あぁ!もう煉獄さんの所にまで話が聞こえて行ったのね!?話が早くて助かるわ!
「大丈夫です煉獄さん!みんなの誤解は必ず解きますから!」
「まず君が誤解しているとしか思えん」
「心配には及びませんわ!事実をありのままお伝えしているだけですから!!」
「その君の事実認識が歪んでいる気がするのだが!?」
煉獄さんからの信用がないのは悲しいけれどこれまでの私の言動を思えば致し方ないと思う。私は煉獄さんが少しでも安心できるようにニッコリと微笑んでみせた。
「大丈夫です!私が皆さんにお伝えしているのは『私と煉獄さんはただの幼馴染』なので『結婚はしない』の2点だけですもの。これ以上の誤解が生まれる余地はありませんわ!」
「すでに誤解だらけだ」
煉獄さんは頭を抱えてしまった。何故かしら、いい方法だと思ったんだけど……もしかして否定すればするほど信憑性が増すって言うやつかしら?そんな!どうしましょう!!
「ごめんなさい煉獄さん!ちゃんと誤解されないよう行動でも示しますから安心してください!!」
「頼むから君は何もしないでくれ」
煉獄さんは大きなため息をつくと私の手を握った。唖然としている村田さんをチラリと見る。
「彼女から聞いた話は他言無用だ」
「は、はいっ!勿論です!!失礼しますっ!」
腰を90度に折ってお辞儀すると脱兎の如く走っていく。村田さんも忙しかったのね。お時間頂いて悪いことしてしまったわ。
「椎名、少し話したいことがある」
えー?煉獄さんと物理的にも距離を置いて話に信憑性を持たせたいんだけどな。でもしっかりと私の手を握ったままの煉獄さんは離してくれなさそう。止むを得ず頷くとそのまま茶屋に連れて行かれた。
縁台に並んで座るとお茶とお団子を煉獄さんが注文する。お金は後でお支払いしよう。
「…………」
「…………」
話があるんじゃ無かったのかな?いつまでも黙ったままの煉獄さんを不思議に思って隣を見ると、すごく難しい顔をしていた。何かしら?そんな深刻な話?
「……君は…………遠方に嫁ぐとかなんとか、聞いたんだが」
「あぁ、その話ですか」
なんだ、凄く怖い顔をしているから何事かと思ったらそんな事。私があっけらかんと頷いたら煉獄さんが慌てたように腕を掴んできた。
「決まった話なのか!?」
「!?い、いいえ?ただ私がいずれはそうしようと思ってると言うだけです」
自分の恋人の近くに幼馴染の女がいるなんて私だったら嫌だ。ヒロインちゃんは心の広い子だけどいらない不安は抱かせたくない。
「そうか!そうなんだな!?」
「えぇ……」
念を押されて戸惑いが半端ない。煉獄さんって知り合いが遠くに行くのは嫌なタイプなのかしら。
「そもそもこれまでの評判が宜しくありませんからお話が来るかどうかも分かりませんし、まだまだ鬼殺隊を離れるつもりはありませんから」
そう、煉獄さんを守る為にまだ鬼殺隊を止めるわけには行かない。あれ?最終決戦まで数年よね?なら最後までいた方が良い気がする。それまでに私が死ななければ、だけれど。
「そう言えば乙に階級が上がったそうだな!目覚ましい成長は喜ばしいが無理をして体を壊しては元も子もないぞ!」
「無理は……では煉獄さんも無理はしてないですか?強い鬼と対峙した時、無理はしないのですか?」
「それは無理だな!」
ですよね。まぁ、鬼殺隊士は皆んなそうなんだろうけど無理をしてでも能力の底上げをしないといざと言う時何も出来ないもの。苦笑する私に煉獄さんはバツの悪そうな顔で笑った。心当たりありますよね?
「お待たせしましたー」
「お、美味そうだ!さぁ食べよう!」
「はい」
運ばれてきたお茶とお団子を頂いていると白雪が縁台に舞い降りてきた。
「任務!任務ー!東北東へ!那田蜘蛛山へ向かえ!!」
やったわ!那田蜘蛛山の任務よ!頑張らなくちゃ!
「行って参りますわ!煉獄さん!」
「気をつけるんだぞ!」
浮かれていた私はお団子代を払い忘れた。
蜜璃さんや他の隊士に会う度に煉獄さんとの結婚の話を否定して周り、ばったり会った村田さんにも私と煉獄さんはただの幼馴染と言う話をしていたら腕をがっちりと掴まれた。
振り返れば煉獄さんが慌てた顔で尋ねてくる。何って……あぁ!もう煉獄さんの所にまで話が聞こえて行ったのね!?話が早くて助かるわ!
「大丈夫です煉獄さん!みんなの誤解は必ず解きますから!」
「まず君が誤解しているとしか思えん」
「心配には及びませんわ!事実をありのままお伝えしているだけですから!!」
「その君の事実認識が歪んでいる気がするのだが!?」
煉獄さんからの信用がないのは悲しいけれどこれまでの私の言動を思えば致し方ないと思う。私は煉獄さんが少しでも安心できるようにニッコリと微笑んでみせた。
「大丈夫です!私が皆さんにお伝えしているのは『私と煉獄さんはただの幼馴染』なので『結婚はしない』の2点だけですもの。これ以上の誤解が生まれる余地はありませんわ!」
「すでに誤解だらけだ」
煉獄さんは頭を抱えてしまった。何故かしら、いい方法だと思ったんだけど……もしかして否定すればするほど信憑性が増すって言うやつかしら?そんな!どうしましょう!!
「ごめんなさい煉獄さん!ちゃんと誤解されないよう行動でも示しますから安心してください!!」
「頼むから君は何もしないでくれ」
煉獄さんは大きなため息をつくと私の手を握った。唖然としている村田さんをチラリと見る。
「彼女から聞いた話は他言無用だ」
「は、はいっ!勿論です!!失礼しますっ!」
腰を90度に折ってお辞儀すると脱兎の如く走っていく。村田さんも忙しかったのね。お時間頂いて悪いことしてしまったわ。
「椎名、少し話したいことがある」
えー?煉獄さんと物理的にも距離を置いて話に信憑性を持たせたいんだけどな。でもしっかりと私の手を握ったままの煉獄さんは離してくれなさそう。止むを得ず頷くとそのまま茶屋に連れて行かれた。
縁台に並んで座るとお茶とお団子を煉獄さんが注文する。お金は後でお支払いしよう。
「…………」
「…………」
話があるんじゃ無かったのかな?いつまでも黙ったままの煉獄さんを不思議に思って隣を見ると、すごく難しい顔をしていた。何かしら?そんな深刻な話?
「……君は…………遠方に嫁ぐとかなんとか、聞いたんだが」
「あぁ、その話ですか」
なんだ、凄く怖い顔をしているから何事かと思ったらそんな事。私があっけらかんと頷いたら煉獄さんが慌てたように腕を掴んできた。
「決まった話なのか!?」
「!?い、いいえ?ただ私がいずれはそうしようと思ってると言うだけです」
自分の恋人の近くに幼馴染の女がいるなんて私だったら嫌だ。ヒロインちゃんは心の広い子だけどいらない不安は抱かせたくない。
「そうか!そうなんだな!?」
「えぇ……」
念を押されて戸惑いが半端ない。煉獄さんって知り合いが遠くに行くのは嫌なタイプなのかしら。
「そもそもこれまでの評判が宜しくありませんからお話が来るかどうかも分かりませんし、まだまだ鬼殺隊を離れるつもりはありませんから」
そう、煉獄さんを守る為にまだ鬼殺隊を止めるわけには行かない。あれ?最終決戦まで数年よね?なら最後までいた方が良い気がする。それまでに私が死ななければ、だけれど。
「そう言えば乙に階級が上がったそうだな!目覚ましい成長は喜ばしいが無理をして体を壊しては元も子もないぞ!」
「無理は……では煉獄さんも無理はしてないですか?強い鬼と対峙した時、無理はしないのですか?」
「それは無理だな!」
ですよね。まぁ、鬼殺隊士は皆んなそうなんだろうけど無理をしてでも能力の底上げをしないといざと言う時何も出来ないもの。苦笑する私に煉獄さんはバツの悪そうな顔で笑った。心当たりありますよね?
「お待たせしましたー」
「お、美味そうだ!さぁ食べよう!」
「はい」
運ばれてきたお茶とお団子を頂いていると白雪が縁台に舞い降りてきた。
「任務!任務ー!東北東へ!那田蜘蛛山へ向かえ!!」
やったわ!那田蜘蛛山の任務よ!頑張らなくちゃ!
「行って参りますわ!煉獄さん!」
「気をつけるんだぞ!」
浮かれていた私はお団子代を払い忘れた。