悪役令嬢は恋を知らない
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「…………ん」
まぶたの裏に入り込んできた明るさに私はゆっくり顔を上げた。朝かしら?
「…………っ!?」
ギッと音を立てる勢いでフリーズする。それもその筈、私の視界には煉獄さんの寝顔が一杯に広がっていたのだ。眠っているせいか力が抜けていて何だか可愛らしい。
(と言うか私、寝ちゃったのね!?)
座ったまま寝かせちゃうなんて申し訳ない!そーっと膝の上から退けようとした私を寝たままの煉獄さんががっちりと掴んできた。フワフワの髪の毛が首に当たってくすぐったい。うっすらと目を開けた煉獄さんが顔をこちらに向けた。
「どこへ行くんだ椎名」
「れ、煉獄さん朝ですっ。雨、上がってますから!」
起き抜けの色気が凄まじい。私も起きたばかりで頭が回ってないから勘弁して。ワタワタする私に煉獄さんは漸く腕の力を抜いてくれた。良かっ……た!?
「……へ?」
あ、あれ?何で私は煉獄さんを見上げているの?何故か私は煉獄さんに押し倒されていた。覆いかぶさって来た煉獄さんは真顔で何を考えているのか分からない。
「あ、の……?」
「君は」
私の言葉を遮った煉獄さんの手が私の頬に添えられる。心臓痛い。ドキドキするから止めて。煉獄さんがこうする相手は私じゃないでしょ。
「俺を何だと思ってるんだ」
「な、何だって……どういう……」
「俺だって男だ。君にとってはただの幼馴染かもしれないがな」
自嘲気味に笑う煉獄さんに胸が痛む。違う……そんな顔して欲しいんじゃない!煉獄さんには幸せに笑ってて欲しいの!でもそれは私に出来る事じゃなくてヒロインちゃんじゃないと……そう、私じゃ駄目だからっ。
「……っ」
泣きたいわけじゃないのに目から涙がこぼれ落ちて煉獄さんがギョッとしたのが分かった。グスグスと鼻を鳴らしながら煉獄さんの下から這い出る。
「椎名……」
「ごめん、なさい……私もう、行きますね」
馬鹿馬鹿。煉獄さんを困らせてどうするのよ。本当は色々伝えなきゃいけないんだろうけど、今はおかしなことを言ってしまいそうで怖い。
家に帰るまでには泣き止もうと思いながら私は振り返らずにその場を去った。
まぶたの裏に入り込んできた明るさに私はゆっくり顔を上げた。朝かしら?
「…………っ!?」
ギッと音を立てる勢いでフリーズする。それもその筈、私の視界には煉獄さんの寝顔が一杯に広がっていたのだ。眠っているせいか力が抜けていて何だか可愛らしい。
(と言うか私、寝ちゃったのね!?)
座ったまま寝かせちゃうなんて申し訳ない!そーっと膝の上から退けようとした私を寝たままの煉獄さんががっちりと掴んできた。フワフワの髪の毛が首に当たってくすぐったい。うっすらと目を開けた煉獄さんが顔をこちらに向けた。
「どこへ行くんだ椎名」
「れ、煉獄さん朝ですっ。雨、上がってますから!」
起き抜けの色気が凄まじい。私も起きたばかりで頭が回ってないから勘弁して。ワタワタする私に煉獄さんは漸く腕の力を抜いてくれた。良かっ……た!?
「……へ?」
あ、あれ?何で私は煉獄さんを見上げているの?何故か私は煉獄さんに押し倒されていた。覆いかぶさって来た煉獄さんは真顔で何を考えているのか分からない。
「あ、の……?」
「君は」
私の言葉を遮った煉獄さんの手が私の頬に添えられる。心臓痛い。ドキドキするから止めて。煉獄さんがこうする相手は私じゃないでしょ。
「俺を何だと思ってるんだ」
「な、何だって……どういう……」
「俺だって男だ。君にとってはただの幼馴染かもしれないがな」
自嘲気味に笑う煉獄さんに胸が痛む。違う……そんな顔して欲しいんじゃない!煉獄さんには幸せに笑ってて欲しいの!でもそれは私に出来る事じゃなくてヒロインちゃんじゃないと……そう、私じゃ駄目だからっ。
「……っ」
泣きたいわけじゃないのに目から涙がこぼれ落ちて煉獄さんがギョッとしたのが分かった。グスグスと鼻を鳴らしながら煉獄さんの下から這い出る。
「椎名……」
「ごめん、なさい……私もう、行きますね」
馬鹿馬鹿。煉獄さんを困らせてどうするのよ。本当は色々伝えなきゃいけないんだろうけど、今はおかしなことを言ってしまいそうで怖い。
家に帰るまでには泣き止もうと思いながら私は振り返らずにその場を去った。