悪役令嬢は恋を知らない
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ーー雪の呼吸 伍ノ型 灰雪(はいゆき)ーー
高く舞い上がった鬼の首に私は大きく息を吐き出した。気配鋭敏の使い方が少しわかって来た気がする。
(先読みに近いかも)
鬼が左腕を使おうとすると先んじてそれが分かる。分かっていても対処出来てない部分があるからもっと鍛錬を積まなくちゃ。
(雨降りそう)
雲行きが怪しい。私は廃屋を見つけるとその中に駆け込んだ。それと同時に雷が鳴り雨が降り出す。
(酷い振りだわ。早く止むと良いけど)
この廃屋で一晩過ごすのは出来ればごめん被りたい。
「…………」
雨の音を聞きながら私は子供の頃を思い出していた。小さな頃の私は雷が苦手で天気の悪い日は機嫌が悪かったっけ。
嵐の日に部屋で布団にくるまって小さくなっていた私に煉獄さんが駆け込んで来てくれたこともあったわ。
『大丈夫だ!俺がついてる!!』
あー、尊いわ。記憶の中の煉獄さんも生で見る煉獄さんも全部全部本当に愛おしい。
「……無し。愛おしいとか無し」
推しとしては愛おしいし大好きだけど!でも今のはなんか違った気がする。違う違う。私はヒロインちゃんとは違うのだからちゃんと弁えないと。
(大丈夫。胸なんか痛くない)
動揺からか速くなった鼓動を持て余して、胸の前で手を握り締める。あぁ、ちぐはぐだな私。心底煉獄さんに幸せになって欲しいと思ってるくせにこんなに胸が苦しい。
(やっぱり私は紗雪椎名なんだわ)
煉獄さんが好きで大切だから傍に居たいと思ってしまう。煉獄さんとヒロインちゃんが並んで立つのを想像したらお似合いだと納得するのと同じぐらい辛い。
「……大丈夫。ちゃんと頑張れる」
口に出して自分に言い聞かせる。煉獄さんが心から笑える未来の為に力を尽くそう。
(あれ?誰か近づいてくる)
雨の中こちらに近づいてくる気配に私は警戒を高めた。こんな深夜に廃屋に向かってくるなんて誰だろう?
「……煉獄さん」
走って来たのはは夜でもよく見える炎柱の羽織を見に纏った煉獄さんだった。
高く舞い上がった鬼の首に私は大きく息を吐き出した。気配鋭敏の使い方が少しわかって来た気がする。
(先読みに近いかも)
鬼が左腕を使おうとすると先んじてそれが分かる。分かっていても対処出来てない部分があるからもっと鍛錬を積まなくちゃ。
(雨降りそう)
雲行きが怪しい。私は廃屋を見つけるとその中に駆け込んだ。それと同時に雷が鳴り雨が降り出す。
(酷い振りだわ。早く止むと良いけど)
この廃屋で一晩過ごすのは出来ればごめん被りたい。
「…………」
雨の音を聞きながら私は子供の頃を思い出していた。小さな頃の私は雷が苦手で天気の悪い日は機嫌が悪かったっけ。
嵐の日に部屋で布団にくるまって小さくなっていた私に煉獄さんが駆け込んで来てくれたこともあったわ。
『大丈夫だ!俺がついてる!!』
あー、尊いわ。記憶の中の煉獄さんも生で見る煉獄さんも全部全部本当に愛おしい。
「……無し。愛おしいとか無し」
推しとしては愛おしいし大好きだけど!でも今のはなんか違った気がする。違う違う。私はヒロインちゃんとは違うのだからちゃんと弁えないと。
(大丈夫。胸なんか痛くない)
動揺からか速くなった鼓動を持て余して、胸の前で手を握り締める。あぁ、ちぐはぐだな私。心底煉獄さんに幸せになって欲しいと思ってるくせにこんなに胸が苦しい。
(やっぱり私は紗雪椎名なんだわ)
煉獄さんが好きで大切だから傍に居たいと思ってしまう。煉獄さんとヒロインちゃんが並んで立つのを想像したらお似合いだと納得するのと同じぐらい辛い。
「……大丈夫。ちゃんと頑張れる」
口に出して自分に言い聞かせる。煉獄さんが心から笑える未来の為に力を尽くそう。
(あれ?誰か近づいてくる)
雨の中こちらに近づいてくる気配に私は警戒を高めた。こんな深夜に廃屋に向かってくるなんて誰だろう?
「……煉獄さん」
走って来たのはは夜でもよく見える炎柱の羽織を見に纏った煉獄さんだった。